ゆとりとくつろぎ

上記の時間と多少重複すると思いますが、現役世代の富裕層はお金こそはあるが毎日仕事に追われ、そのお金を使ってゆっくりする時間が比較的少ないのかもしれません。そう考えますと、自分で旅行を企画する煩わしさもなく、家を出てから家に戻るまで全てが良く準備されており、そして、旅行先である1~2カ所に滞在し、ゆっくりとくつろぎ、癒されます。

こうした時間と空間を提供する旅行は忙しい富裕層には願ってもないものなのかもしれません。こうした英気を養え、また仕事を頑張ろうとモチベーションを高めてくれる商品の付加価値は高いのだと思います。


贅沢を楽しむ

富裕層が贅沢を求めると言うと矛盾を感じる方がいらっしゃるかもしれません。なぜなら、全ての富裕層がすでに贅沢な暮らしを送っているといった先入観をお持ちだからです。しかし、普段の生活で贅沢三昧な生活を送っている富裕層の数は、実は少ないかもしれません。それは、富裕層には倹約の心得を持っている方が多いからです。また、それだからこそ富裕層でずっといられるのだと思います。

しかし、こうした富裕層はお金を使うところと使わないところのメリハリが利いています。ですので、普段の生活にはそれほどお金をかけていないかもしれませんが、こうした旅行などといった普段と少し違う体験が出来る時には思いっきりお金を使います。こうした贅沢を楽しませる演出がこの商品はなされているという点でも付加価値が高いように思われます。


販売の結果はいかに?

この高級ツアー販売は7月に始まったばかりですので、私がここで挙げた時間、経験、ゆとり、贅沢といった富裕層が好みそうな付加価値はまだ机上の空論でしかありません。しかし、もし販売が今後好調になっていく場合には、上記で挙げた付加価値は富裕層に求められていることを証明することになります。そして、今後富裕層マーケティングにおいて外せない付加価値になってくると思います。

また、もし販売が思わしくないようでしたら、富裕層の求める付加価値を今一度見直す必要が出て来るのではないでしょうか。そして、その上で富裕層というターゲットの扱い方も、もう少し厳密に行わなければならないかもしれません。なぜなら、富裕層といってもステレオタイプに捉えるのが難しいからです。

富裕層にも種類・思考が異なり、それぞれが違った趣味や感覚を持っているようでしたら、マスでの販売は有効ではなくなります。その代わりに、もう少しニッチなテーマを扱い、特定の少数の富裕層をターゲットにして販売する必要があるかもしれません。いずれにしましても、どのような販売結果になるかを楽しみに待ちたいと思います。

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