人生における3大支出と言われるのが「マイホーム」「子どもの教育費」「老後資金」である。このうち、目に見える支出がマイホームだ。「賃貸に住み続けるのか」「マイホームを購入するのか」は、誰でも1度は悩むのではないだろうか。今回は、自分の住む家についてどう考えるのがよいのかを検討してみる。

どんな暮らし方をしたいのか、具体的にイメージしてみよう

マイホーム
(画像=iyomemo)

賃貸もマイホームもどちらもメリットと注意点があるが、どちらも住めば都だ。そのため、まずは自分がどのような暮らし方をしたいのかを考えてみるとよいだろう。

・ 自動車での通勤時間は30分以内にしたい
・ ペットを飼いたい
・ 家の庭で子どもに自転車乗りの練習をさせたい
・ 子どもが通う幼稚園や小学校は近いほうがいい

例えば、上記のような自分たちにとって理想的な住み方を具体的に意識するのがよいだろう。これは、家族のことを考えるのではなく、まずは自分の思うままに書いてみるのがよい。そのうえで、家族で話し合い優先順位をつけていこう。妥協できるポイントや絶対に譲りたくないポイントはそれぞれの家庭によって異なる。

あらかじめ家族の譲れないポイントを知っておくとよいのだ。これらを書き出したうえで自分たちが住みたいのは賃貸なのかマイホームなのかを判断すればよいだろう。

住むなら賃貸とマイホーム、どちらがいい?どんな意見があるの?

実際に住むのは、賃貸とマイホームのどちらが良いのだろうか。賃貸派とマイホーム派に分けて考えてみたい。

● 住むなら賃貸派

賃貸のメリットは、住むにあたって最初に必要になる資金が少なくて済むことだ。持ち家のように毎年固定資産税がかからず、修繕が必要なときには管理会社がメンテナンスをしてくれる。また、転職・転勤や子どもの出産など、ライフスタイルの変化に合わせて臨機応変に住み替えができるため、便利だという意見もある。

一方で賃貸の場合、住み続ける限り家賃を払い続けなければならない。そのため、老後までに貯蓄を十分に確保しておかなければ、家賃の支払いが老後の重荷になるおそれもあるので注意が必要だ。

● 住むならマイホーム派

一方、マイホームはどうだろうか。マイホームを持つメリットは、家族の理想を詰め合わせた住まいで日々の暮らしを送れることだ。子どもがいる場合は子どもの転校をする心配がなくなるため、子育て面でもメリットがあるだろう。

また、マイホームの住宅ローンを組むときには団体信用生命保険(団信)への加入がセットになることが多い。団体信用生命保険は、住宅ローンの返済中に万一のことがあれば、保険金によりローン残高が0円になる保証制度で、金融機関によっては住宅ローンに自動的に含まれている。もしものことが会った場合に、住宅ローンの毎月の支払いがなくなるため、家族に負担がかからないのが特徴だ。

一方で、マイホームの購入時には、住宅ローンや登記費用など、住宅購入費用以外に数百万円の諸費用が必要になることが多い。住宅ローンですべて賄うこともできるが、頭金がないフルローンを選ぶと借り入れ金額が大きくなるため、自ずと返済総額が多額になる。頭金の検討は重要なことだ。

賃貸は住み続ける限り、毎月家賃の支払いが必要だが、マイホームなら住宅ローンが完済すれば住居費の支払いがなくなる。定年退職時に退職金を活用して返済すれば、老後の負担を減らすことも可能だ。加えてマイホーム購入後は住宅ローン控除を受けられるのもメリットだろう。定められた期間内であれば、住宅ローンの年末残高×1%分が支払った所得税や住民税から還付される。こういったことを総合的に考え、賃貸かマイホームかを検討しよう。

お金のコントロールをすればマイホームを購入しても幸せに暮らせる

賃貸とマイホームのどちらに住むほうがよいかを考えてきたが、長く住もうと考えるならマイホームの購入を検討するのがよいだろう。一般的にマイホーム購入時には、20%程度の頭金を準備するのがよいとされている。また、今後支払う住宅ローンの月額返済額が「手取りの25%以内に収まるかどうか」に収支計算をよく確認しておきたい。これからの長い人生のマネープランもあわせて検討すべきだ。うまくお金をコントロールできれば、住宅ローンの支払いに追われることなく、夢のマイホームとともにゆとりある生活が送れるはずだ。

毎月の収支でやりくりできる範囲がいくらなのかをよく考えて、最初に書き出した「自分が住みたい家」を思い描き、マイホームを購入するのがよいだろう。(提供:iyomemo

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