2019年3月6日13時過ぎに井口喜雄さんに直接聞いた現在の相場観とFXトレード戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)
現在の為替相場の傾向や相場観
トランプ米大統領の「ドル高けしからん」発言もどこ吹く風で、米中貿易交渉が合意に達するのではと言った楽観論からマーケットはリスクオン。さらに米10~12月期GDP速報値やISM非製造業総合指数といった米経済指標が高水準だったことも米ドル/円が上昇している要因だろう。しかし、開催中の全国人民代表大会や、明後日8日(金)の米雇用統計を見極めたいとの思惑もあり、米ドル/円は112円に定着することはできなかった。ここからの上値攻めも簡単とはいかないようだ。
現在の為替相場の戦略やスタンス
米中通商協議は、27日(水)頃に予定されている米中首脳会談で最終合意に到達するとの期待感からリスクオンだが、トランプ米大統領は「合意内容が適切でなければ協議を決裂させる」としており、先の米朝首脳会談を見る限りその可能性も捨てきれない。明後日8日(金)の米雇用統計次第で状況は変わるが、基本的には112円付近での上値追いに抵抗があり、深い押し目があれば拾っていくぐらいが安全だ。また、テクニカル面でも昨日5日(火)は長い上ヒゲを付けているほか、4時間足や日足のRSIも下方向へのダイバージェンスが確認されている。今は米ドル/円の上昇トレンドが本物であるかを見極める時間帯だろう。さて注目の米雇用統計だが、現時点でのコンセンサスは、雇用者数変化が+18.5万人、失業率が3.9%、平均時給が前年比+3.3%と申し分のない数値が並んでいる。あしもとの米経済指標が堅調なだけに米雇用統計がポジティブであれば強い米ファンダメンタルが再確認されドル高の流れが加速する一方、数字次第ではあるが、ネガティブな結果になれば、一時的にはドル高エンジン停止となるのではないだろうか。
井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。月刊 FX攻略.comで「現役為替ディーラーが本音で語る”Dealer’s EYE”」を連載中。
羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
「羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。