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2018年も終わりが近づいてきた。忘年会やクリスマスの対応で慌ただしい飲食店も多いことだろう。年が明ければ新年会、2月にはバレンタインデーが控えている。こうした定番イベントだけではなく、2019年は消費税増税、さらにその先には受動喫煙防止条例(東京都)の施行が控えており、飲食店にとってはやるべきことが山積みだといえる。

大切なのは年間スケジュールを整理し、全体像をしっかりと把握すること。その場しのぎの経営にならないよう、計画性を持った店舗運営を心掛けることが重要だ。そこで今回は、「飲食店の年間スケジュール」の作り方を紹介。12月のうちにスケジュールを明確にし、気持ちよく新年を迎えたいものだ。

まずは年間の「イベント」や「休日」を整理

年間計画を立てるには、まずイベントなどの情報を整理することから始めよう。例えば、以下のような形で書き出してみてほしい。

1月……お正月/初詣/新年会/成人式
2月……節分/恵方巻/バレンタインデー
3月……ひな祭り/ホワイトデー/卒業式/送別会
4月……入学式/入社式/歓迎会/お花見
5月……ゴールデンウィーク/母の日
6月……父の日
7月……七夕
8月……花火大会/お盆
9月……シルバーウィーク
10月……食欲の秋/ハロウィン
11月……お月見/ボジョレー解禁
12月……忘年会/クリスマス/年越し

イベントごとだけでなく、大型連休のチェックも大切だ。正月休み、春休み、GW、お盆休みなど。いつ始まって、いつ終わるのかを細かく把握しておきたい。例えば、主婦客が多い店であれば、近隣の小学校や中学校の休み期間の確認も重要なポイントになるはずだ。

このように、まずは全国共通のイベントの日程をチェックし、次に休日情報、さらに商圏内で開催されるお祭りなどのイベントも調べ、一目でわかるよう「年間カレンダー」へ記載していこう。

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2019年特有のトピックスをチェック

2019年は、飲食店として対応を検討しなくてはならない事柄がいくつかある。代表的なものはこの3つだ。

1、新元号への変更

メニューや伝票、ホームページなどに元号(平成)を使用している場合には修正が必要。早めに西暦で統一しておくか、5月1日に合わせて切り替えるようにしよう。また、新元号の発表は4月だが、元号に関連した販促を行う場合は3月までに内容を決めておきたいところだ。

2、消費税増税・軽減税率への対応

2019年10月1日から消費税の税率が8%から10%に引き上げられると同時に、軽減税率制度が始まる。店内での飲食の場合は10%、テイクアウトであれば8%の課税というように少々複雑になる。

イートインとテイクアウトの両方を行う店であれば、軽減税率対応のレジスターの準備、イートインのみの店の場合でも増税への対応をしなくてはならない。例えば、税込1,000円のメニューを提供していた店の場合は対応が難しい。価格を据え置きにするか、これを機に値上げするかを検討する必要がある。

遅くとも夏頃までに決定しようと言いたいところだが、増税前後にキャンペーンなどを行う可能性を考えると、5月くらいまでには対応を決めておきたい。8~9月はメニュー表記の変更作業などで慌ただしくなるので、余裕を持ってスケジュールを組むようにしよう。

3、2020年に受動喫煙防止条例が施行

東京都は2020年4月から「受動喫煙防止条例」が施行される。従業員のいる飲食店では原則屋内禁煙、喫煙専用室内でのみ喫煙可となる。従業員のいない飲食店の場合は、事業者が屋内禁煙か喫煙かを選択する。義務違反者には5万円以下の過料が適用されるので注意が必要だ。現在喫煙可としている店は、遅くとも来年末には対応を決定し、常連客への告知を進めていく必要があるだろう。

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2018年の売上データをもとに売上計画を立てる

続いて2018年の売上データをふり返りながら、2019年の売上計画を立ててみよう。重要なのは2018年のふり返り。毎月の売上の傾向はもちろん、イベントや休日のときの売上もチェックし、それに即した計画を立てる必要がある。例えば、商店街のお祭りの時には、初日は売上が高かったが、最終日は落ち込んでいた……など。スタッフを何人投入していたかなども記載されていれば対策を練りやすくなる。

また当然だが、売上は毎月一定ではなく、夏休みに売上が一気に上がる店もあれば、その反対の店もある。繁忙期の月は目標を高く、閑散期の月は低く設定しつつ、年間ではしっかりと利益を出せるように計画を立てることが重要だ。

年間計画はスケジュールだけでなく、様々なタスクや経費計算なども伴うので非常に複雑になりやすい。そこでおすすめなのが、GoogleカレンダーやGoogleスプレッドシートなどのアプリを活用することだ。パソコンやスマホなど、どのデバイスでもアクセス可能で、オーナーや店長、スタッフともクラウドで共有して閲覧することができる。このような形で管理すれば、全スタッフで進行状況が把握でき、計画も実行しやすくなるだろう。

年間スケジュールを計画通りに実行するための注意点

いくら綿密な計画を立てても実行できなくては意味がない。例えば、スタッフが欠勤して営業日数が減ってしまったり、営業時間が短くなったり……といったことも想定される。また、オーナー自身の体調不良などにより、長期休業をせざるを得ないケースもあるだろう。

仮に1か月だけ、または1日だけ売上が良い日があっても、1日余計に休んでしまえば帳消しになる。年間計画というものは、短期で見るのではなく、あくまで長期的に計画通りに進行していくことが大切なのだ。そのためにも年間を通じた体調管理とモチベーションの維持はしっかりとするようにしておきたい。

2020年に向けて何かと慌ただしくなるが、店舗経営においては常に1年先を見据えて行動する気持ちが大切だ。また、その年の年間データは翌年の計画を立てる際の重要な材料となるので、売上の数字はもちろん、イベントや天候との関連性などもわかりやすく記録しておこう。ぜひ年末の休業日などにじっくり計画を練ってもらいたい。

執筆者:大槻洋次郎

(提供:Foodist Media