証券会社のサイトでよく目にするETFという言葉。なんのことか分からないという方もいるだろう。ETFとはどんな商品で、どのような特徴があるのか、またどのネット証券で購入するといいのかなど、知っておきたいETFの基礎知識を解説する。

ETFは「分散投資」できる「低コスト」の「上場投資信託」 

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(画像=fin-illustration/Shutterstock.com)

ETFとはExchange Traded Fundsの頭文字をとった略語で上場投資信託を意味する。日経平均株価やTOPIXなどの対象指数の値動きに連動するように運用されている、インデックスファンドに似た投資信託の一種だ。東京証券取引所ETF市場に上場されているため上場株式と同じように取引できる。

ETFが投資初心者に適している3つの理由

ETFは投資に詳しくない初心者でも購入しやすい3つの理由がある。

1つ目の理由は値動きがわかりやすいところ。毎日ニュースで報道されている各種指標の値動きに連動するように運用されているので、ETFの値動きや損益を把握しやすい。

2つ目はETFで分散投資と同じリスク低減効果が得られること。ETFは本来、いくつもの資産に分散投資する商品であるため、例えばTOPIX連動型のETFなら、TOPIX構成銘柄すべてに投資することと同じなのだ。

3つ目は低額で始められてしかも低コストであること。ETFでは現物株式のように売買単位が100株と決められていないため、株価1,500円前後の銘柄が1口から購入できる場合もある。さらに指標に連動した値動きをする商品なので運用コストが安く抑えられる。

一般的な投資信託との違いは東証上場銘柄であること

ETFは東京証券取引所に上場されているため、一般的な投資信託より上場株式に似た性質を持つ。市場で流通しているので、日本全国どの証券会社でも同じ価格で、購入価格はリアルタイムの時価、指値・成行注文、そして取引可能時間は取引所の立会時間中といった特徴がある。

ネット証券のETFはどこで購入するのがいいのか

ETFは同一銘柄なら全国どこでも同じ価格、同じ信託報酬で購入できる。どの証券会社でも東証上場ETFの229銘柄すべて(2019年3月13日時点)を取り扱っている。

売買手数料については基本的にネット証券各社の国内現物株式の売買手数料体系が適用されており、各社固有のサービスとして一部銘柄の売買手数料を無料にしている場合もある。ここではネット証券各社のETF売買手数料(2019年3月13日時点)やその他のサービスを整理しておきたい。

SBI証券――期間限定の売買手数料キャッシュバックキャンペーンがある

売買手数料は、1注文の約定代金が5万円以下なら54円(税込)、10万円以下で97円、20万円以下で113円など、業界屈指の格安手数料が設定されている。さらに売買手数料の1.1%相当のポイントも付与される。

期間限定でETF売買手数料全額キャッシュバックキャンペーンが展開されていることがあるので、定期的にチェックするといいだろう。

楽天証券――ネット証券最多35本のETFが手数料0円

楽天証券が取り扱うETFの売買手数料もSBI証券と同額で業界最低水準であり、手数料の1%がポイントバックされる。

楽天投信投資顧問・iShares・MAXISが運用する35本のETFについては売買手数料が0円になっている。中でも楽天投信投資顧問のレバレッジETFとインバースETFでは、信託報酬が同種のレバレッジETFの半額程度であり、低コストを重視する人には注目の銘柄だ。

松井証券――ボックスレートで1日約定代金合計10万円以下なら手数料無料

松井証券では、ETFを含めた現物の株式売買手数料にボックスレートを採用。1日の約定代金合計額に対して一定額の手数料がかかる。合計額が10万円以下だと手数料は無料で、30万円で300円(税抜)となるため、数千円から取引できるETFを組み合わせれば、1日に何本かを手数料無料で購入可能。ETF銘柄一覧でチェックしたい。

カブドットコム証券――手数料割引とフリーETFが魅力

現物の株式売買手数料と同じ料金体系なので、1注文の約定代金が10万円以下だと手数料は97円(税込)、20万円以下だと194円。この手数料からシニア割、女子割、NISA割、株主優待割引などで手数料が割引され、さらにkabu.comカードの保有で手数料の最大1.5%がキャッシュバックされる。

カブドットコム証券では指定のETF8本の売買手数料が常時無料(フリーETF)。さらに、現物株式同様にETFでも指定銘柄を毎月500円以上1円単位で積み立てられるサービス(プレミアム積立)もある。

DMM.com証券――業界最安値の手数料の安さが魅力

現物の株式売買手数料は1注文の約定代金が5万円以下なら54円(税込)、10万円以下84円、20万円以下104円、50万円以下194円など業界最安値であり、手数料1%分の株ポイントも付与される。

DMM.com証券では手数料無料のETFはないが、もともとの手数料が安いので十分検討の余地はあるだろう。

投資初心者にもやさしいETFをよりお得に購入する

ETFが投資初心者向きであるのは、各種指標に連動するわかりやすい値動きや低コスト、分散投資によるリスク分散といった投資初心者にもやさしい条件を備えているからだ。プロに運用を任せられる安心感もある。さらにネット証券ではETFを格安の手数料または無料で購入できるとなれば、資産運用を考えている人は、一度は試してみてもよいだろう。

ネット証券各社のETF売買手数料や関連するサービスには若干の違いがある。手数料もちろんのこと、キャッシュバックあるいはポイント付与サービスなど、自分の投資スタイルに合ったネット証券でETFを始めるといいだろう。

文・近藤真理(フリーライター)/MONEY TIMES

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