外貨預金という言葉、耳にしたことのある人は多いはず。外貨預金が何をするかについて、漠然と想像はつくものの、株式や不動産投資などと比較すると実際に運用している人はさほど多くないものと言えます。しかし投資はなるべく手広く分散できるほど、リスクは低減してゆくものです。いざと言うときに活用できるよう、本稿では外貨預金の概要および、そのメリットとデメリットについて説明します。

まず知るべきは各国の利率

資産形成,近道,外貨預金
(写真=create jobs 51/Shutterstock.com)

そもそも外貨預金とは、文字通り、外国の通貨を預金することです。銀行および証券会社など、国内でも複数の金融機関が扱っており、米ドルをはじめ、ユーロ、ポンドなどの主要通貨などを預金することができます。また金融機関の中には、豪ドル、NZドル、カナダドル、シンガポールドルなど、さまざまな国の通貨を取り扱っているため、外貨預金を行う際には、まずは色々と金融機関を比較してみることをおすすめします。

外貨預金はそれぞれの国の利率が用いられます。一般的には、デフォルトや国内紛争など、リスクの高い国ほど利率が高く、米国や日本、イギリスのような安定した先進国になるほど利率が低くなる傾向があります。このため、外貨預金を行う際にはそれぞれの国のリスクを考えつつ、利率の高い国の通貨で預金してゆくことになります。

現在日本国では、円に対して利率がほぼゼロであるのに対し、たとえばトルコリラは一ヵ月で14%(2019年3月現在)の高い利率となっています。もちろん利率に見合ったリスクがあることも念頭に入れておかねばなりません。このリスクはさまざまなものが考えられますが、それは必ずしもトルコ国内の問題ばかりとは限らない。たとえば、トルコリラが高いときに預金をし、トルコリラが安くなった際に引き出さねばならなくなったとしたら、為替差益分だけ損失を出すことにもなるためです。

このようにさまざまなリスクを考慮しながら、利率の良い預金をしてゆくことが外貨預金の醍醐味といえるでしょう。

「なるべく手広く」が外貨預金の基本

投資とは不確定な将来を予想する側面があります。国内の株式銘柄ですら、将来的にどうなるかはわかりません。ましてや行ったこともない国外の通貨を扱うのです。さまざまな要因を考慮したその上ですら、どのような事態が生じるのかまったく予想がつかないと言っても過言ではないのです。

しかし日本円に信用があるからと言って、限りなくゼロに近い利息で預金をしていても、それは物価上昇に伴って年々その価値が目減りしていってしまいます。しかし国内株式なども、信用はあるものの、日本国そのものが不況に陥るとやはり全体的に低迷してしまう感は否めません。だからこそのリスクヘッジの要因の一つとして外貨預金という選択肢が挙がるのです。

このような外貨預金ですが、それを行うにあたっては一つの通貨ではなく、なるべく手広く扱うことをおすすめします。なぜなら、たとえば利率の高い新興国などは、大胆な金融政策や新しい法律の制定などによって、通貨の価値が一夜にして変貌する場合も少なくないからです。いかに金利が高いからと言って預貯金を全部一国の外貨預金にしてしまうと、ある日突然、取り返しのつかない損失を出してしまうおそれも十二分にあるためです。

はじめて外貨預金をするなら

はじめて外貨預金を行うのであれば、たとえば外貨建てのMMFと言う手もあるでしょう。MMFは信用の高い各国の国債などを外貨建てで運用するものです。投信としてプロが扱ってくれるため、安全性も高いためにおすすめできます。

外貨預金はメリット・デメリットが明確なものです。日本円をそのまま銀行に預金するだけでは人生設計が難しくなってきた現代、外貨預金も含めて上手に資産運用をしていきたいものです。(提供:Incomepress

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