銀行も営利企業であり、利益を生むことを目的にしている。特に一部の銀行は上場していることもあり、株主に対する責任や市場からの期待にこたえることが求められる。経済ジャーナリストの浪川氏は、「銀行だって儲けていい」という一方で、現状で銀行からお金が借りられないような層に対してもできること、やるべきことがあるのではないかと指摘する。(取材、構成・濱田 優 ZUU online編集長/写真・森口新太郎)
※ 取材は3月28日に行われました。
特集「金融 大サバイバル 銀行は、銀行員は生き残れるのか」
返済能力がある人貸す貧困問題に取り組むべきではないか
――最近、金融業界では「金融包摂」(ファイナンシャル・インクルージョン)が盛んに言われています。これも“普通”の“生きた”言葉ではないですが、一方で、銀行があらゆる人のためのお金のサービスを提供すべき存在であることは間違いないと思います。
新刊に書いんたんですが、銀行ってお金持ちには節税、アパマンローンみたいな、節税のローンを提供しています。サラリーマンでも収入が安定してる層には、「住宅ローンいかがですか」とお金を貸します。あまり安定していない人には、カードローン、消費者ローンを提供しますが、まぁ返済能力がなくはないわけです。
問題なのは、返済能力がそれ以下の、消費者ローンなどが借りられない人に何もやらないことだと思うんですよ。
――あぁ、なるほど。たしかにそうですね。
銀行の経営者って昔から、「うちは長期的な視点でお客と付き合う」とか言ってきたんですよね。でも僕はね、思うんですよ。「やってないじゃん」って。