4月16日、住宅総合メーカーの大和ハウス工業(以下、大和ハウス) <1925> が年初来安値を更新した。背景には中国での不正流用疑惑、建築基準法不適合など相次ぐ不祥事が指摘される。建築基準法不適合が明らかになった12日の大和ハウス株は5.6%安の3266円を記録、翌営業日の15日には3.8%安の3142円、さらに16日には一時3085円と年初来安値を更新するなど連日の下げを余儀なくされていた。
上場企業の不祥事は株主に対する裏切りである。後段で述べるように大和ハウスの今期の最終利益は2400億円と過去最高が見込まれており、今回の建築基準法不適合が業績に与える影響も限定的との見方もある。しかし、それでも株価が連日の下げに見舞われたのは株主の失望、怒りがそれだけ大きかったということなのだろう。
ちなみに、東京証券取引所の業種別株価指数(33業種)の年初来のパフォーマンスを見ると、不動産セクターはマイナス5%でワースト2位となっている。そこにはかつて相続税対策と超低金利を後ろ盾に活況を呈し、「アパートバブル」とまで呼ばれた面影は見られない。レオパレス21 <8848> 、TATERU <1435> 、そして今回の大和ハウスの不祥事が発覚する中「アパートバブル崩壊」が進行しているのだろうか? 関連銘柄の動きとともに見てみよう。