エルメス、ルイヴィトン、グッチなど、ラグジュアリーブランドのバッグや洋服は、いつの時代も女性を引き付けるものです。男性にとってはあまり縁のないものかもしれませんが、代わりに、こういったブランドを持つ会社の株を買ってみてはいかがでしょうか。ラグジュアリーブランドビジネスの魅力について解説します。

ラグジュアリー市場は成長余地が大きい?

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(画像=Oliver Hoffmann / Shutterstock.com)

まず、ラグジュアリー市場そのものは、魅力的な市場なのでしょうか。ラグジュアリーブランドは、贅沢品である以上、使う人は限られています。しかし、世界的にみると、ラグジュアリーブランドはまだまだ成長の余地を大きく残しています。

魅力的な点としては、世界レベルで見ると、中間層や富裕層が増えているということです。特に新興国では、お金に余裕のある人が増えており、世帯年間可処分所得が1万5,000ドル以上の上位中間層、富裕層の人口が、2000年には2億5,000万人しかいなかったのが、2020年には18億4,000万人を超えると言われています。日本の高級ブランドショップにも、中国人観光客が多く訪れているのを見ると分かるように、今や、ラグジュアリー市場の成長は新興国の経済成長に支えられているのです。

また、世界的な景気拡大も、ラグジュアリー市場の成長を後押ししています。景気に左右されるのがラグジュアリー市場の特徴ですが、リーマンショック以降、ゆるやかに景気が回復し、経済成長している点も、ラグジュアリー市場にとっては魅力的だといえます。

コングロマリット化するラグジュアリーブランド

では、そういった追い風の中で、ラグジュアリーブランド各社はどのような戦略をとっているのでしょうか。

共通して見られるのは、コングロマリット化が進んでいるということでしょう。例えば、ルイヴィトンは、LVMHという会社によって保有されているブランドです。LVMHは、ルイヴィトンやフェンディ、ブルガリといったラグジュアリーブランドだけでなく、お酒のヘネシーや、モエシャンドンなども含めて、約70のブランドを保有しています。今、世界の三大ブランドコングロマリットは、LVMH、ケリング、リシュモンと言われており、ケリングは傘下にグッチやサンローラン、リシュモンは傘下にカルティエやクロエなどのハイブランドを持っています。

この業界ではM&Aが盛んで、大きなコングロマリットはM&Aを行うことでさらに巨大化しています。最近だと、LVMHが2017年に高級スーツケースブランドのRIMOWAの株式を取得したり、リシュモンがラグジュアリーECのYOOX(ユークス)の株式を取得したりなど、各社が事業領域を拡大しているのも特徴だと言えるでしょう。

ラグジュアリーブランドの株はどこで買える?

では、こういたラグジュアリーブランドの株を、私たちは買うことができるのでしょうか。

これらのブランドコングロマリットの多くはヨーロッパで上場しています。LVMH、ケリングはパリ証券取引所で、リシュモンはジュネーブ証券取引所で上場しています。残念ながら、現在、日本のネット証券等ではこれらの株を買うことはできません。ただ、証券会社では、外国株を扱っているところもあるので、証券会社に相談してみるのがいいでしょう。

アメリカの株の場合は、ネット証券で買えるものもあります。たとえば、コーチやケイトスペードを保有するタペストリー社や、高級ジュエリーのティファニー社はニューヨークで上場しており、ネット証券を通じて買うことも可能です。アメリカの市場ということで、比較的買いやすい、ユーロの影響を受けづらいというメリットもあります。まずはこれらの株から試してみてもいいかもしれません。

ラグジュアリーブランド以上に魅力的なラグジュアリーブランド株

ラグジュアリーブランドは、今後も、新興国の成長の恩恵を受けて、業績を伸ばしていくことが予想されています。その視点で見ると、ラグジュアリーブランド株に投資する価値はあるのではないでしょうか。

確かにラグジュアリーブランドのバッグや洋服は魅力的です。しかし、それ以上に、値上がりが期待できるラグジュアリーブランド株の魅力にも気づいておきたいところです。(提供:JPRIME

文・J PRIME編集部


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