ネット証券業界で口座数第2位を誇る楽天証券では、通常の株式取引以外にIPO(新規公開株)の購入もできる。長年個人投資家からの高い評価を得ている楽天証券のIPOの実績や申し込み、抽選方法はどうなっているのだろうか。

楽天証券のIPOの状況 取扱銘柄数など

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(画像=StreetVJ/Shutterstock.com)

IPO取扱銘柄は証券会社ごとに違うため、口座を持っている、あるいはこれから口座を開こうと思っている証券会社がどのくらいIPOを取り扱っているのか確認しておく必要がある。

以下に、過去10年間の楽天証券のIPO取扱銘柄数をまとめた。

楽天証券IPO取扱銘柄数

2018年 11社
2017年 7社
2016年 8社
2015年 10社
2014年 2社
2013年 2社
2012年 6社
2011年 15社
2010年 3社
2009年 5社

楽天証券の過去10年間のIPO取扱銘柄数を見てみると、多い年で2011年の15社、少ない年で2014年、2013年の2社だ。ネット証券第2位の楽天証券にしては、年間のIPO取扱銘柄数が少ない印象を持つ人もいるだろう。

個人投資家から楽天証券に対してIPO取扱銘柄数を増やしてほしいという要望が多かったようで、2018年よりIPO引受業務を再開するとの発表があった。

その結果、2018年は11社と2011年以降で最も多い取扱銘柄数となり、今後も増えることが予想される。

楽天証券の過去3年間のIPO取扱銘柄は以下の通りだ。

2018年 楽天証券IPO取扱銘柄

<7047> ポート

<4427> EduLab

<6232> 自律制御システム研究所

<7671> AmidAホールディングス

<4423> アルテリア・ネットワークス

<7044> ピアラ

<7043> アルー

<7805> プリントネット

<3495> 香陵住販

<7034> プロレド・パートナーズ

<7806> MTG

2017年 楽天証券IPO取扱銘柄

<3482> ロードスターキャピタル

<7809> 壽屋

<6696> トランザス

<3988> SYSホールディングス

<3563> スシローグローバルホールディングス

<3479> ティーケーピー

<4597> ソレイジア・ファーマ

2016年 楽天証券IPO取扱銘柄

<5704> JMC

<3548> バロックジャパンリミテッド

<9142> 九州旅客鉄道

<3962> チェンジ

<3547> 串カツ田中

<3538> ウイルプラスホールディングス

<2424> ブラス

<3930> はてな

楽天証券のIPOでは、九州旅客鉄道などの大型IPOも取り扱っているものの、これまでのIPOの大半は中小型株が中心だった。引受業務再開によって、今後は大型IPO案件の取り扱いが増えることに期待したい。

楽天証券のIPOは完全平等の抽選

楽天証券のIPO抽選は、以前はステージ制だったが、現在は完全平等の抽選に変わっている。

ステージ制とは、顧客の口座残高や取引実績によってステージが決まり、ステージによって当選確率が変わるというもの。ステージ制では、当然のことながら多く取引をする顧客や残高の多い顧客が有利になる。

完全平等の抽選になった今は、楽天証券で取引をしたことがない顧客でも、当選確率は優良顧客と同じだ。これは、株式投資初心者がIPO当選を狙う際のメリットと言えるだろう。

また、楽天証券ではIPO抽選に一風変わった方式を採用しており、抽選日当日の日経平均株価の下3桁をIPO抽選に利用している。

具体的には、まず抽選日当日の14時30分頃にコンピューターの乱数によって決定された抽選番号がIPO抽選に申し込んだ顧客に付与される。

その後、抽選日当日の日経平均株価の終値の下3桁(2万1,012円34銭であれば234)を基に抽選番号が計算され、顧客に当選番号が伝えられる。

完全平等の抽選ではあるが、楽天証券では申し込み口数分の抽選番号が付与されるため、より多くの口数を申し込むことで当選確率は高くなる。

楽天証券でIPOを申し込むには フローを紹介

楽天証券でIPO抽選に参加する手順は、以下のとおりだ。

ブックビルディング

ブックビルディングと呼ばれる需要申告をする必要がある。ブックビルディングとは、投資家からの需要を調査し公募価格決定する手法の一つだ。

購入申し込み(資金拘束)

投資家は、ブックビルディングでIPOに対し何株をいくらで購入したいのかを入力する。ブックビルディングが終わると楽天証券で購入申し込みが必要になる。

抽選前に必ず購入申し込みをする必要があり、このタイミングで購入するための資金(株数×公募価格)が拘束される。

抽選

購入申し込み後、抽選日の14時30分ごろに抽選番号が付与され、同日の日経平均終値の下3桁を利用した抽選が実施される。同日17時頃に当選番号が決定し、通知される。

当選

見事当選した場合はIPO株を購入できるが、楽天証券の場合は事前に購入申し込みをしているので、特に手続きをする必要はない。当選したIPO株は、上場日の前営業日の17時過ぎより売買注文の発注ができる。

IPO当選の第一歩は申し込みから

楽天証券のIPOは、今まで取引実績がない顧客であっても、すべての顧客が申し込んだ口数に対して完全平等で抽選が行われる。

楽天証券では2018年から引受業務の再開をしており、今後のIPO取扱銘柄数や配分株数にも期待できる。

IPOで当選をするためには、まず証券会社でIPOを申し込むことが第一歩だ。今後IPO分野でも大いに期待できる楽天証券でのIPO抽選を検討してみてはいかがだろうか。

文・右田創一朗(元証券マンのフリーライター)/MONEY TIMES

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