「ソーシャルレンディング」と呼ばれる金融の仕組みが注目を浴びるようになっています。ソーシャルレンディングは、インターネットの発達に伴って急速に変化してきたため、その定義は日本国内においてややあいまいな一面も否めません。しかし、金融・証券などを扱っているSBIも2011年3月にソーシャルレンディングに参加したことを皮切りに、その制度が社会にクローズアップされました。

そのため、安心感のある投資として扱われつつあります。本稿では、新しい金融の仕組みであるソーシャルレンディングについて説明します。

ソーシャルレンディングとは

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(画像=Who is Danny/Shutterstock.com)

ソーシャルレンディングとは、インターネットを仲介して融資を受けたい借り手と、融資したい貸し手とをマッチングさせるサービスになります。日本国内では、たとえば不動産や太陽光発電など、ある程度の資金を必要とする企業を中心に貸し出しをすることで、一定の利息を受け取るかたちが一般的です。

ソーシャルレンディングの歴史

・第一のソーシャルレンディング
ソーシャルレンディングは、貸し手と借り手を結びつける金融のマッチングサービスです。2008年ごろ、欧米で個人間融資(P2Pレンディング)のサービスとして開始された経緯があります。日本でも2013年ごろより一時普及の兆しを見せましたが、システム上の問題が多発したため、頓挫した経緯があります。日本国内で初期のソーシャルレンディングが失敗した経緯は明らかです。

個人間融資というと聞こえは良いかもしれませんが、簡単にいえば掲示板などのサービスを使って借り手と貸し手が連絡を取り合い、お金の貸し借りをするだけだったのです。結果的に多重債務者など、一般的な銀行や消費者金融などから借り入れができない人が借り手の主体となり、また貸し手の側も当時は過払い金の影響で貸金業者が軒並み倒産していました。

そのため、あぶれた元貸金業者などが不法に融資を行うといった、あまり質のよろしくない市場となってしまったのです。

・第二のソーシャルレンディング
上述した第一のソーシャルレンディングが衰退した後、第二のソーシャルレンディングが誕生しました。これは前述とは異なり、ビジネスモデルとしてきちんと確立されたものです。第二のソーシャルレンディングは、私募債ファンドに近い形態を取っています。第二のソーシャルレンディングは第二種金融商品取引業としてインターネット内で資金を募り、不動産や太陽光など、資金のかかる事業に投資することでリターンを得て、それを投資家に分配します。

ソーシャルレンディングのメリット・デメリット

ソーシャルレンディング最大のメリットといえば、利回りの高さが挙げられます。利率の平均は8%前後といわれていますが、商品の中には10%超のものもたくさんあり、魅力的な投資対象といえるでしょう。また、ソーシャルレンディングは株式のように価額が上下するものではありません。貸し付けをしたお金に対して利息をもらうため、融資先の企業などが倒産しない限り、安定してパフォーマンスを上げることができます。

一方でデメリットも存在します。一つは、投資対象となる個人・企業などの融資先情報が開示されない点です。匿名の投資先になるため、中身が不明瞭であることも少なくありません。また、ソーシャルレンディングの業者の信用が低い場合、「貸し付けをしたように見せかけて自社内で投資資金を流用していた」というような事案も発生しています。

ただし、金融庁はこれらの匿名性を排除して情報公開の制度を推進しており、ソーシャルレンディングは今後さらに発展してゆくことが予期されます。

アセットに組み入れたい金融商品

ソーシャルレンディングは安定したパフォーマンスを出すことができる魅力的な金融商品です。投資を行う際、アセットに組み入れてみてはいかがでしょうか。(提供:Incomepress


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