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(画像=『原価ビストロBAN!』を運営する株式会社BANの代表取締役社長・小泉貴洋氏。)

「常に新しいことを知っていたいとは思っていますね。色々なことに興味を持っていれば、情報や知識も深まります」。そう話すのは、『原価ビストロBAN!』を運営する株式会社BANの代表取締役社長・小泉貴洋氏。

キャッシュレス決済をはじめ、飲食店でITツールを導入する店舗が増えている。そんな中、『原価ビストロBAN!』では、18の電子マネーに対応した決済システム「日本美食」や、スマホでのセルフオーダーシステムなどを10店舗全店で取り入れており、ITツールの導入に積極的だ。

「お客様に新しい体験をしていただき、来店時の満足度を高めてほしいというのが導入した一番の理由です。また、もともとフードテックに興味を持っていたこともあり、新しいことを先進的にやっていきたいという気持ちも強かったですね」と話す小泉氏。今回は、セルフオーダーシステムやキャッシュレス決済の導入までのいきさつやメリットなどを聞いた。

セルフオーダーシステムの導入で、お客とスタッフ両方をストレスフリーに

『原価ビストロBAN!』では2018年の6月頃に、全店にスマホでのセルフオーダーシステムを導入。これは、来店時にお客のスマホでQRコードを読み取ってもらうだけで、スマホでメニューの閲覧とオーダーが可能なシステムだ。

店側は、オーダーをとりに行く必要がなく、小型のプリンターで注文内容を把握。会計業務もスマホやタブレットで行える。飲食店で大きな工数を占めるオーダー業務の負担を大幅に減らせるのが最大のメリットだ。また、お客は好きなタイミングで気軽にオーダーができる。お客と従業員、両方のストレスを軽減できるシステムで初期費用も安価だ。

『原価ビストロBAN!』では、オーダーは基本的にすべてこのセルフオーダーシステムで行っているとのこと。拒否反応を示すお客がいないのか気になるが、来店客は意外とすんなり受け入れてくれるそうで、リアクションも良いそうだ。

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(画像=BANサラダ)

逆に、店で働くスタッフの反応の方が気にかかり、アルバイトをはじめ従業員一人ひとりの受け止め方やモチベーションを変えることのほうが苦労をしたとのこと。導入にあたり、小泉氏が自ら全店に足を運び従業員に説明をしたという。

「まず、これは僕らのためじゃないということを最初に伝えました。人件費削減とか小手先だけのことじゃなくて、これから飲食業界でもIT化が進んでどんどんそういう時代になっていくということと、慣れてしまえばこちらの負担も減るし、空いた時間でよりお客様の満足度を高めることができるという話をしました」

ちなみに、スマホで表示されるメニュー画面はフリーレイアウト。オフラインとオンラインの境界線をなくしたいと思い、あえて紙のメニューとまったく同じにしたそうで、画面を見せてもらうと、確かに紙のメニューを見ているのと同じような感覚でまったく違和感がない。

現在は日本語のみだが、近々英語にも対応予定で、そうなるとQRコードを読み込む際に、日本語と英語が選べるようになるそうだ。スマホの専用画面にはリンクも貼れるので、例えば英語で料理の解説をした動画を作成しWeb上で視聴してもらうこともできる。いざとなったら、ほぼしゃべらなくても対応ができるようになるのだ。インバウンド対策で頭を抱えている店にとっても強い味方になるツールだろう。