NISA(少額投資非課税制度)とは、NISA口座で株式、投資信託などの配当所得や譲渡所得が非課税になる制度。投資信託の魅力の一つである分配金を受け取る時も税金はかからない。分配金のある投資信託には受け取る方法のほかに再投資する方法もある。NISAで投資信託の分配金を再投資するメリットやデメリットは?

NISAにおける投資信託の分配金再投資のメリット

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(画像=Zephyr_p/Shutterstock.com)

長期の運用であれば複利を活用できる

投資信託で分配金を再投資する一番のメリットは複利の効果だろう。複利は投資で得た利息がさらに利益を出していくため、投資期間が長くなるほど大きな複利効果が期待できる。投資のリターンを重視したいのであれば、複利効果が高まる分配金の再投資が向いている。

また分配金には約20%の税金がかかるが、NISA、つみたてNISA口座から購入すれば非課税になるため、分配金を満額受け取れる。ただし年間投資の上限は120万円までだ。

再投資先を選ぶ手間やコストがかからない

分配金を受け取った後に再び投資に回す場合には、新たな投資先を探す手間と手数料が発生する。しかし分配金の再投資を選択すれば、分配金は自動的に新たな買付に回され手数料はかからない。分配金をすぐにでも現金化したい理由がある場合を除き、再投資に回した方が効率よく資金運用ができる。

NISAにおける投資信託の分配金再投資のデメリット

元本払戻金は元本を切り崩して分配している

投資信託における分配金は普通分配金と元本払戻金(特別分配金)の2種類で構成され、割合によっては元本を切り崩し分配しているケースもある。普通分配金は投資信託の運用益から支払われる配当金であるのに対し、元本分配金は元本を切り崩し分配金とする仕組みだ。分配金の額だけでなく分配金の構成もチェックしたい。

再投資した分配金は引き出せない

分配金は定期的に指定口座へ入金されるが、分配金の再投資を選択した場合には分配金を引き出すことができず、満期まで受け取れないため投資の実感が得にくい。

分配金の受け取り型を選択すればあれば自由に引き出せるため、こまめに利益を受け取りたいのであれば、受け取り型を選んだほうがいいだろう。

NISAの年間投資額の上限を超える可能性がある

当然だが分配金は再投資の扱いになるため、NISAの年間投資額に含まれる。そのため再投資を行う時点で年間投資額が上限の120万円に達しているか確認したい。上限ギリギリの場合は分配金を一般口座に切り替えて再投資するなど各社対応が違うため注意が必要だ。

分配金の再投資にはリスクが伴う

分配金は受け取ることで利益の一部を確定できるが、分配金を再投資する場合はリスクが伴うということを忘れてはいけない。運用がうまくいかなかった場合に備え、分配金を受け取る方法を選択するのもいいだろう。

無分配の投資信託なら年間投資枠を圧迫しない

NISAで運用できる投資信託の中には無分配の投資信託もある。発生した運用益はさらなる投資に回されているケースが多い。投資信託が利益を上げているかの確認を行いつつ、大きな投資リターンが期待できる無分配の投資信託も活用したい。

NISAで投資信託を運用するときは分配金の有無に注意

NISAで分配金を再投資する際は、分配金の種類や年間投資額に含まれることや、リスクが伴うことなどにも注意を払う必要がある。投資信託の運用において分配金の再投資は、投資リターンを高める手段として活用したい。

文・MONEY TIMES編集部/MONEY TIMES

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