★買戻しの勢いは弱い。 昨晩の米国株市場は、一応下げ一服でした。反発しても、強いものではありませんでした。 主要指数のプラスも、せいzせい0.5%以下の上昇にとどまり、とても本格的な買戻しではない。 総合株価指数S&P500とナスダックはいずれも200日線を死守。 リスク指標のジャンクボンドも一応反発。
★200日線割れの指標は、ほとんどなにも事態の好転を見せていない。 200日線割れから脱出できずにいるのは、ともすると昨晩も続落となっています。 ダウ工業株と半導体SOXはプラスで終わってはいるのですが、200日線を奪回できていません。
★最悪なのは、一番重要な指標~輸送株、ラッセル、米国債。 一番危惧されるのは、やはり先行指標のダウ輸送株、そして株価指数では一番リスク度の高いラッセル2000小型株指数です。この二つとも、200日線割れたままで、しかも昨晩小幅とはいえ、続落す安値更新す。 おまけに、株→国債のマネーの流れは止まっていない。米10年国債利回りは一段低下で、2.2270%。一番重要な指標は前日からなにも変化がない。 その上ここからジャンクボンドがまた安値を更新などしようものなら、ジャンクボンドも200日線割れになりかねない。
★米1-3月GDPは3.2%(改定値)。 先般1-3月のGDP速報値が3.2%という驚くべき高い数値だったが、。昨日はこの改定値がでた。下方修正されたものの、それは3.1%というもので依然としてとんでもなく高い数値。 もっとも、在庫部分は今回の改定値で、下方修正されており、もう一つの高いGDPの要因となっていた輸出部分はむしろ上方修正。米中関税競争が影響を与えているようにはとても見えない。 しかし、ここで問題になっているのは、物価。コア個人消費支出の価格指数は速報段階では速報段階では1.3%で強くない印象だったが、これが1.0%にさらに下方修正されており、連銀が考えている2%の目標から遠ざかり、4年ぶりの低水準。 このあたりが、連銀が利下げに踏み切らざるを得なくなるという観測の一番大きな要因になっている模様。
★一方では、景気再浮上の芽が出てきている。 ただ、このGDPの高さとあいまって、年初から先行指標である鉄スクラップ価格が上昇。バルチックドライ海上運賃指数も上昇。昨日は化学素材の塩化ビニール価格がついに反転上昇。 ロンドンの国際商品市況は、あいかわらず銅(中国など新興経済国家の需要が大きい)価格は安値更新で、アルミも低迷。しかし、鉛、亜鉛、ニッケルなどは2-4月に底入れして反発に転じている様子。 これらの状況証拠から、とんでもない横やりが入らなければ、景気は昨年10月以降の景気減速から再び再浮上を試み始めているということが想像できそう。 むしろ金融市場の景気に対する過度な弱気センチメントほうが問題かもしれない。株安を誘うからだ。
★戦略方針: 個別銘柄による資産運用では、引き続き1357(日経ダブルインバースETF)でヘッジ。均衡化を維持したまま。 戦略方針の変更のしようがない。 日経CME円建ては20940円、日経平均先物夜間取引は20950円。昨日現物指数の終値は20942円。 ほとんど変わりがない。 資産全体の均衡状態で週越えということになりそう。とくにポジション内は、前日ほとんどの銘柄が逆行高だったものの、昨日はさすがに反落が多い。その中にあっては、我関せずで上昇を続けているのは、買い増しをしてきたサン電子(6736)と、第一精工(6640)くらいのもの。サン電子はこの状況下ではうまくいったと言えそう。 「一粒萬倍の株式投資宝典」で解説した【巌流島】方式では、現状は5月10日からずっと1357にフルベット。買い持ち持続。 以上(提供:Investing.comより)
著者:増田経済研究所 松川行雄