過去にも政策前進のきっかけに?

カジノ関連
(画像=PIXTA)

安倍首相とトランプ米大統領が27日に行った日米首脳会談では、両国の貿易協議が7月の参院選後にヤマ場を迎える可能性が示唆された。北朝鮮をめぐっては、前提条件なしに金正恩朝鮮労働党委員長との日朝首脳会談実現を目指す考えをトランプ大統領が支持。また、首相のイラン訪問の方向も固まった。一方、過去に安倍・トランプ会談を機に情勢が動いたテーマがカジノだ。小休止の局面にある関連銘柄の仕込み場となりそうだ。

安倍・トランプ会談と日本のカジノ政策は、これまで密接にリンクしてきたと言える。最初はカジノを解禁するためのIR(統合型リゾート)推進法が成立した2016年だ。

安倍首相は同年11月にニューヨークを訪れ、大統領選に勝利したばかりのトランプ氏に会った。当時日本で行われていた臨時国会では、IR推進法が廃案の危機に瀕していた。しかし、この直後に難航していた審議が突如として進み、急転直下で成立した。

次は18年4月の安倍首相訪米の際の日米首脳会談。この時は、森友・加計問題で国会が紛糾していた。その後政府が提出したカジノを整備するためのIR実施法案にも余波が及ぶ恐れが十分にあったものの、5月には審議入り。6月には衆院を通過し、会期末が迫る7月に参院でも可決・成立した。

こうした符合の背景として、日本市場に進出したい米カジノ業界の意向を受けたトランプ氏の働き掛けが指摘されている。実際、MGMリゾーツ・インターナショナルやラスベガス・サンズといった米カジノ運営会社は日本でのIR参入に意欲を燃やす。

日本政府は7月に予定していたIR事業者を監督する「カジノ管理委員会」の設置を、先送りする方針を固めたと伝わっている。参院選への悪影響を避ける狙いとみられ、関連銘柄には逆風となった。ただ、今回の日米首脳会談が何らかの動きにつながる可能性もあり、次の機会がめぐってくる秋の国会へ向けて注目が怠れない。

IRの候補地としては、大阪を筆頭に北海道の苫小牧市、和歌山県などが有力視されている。ご当地株としては杉村倉庫(9307・(2))や桜島埠頭(9353・(2))をはじめ、京阪ホールディングス(9045)、くろがね工作所(7997・(2))、イントランス(3237・M)、フジタコーポレーション(3370・JQ)、太平洋興発(8835)、栗林商船(9171・(2))などが挙げられる。

一方、ゲーミング機器を手掛ける日本金銭機械(6418)やオーイズミ(6428)、テックファームホールディングス(3625・JQ)、コナミホールディングス(9766)、マミヤ・オーピー(=マミヤOP、7991・(2))などは国内の情勢に加え、シンガポールを中心にIRの拡張が進むアジア市場にも商機が広がる。(5月29日株式新聞掲載記事)

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