【目次】
①フィードフォースIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)【6/27更新】 ※一部有料会員限定
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント 【6/20更新】 ※有料会員限定
- 会社名
- 株式会社フィードフォース
- コード
- 7068
- 市場
- マザーズ
- 業種
- サービス業
- 売買単位
- 100株
- 代表者名
- 塚田 耕司 /1968年生
- 本店所在地
- 東京都文京区湯島三丁目19番11号
- 設立年
- 2006年
- 従業員数
- 69人 (2019/04/30現在)(平均31.4歳、年収568.2万円)
- 事業内容
- データフィード事業、デジタル広告事業、ソーシャルメディアマーケティング関連事業
- URL
- https://www.feedforce.jp/
- 株主数
- 9人 (目論見書より)
- 資本金
- 100,000,000円 (2019/05/31現在)
- 上場時発行済み株数
- 5,593,400株(別に潜在株式364,800株)
- 公開株数
- 782,000株(公募650,000株、売り出し30,100株、オーバーアロットメント101,900株)
- 調達資金使途
- 人件費・人材採用費、クラウド型ストレージやサーバー費用・情報機器関連購入費、本社増床に係る設備資金・賃料、借入金返済
- 連結会社
- なし
- スケジュール
- 仮条件決定:2019/06/18→1,030~1,150円に決定
- ブックビルディング期間:2019/06/20 - 06/26
- 公開価格決定:2019/06/27→1,150円に決定
- 申込期間:2019/06/28 - 07/03
- 払込期日:2019/07/04
- 上場日:2019/07/05→初値2,760円
- シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
- 主幹事証券:大和証券
- 引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:野村證券
- 引受証券:エース証券
- 引受証券:丸三証券
- 引受証券:マネックス証券 (マネックス証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:東海東京証券
- 引受証券:エイチ・エス証券
- 引受証券:みずほ証券
- 大株主
- (同)理力 2,000,000株 37.68%
- 塚田耕司 1,923,600株 36.24%
- トランス・コスモス(株) 527,400株 9.94%
- (株)マイナビ 217,600株 4.10%
- 寺嶋徹 120,000株 2.26%
- 喜多宏介 83,800株 1.58%
- 秋山勝 80,000株 1.51%
- 宮城満英 61,600株 1.16%
- 西山真吾 41,000株 0.77%
- 大西健太 40,000株 0.75%
- 市野玄 40,000株 0.75%
- 業績動向(単位:百万円)売上高 営業利益 経常利益 純利益
- 2017/5 単独実績 486 -28 -31 -32
- 2018/5 単独実績 562 -25 -28 -28
- 2019/2 第3四半期累計実績 490 9 7 7
- ロックアップ情報
- 塚田耕司、秋山勝、合同会社理力、寺嶋徹、喜多宏介、宮城満英、西山真吾は上場後180日目の令和元年12月31日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
またトランス・コスモス株式会社、株式会社マイナビは上場後90日目の令和元年10月2日までは普通株式の売却ができず(例外あり) - 調達額(公開株数×公開価格)
- 8億9930万0000円(782,000株×1,150円)
- 潜在株数(ストックオプション)
- 364,800株
- ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
-
フィードフォース<7068>はデジタルマーケティング領域において、データフィード・構造化データ・ID連携といったテクノロジーを駆使し、「企業の持つ情報を適切な形でユーザーに届ける」ことで、企業の成長や課題解決、生産性の向上を支援する企業である。
■事業内容
同社はプロフェッショナルサービス及びSaaS事業の、2つの事業セグメントから構成されている。
■プロフェッショナルサービス事業について
プロフェッショナルサービス事業は、大手企業中心にデータフィード(※)を活用したマーケティングの支援及びソリューション提供を行っている。
※データフィード→複数個所のデータを定期的に更新する仕組みを指す。例えばECサイトにおいて、自社サイト、比較サイト、ショッピングモール等の様々な場所の価格を新しい情報に書き換える必要があるが、素早く確実に行う仕組みがデータフィードである。
データフィード管理のアウトソーシングサービスである「DF PLUS」、機械学習による効果最大化を前提としたコンサルティング型広告運用サービスである「feedmatic」(EC、人材、不動産、旅行業界において高い実績)の2者からサービスは構成されている。
2018年5月期の総売上高5.6億円に対し、同事業の売上高は4.0億円であり同社売上の7割以上を占める主力事業である。
■SaaS事業について
SaaS事業は大手企業から中小規模事業者まで、幅広い事業者に対し自己で高度なマーケティングが実施できる、データフィードマーケティングの管理ツール、広告配信ツールなどをSaaS(※)形式で提供している。主力商品は「dfplus.io」、「EC Booster」、「social plus」の3種類である。
※SaaSとは、Software as a Serviceの省略表記で、従来のパッケージソフトウェアの機能をウェブブラウザなどインターネット経由で提供するクラウドサービスのこと。
「dfplus.io」はデータフィードの作成、管理、最適化を広告担当者自身で行うことが出来るデータフィード管理ツールである。企業の広告担当者自身が、企業の保有する商材データを多様な媒体に最適化することが可能となる。
「EC Booster」は、事業者が運営するECサイトの商品情報を自動的に取得・最適化し、検索結果として商品画像が表示される「Googleショッピング広告」に自動配信するサービスである。小額な広告予算で広告成果を上げられ、一度Webサイトから簡単な初期登録及び設定を行えば、簡単に継続的な自動広告配信が可能。尚、2018年3月期より販売を開始し、2019年5月期Q3(6~2月)累計で月次利用案件数としては同社製品群で第一位となった。
「social plus」はFacebook、Google、LINE、Yahoo!JAPANなどのアカウント情報を活用し、自社サイトへの会員登録やログインの簡素化を実現するサービスであり、サイトの会員登録数・購買のコンバージョン率の最大化を支援している。
「EC Booster」の利用が急拡大しており、今後もSaaS事業において同社ノウハウに特化したWebツールを開発し、新たな構造化データの活用に加え、全国各地の中小規模事業者も対象としたサービス展開を行う予定である。
■部門別損益
2018年5月期
・プロフェッショナルサービス事業 売上高4億円、セグメント利益1.4億円
・SaaS事業は売上高1.6億円、セグメント損失▲1.6億円
研究開発費先行によりSaaS事業は赤字となっている。
2019年5月期Q3(累計)
・プロフェッショナルサービス事業は売上高2.8億円、セグメント利益0.7億円
・SaaS事業は売上高2.1億円、セグメント損失▲0.6億円
SaaS事業の拡大が続いており赤字幅は圧縮できているが、依然として赤字が継続中である。
■業績推移
2016年5月期 売上高3.3億円、経常利益▲0.7億円、当期純利益▲0.4億円
2017年5月期 売上高4.9億円、経常利益▲0.3億円、当期純利益▲0.3億円
2018年5月期 売上高5.6億円、経常利益▲0.3億円、当期純利益▲0.3億円
2019年5月期(見込み) 売上高7.0億円、経常利益0.3億円、当期純利益0.4億円
2020年5月期(予想) 売上高9.9億円、経常利益2.3億円、当期純利益1.6億円
公開申請決算期である2018年5月期は赤字が継続中である。2019年5月期は若干の黒字化を見込み、2020年5月期より本格的な黒字化を予想している。
2019年5月期Q3(累計)は、売上高4.9億円、経常利益0億円。収支均衡に達しており、通期見込み数字での着地に向けて進捗中である。
■財務状況
2018年5月期末時点で、資産合計3.5億円に対し、純資産合計0.5億円となっており、自己資本比率は16%である。
自己資本比率は低めであるが、借入金1.4億円に対して現預金1.8億円を有している。また資産合計3.5億円の中、現預金1.8億円、売掛金1.3億円の二者が資産の大半を占める状況にあり、財務基盤は安定している。
■資金使途
IPOにより6.6億円の資金調達を行う計画である。調達資金の使途として下記を予定している。
・新規サービスの開発を含む事業拡大に伴う人材確保に係る人件費 2.6億円
・データ処理量拡大に伴うクラウド型ストレージ及びサーバ、PC等の費用 0.3億円
・事業拡大及び人員増加に伴う本社増床の設備資金 1.5億円
・金融機関からの借入金の返済資金 1.1億円
事業拡大のための投資に、調達資金の約半数が投じられる計画である。
■株主状況
塚田社長及び、塚田社長の資産管理会社である合同会社理力の2名義で74%の株主シェアを有しており、安定的な株主構成である。
個人中心の株主構成であるが第3位株主トランス・コスモス(9715:株主シェア9.9%)、マイナビ(同4.1%)が事業会社として出資を行っている。
尚、銀行やファンド等の株主参入はない
■今後の注目ポイント
企業向けに、インターネットマーケティングツールを提供する企業のIPO案件である。
公開申請決算である2018年5月期は若干の赤字であるが、2019年5月期からは黒字化の見込みである。
継続的な売上及び利益が見込めるSaaS事業が拡大しており、2020年5月期の売上は同事業がプロフェッショナルサービス事業を上回ると予想している。
今後の同社の成長を牽引するSaaS事業が、会社の計画通りの成長を果たすことができるのか、という点が注目ポイントになると考えられる。