これから不動産投資を始めようとしている方にとって、「どのような流れで投資物件を取得し、運用していくのか」という部分を明確にイメージしておくことはとても重要です。ここがしっかりとイメージできていなければ、時に大切な資産をすり減らしてしまうこともありえます。これから不動産投資を始めようとしている方はもちろん、すでに不動産投資を始めているという人も、基本的な流れをしっかりと確認しておきましょう。

不動産を買う

不動産投資,流れ
(写真=PIXTA)

不動産投資を始めるために大前提となるのは、まずは投資物件を取得することです。自分が用意できる予算や金融機関からの融資金額などの諸条件を勘案し、購入する物件を選定していきます。

物件を探す

投資物件を探す際に重要になるのは、「自分の判断基準を明確にしておくこと」です。この部分が明確になっていなければ、星の数ほどある物件の中から、自らの資産を投入するのに際して納得感のある物件を選ぶことはできません。投資物件の価値を決める具体的な要素として、駅からの距離や沿線などの周辺環境に加え、間取りや広さ、日当たりなどの部屋内の環境も挙げられます。

こうしたさまざまな要素の中で、自分が最も重視したいものをあらかじめ決めておき、優先順位を明確にしておくことで、複数の物件を比較して悩んだときでも、スムーズに決断することができるようになります。また、投資物件を選定する際は、必ず現地確認をすることをおすすめします。利回りや付帯設備、築年数、最寄り駅など文字情報からは読み解けないような物件を取り巻く環境を見ることができます。

実際に現地を見て確認することで、「自分が住人だったら、この物件に住みたいかどうか」という基準で判断を下すことができるのです。現地を実際に自分の目で見ることによって、よりその物件の本当の価値や本質が見えてくるでしょう。

・駅からの距離
物件から最寄り駅までの距離は、投資用物件を探すうえでは重要な要素です。いくら物件自体の質が良くても、駅から遠いエリアの物件となると、入居希望者にとって物件の価値は下がります。また、最寄り駅をどのような路線が通っているのかもチェックしたほうがよいポイントです。特に、東京・城南エリアはJR山手線沿線でもあり、同路線の人気の高さがうかがえます。

また、駅から物件への動線もチェックポイントです。例えば、スーパーやコンビニが駅までの道中に多数あるような環境であれば、日々の暮らしが便利になることは容易に想像できます。

・物件のデザイン性
デザイン性の高さも重要といえます。部屋探しをしている方にとってデザイン性の高い物件は魅力的に見えますし、投資物件探しをしているあなたの目から見て単純に「住んでみたい」という気持ちにさせるような物件は、ぜひチェックしておきましょう。特にコンクリート打ちっぱなしの壁面や間接照明など、他の賃貸マンションなどではなかなか見られない仕掛けが施された物件は、人気度もそれだけ高い傾向です。

・機能性・利便性
オートロックや宅配ボックス、ウォールフックなど、物件に完備された各種設備の機能性や利便性は、入居者の満足度にも関係してきます。この点については、ぜひ「その物件に自分が住んだらどう感じるか」という感覚の部分を軸に、物件選びを進めてみてください。

物件を買う

物件選びが終了したら、次は選んだ物件を購入するフローに入ります。あなたが「良い」と思った物件は、他の投資家から見ても魅力的に見えるものです。購入すると決めたら、できるだけ早く申し込みを完了させる必要があります。不動産売買の場合、複数の購入希望者がいる場合は基本的には申し込み順に契約がなされる場合が多いため、あまり悩んでいると他の投資家にお気に入りの物件を先に抑えられてしまう可能性があります。

ローンを決める

多くの投資家は、投資用物件を購入する際に金融機関からの融資を活用する場合が多いです。この際、投資用不動産を数多く取り扱っている不動産業者が金融機関の担当者を紹介してくれることがあります。自分で金融機関の窓口に連絡して融資の依頼をする場合よりも、紹介を受けた場合のほうが話としては円滑に進む場合が多いため、不動産業者に金融機関の紹介を依頼してみるのも一つの方法です。

契約をする

申し込みの後は、不動産売買契約を締結することになります。不動産の場合は、不動産売買契約を締結する前に、宅地建物取引士による重要事項説明書の交付と説明がなされます。この重要事項説明書には、購入しようとする物件に関するさまざまな情報が記載されているため、しっかりと漏れなく聞いておきましょう。

また、重要事項説明書には近隣との取り決め事項や権利に関する事項など、購入後に実際に不動産を運用していくにあたって留意しておくべきポイントが多数記載されています。聞き流してしまいがちですが、必要に応じて担当者に質問するなどして、疑問を残して契約に臨むことがないようにすることが肝要です。

さらに、金融機関からの融資を活用して物件を購入しようとしている方は、「融資特約」が付帯されているかどうかを確実にチェックしましょう。「融資特約」とは、金融機関からの融資承認がおりることを購入の条件とする特約のことです。この特約があると、万が一融資承認がおりなかった場合は、投資物件の購入をキャンセルすることが可能になります。

不動産を運用する

物件を決めて、融資承認が円滑におり、売買契約が滞りなく締結できれば、晴れて投資用物件はあなたのものです。しかしながら、せっかく手に入った投資用物件でも、塩漬けにしてしまうと入居率は低下し、不動産としての資産価値は低減していきます。入居者が入りやすい環境づくりを整備し、適切に物件を管理することが必要です。

賃貸に出す

購入時、すでに入居者がいる場合は別として、空室の場合は、一刻も早く入居者を呼び込むための施策を展開することが必要です。空室のまま放置していると、管理のために必要な費用や借入金の返済などが毎月のランニングコストとして発生し、何も利益を生まないばかりか、出費ばかりがかさむ状態が続いてしまいます。こうした状況をいち早く脱するためにも不動産会社に依頼して、入居者募集を行う必要があるのです。

管理をする

不動産投資において、最も肝となるのが物件の管理です。管理の質は、入居者の満足度に大きく影響し、入居率をも左右します。したがって、多少の手間と労力がかかったとしても、この部分に関しては手抜きをしないほうがよいでしょう。

建物の特性を熟知した会社に管理を依頼することで、一般的な管理会社では気付くことができないさまざまな不具合に気付けることは大きなメリットです。また、補修などの対応にもスムーズに対応することができるようになります。

・日々の清掃を怠らない
物件をきれいに保つことで、入居者が気持ちよく日常生活を送ることができます。また、部屋探しで物件を訪れた方に対しても、「管理が行き届いている」という好印象を与えることにもつながるでしょう。特に日常の清掃に関しては、しっかりと対応してくれる管理会社を選定する必要があります。もちろん、物件確認も兼ねて、たまにはオーナー自ら清掃作業を行うのも一つの方法です。

普段はなかなか気付くことができない不具合に気付くことができるかもしれませんし、入居者目線に立って考えることで、入居者にとってより魅力的な物件づくりを行うためのアイデアが浮かぶかもしれません。

・共用部のメンテナンスを定期的に行う
共用部の照明切れや壁面のクラックなど、新築で購入した物件でも、経年とともに不具合が発生するものです。発生した不具合を放置せず、都度メンテナンスを行うことで入居者の満足度向上や資産価値の維持・向上にもつながります。

お金を管理する

投資用物件を運用していくうえで、投資家にとって最大の関心事は「お金の問題」ではないでしょうか。入居者の満足度が高く、建物の資産価値が高く保たれていたとしても、賃料収入よりもコストが上回っていれば、いずれ投資として成立しません。長期間にわたって投資用物件を運用していくためにも「お金の管理」は非常に重要です。

修繕費は毎月コツコツと積み立てを

投資用物件を運用していくうえで、発生するコストは月々の管理費などのランニングコストだけではありません。壁面にクラックなどが発生すれば補修の必要がありますし、エレベーターリニューアルの時期にくれば多額の出費が必要になる場合もあります。こうした状況を踏まえ、毎月の家賃収入の中から少しずつでも修繕費を積み立てておくことが必要です。

家賃収入が毎月のランニングコストの金額を上回っていたとしても、それ以外のところで突発的な出費が発生するケースはおおいに考えられます。

家賃滞納にも柔軟に対応できる管理会社の選定を

不動産投資には、家賃滞納のリスクも潜在しています。保有している物件が満室だからといっても、家賃の滞納が発生してしまうと、その間の収入はゼロです。入居者が家賃滞納をしてしまう原因として、「忘れていた」「長期不在にしていた」など、改善の余地があるケースも多いのですが、「支払う気がない」「入居者が失踪した」などのケースでは、改善の余地がほとんどないと考えられます。

法律の専門家とも連携し、内容証明の送付や、必要に応じて明け渡し請求を行うなどの対応をしっかりと提案し、実行することができる管理会社を選ぶことを意識しましょう。

節税する

この記事を読んでいる方の多くは、不動産投資を行うことで自らの資産を増やしつつ、保全もしたいと考えているかもしれません。不動産投資を行う中で、一定の条件をクリアすれば、節税につながることもあります。これには、「損益通算」と「減価償却」の考えが軸となります。「損益通算」に関しては、主にサラリーマン投資家が対象になります。

給与所得から不動産投資で発生した赤字を差し引くことで、かかる所得税・住民税を抑えることが可能です。建物が耐用年数以内であれば、「減価償却」によって節税することが可能です。RC造のマンションの耐用年数は47年のため、不動産資産をこの年数で分割し、費用計上することにより節税することができます。

不動産投資は信頼できる会社との出会いが重要

不動産投資を具体的に進めていく中で、注意すべきポイントを挙げてみました。不動産投資を長期的に行い、自らの資産を増やしていきたいと考えている方にとっては、信頼のできる会社との出会いは必須です。特に、管理の質に関しては妥協することなく、入居者満足度を高め、資産の価値をともに維持してくれる誠実な会社を探していきましょう。(提供:ユニバーサルトラスト

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