不動産投資で利用されるローンには大きく、資産家向けのプロパーローンとサラリーマン向けのアパートローンの2種類があります。それぞれの特徴について説明をしていきます。
頭金はしっかり用意しておこう
ローンを借りる前提としては頭金をしっかり用意しておくことが必要です。相続対策として借入金額を増やしたい方や、資金効率をよくさせるためにフルローンを借りる方もいますが、物件価格の2〜3割程度は頭金を用意しておけるとよいでしょう。頭金を支払うことで、利息を減らせるだけでなく、毎月の返済金額が減らせるので運用も安定します。また、金融機関にとっては「この人は完済してくれるだろう」という安心材料になるため、頭金が多いほど金融機関の信頼は高くなる傾向にあります。
事業性ローンの借り入れ可能額には上限がない
まず、不動産投資で利用できるローンには、投資家向けの事業性ローン(プロパーローン)があります。「いわゆる」というのは、基本的にオーダーメイドで、これといった商品名がないからです。一般的な事業会社が設備投資のために銀行にお金を借りるのと同じです。
そのため、審査は投資対象の収益性や採算性、資産性を重視します。借り入れを申し込んだ本人の資産や収入の状況も入念に調べられるため、申し込みから融資の実行まで時間がかかるのが特徴です。事業性ローンの最大のメリットは、融資上限額がないことです。実際には上記の審査を経て金融機関内での上限額(与信枠といいます)が設定されます。
「不動産賃貸事業」のための設備投資資金という性格を持つ事業性ローンは不動産を運用したことのある人向けのローンです。事業性ローンは、すでにある程度の土地や不動産を持っている人が、より規模を拡大したり安全な経営を行ったりするために利用します。
アパートローンとはサラリーマン向けのパッケージ商品
アパートローンとは申し込み条件や借り入れ上限額が決められたパッケージ商品です。都市銀行や地方銀行、信用金庫や信用組合などさまざまな金融機関が取り扱っており、一部のノンバンクも対応しています。借り入れ上限額は金融機関によって1億~5億円と幅があります。用途はアパートやマンションなどの賃貸住宅と土地の購入・建築、改築などです。
パッケージ商品であるアパートローンは、「住宅ローンの不動産投資版」とイメージすると分かりやすいかもしれません。比較的収入の高い会社員や公務員向けといってよいでしょう。ローンの返済は、家賃収入から行われる前提なので、購入する物件の資産性や収益性も審査しますが、後述の事業性ローンほど重要視されません。
すでに土地を持っている人も利用できますが、基本的に高収入のサラリーマン向けにつくられた商品といえます。
ローンを使うと何がよいのか
ローンを使うことの最大のメリットは、所有している不動産を売却せずに、新たな投資が可能になることです。適度な借り入れによる新規投資は、資産効率を改善します。例えば、無借金で5億円の不動産を持っている人は、その5億円から生じる利益しか手に入れられません。しかし、5億円の資産に加えて、5億円のローンを組んで資産価値の高い物件を買えばその分、収益性が高まります。
5億円の元手に対して、10億円分の総資産から生まれる利益が手に入るのです。このように、お金を借りて運用の効率を高めることを「レバレッジをかける」といいます。長期にわたって堅実に資産を増やしていきたいのであれば、ローンを組んで適度なレバレッジをかけ、有望な地域に投資していくとよいでしょう。
地主は事業性ローンを使って資産の効率性を高められる
不動産投資ローンには、オーダーメイドの事業性ローンとパッケージ商品であるアパートローンがあります。このうち、すでに地主として土地を活用している人が利用するのは主に事業性ローンです。適度に借り入れをして新規の投資をすることで、効率的かつ堅実に資産を築くことができるでしょう。(提供:ユニバーサルトラスト)
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