ここでは収益物件購入時の契約時に必要なものや契約の一般的な流れ、注意点などについて確認していきましょう。

契約時の基本的な流れ

物件契約,契約書
(写真=PIXTA)

まず、不動産を契約する際の基本的な流れは以下の通りです。

1.自己資金や、属性・年収からどの程度の金額規模の収益物件が購入できるかリサーチする
2.エリア、構造、築年数などの条件を整理して、不動産情報サイトなどで調べる
3.めぼしい物件があったら、不動産会社に問い合わせる
4.融資条件や、レントロールから想定家賃収入・維持管理費・諸費用などを算出し、収益性を試算する
5.収益性が希望条件かなう物件が見つかったら、現地に見学に行き、周辺情報を詳しく確認する(人口動態や家賃相場、賃貸需要など)
6.資金計画に支障なければ、物件の購入を申し込む
7.金融機関へ融資の審査を申し込み、結果を待つ(融資を利用する場合)
8.金融機関から融資が可能となったら、不動産会社から重要事項説明を受け、不動産売買の契約およびローンの契約を結ぶ
9.物件の引き渡し

重要事項説明書による確認とポイント

不動産売買の契約にあたっては「重要事項説明」が行われます。重要事項説明書に記載されている事項は主に次の通りになります。

・登記簿に記載されていること
・法令に基づく制限
・私道に関する負担
・飲用水、電気、ガスに関すること
・契約の解除に関すること
・損害賠償額、違約金に関すること
・瑕疵担保責任に関する履行

どれも非常に重要なことばかりです。契約後に「そんな話は聞いていない」「知らなかった」ということのないように、少しでも疑問点や不安に思うところは不動産会社に聞いて十分納得したうえで契約書へ署名捺印することが重要です。特に以下のことは契約にあたり非常に重要なので、よく確認しておきましょう。

・権利関係は整理されているか
物件に抵当権が設定されている(売り主がその物件を担保にして金融機関などから借り入れしている)場合、基本的には売買を行う前に抵当権が抹消されている必要があります。

・法令上の制限
建物の建築や建て替えの際に、法規上、どのような制限があるのかを確認しておきましょう。また、中古物件の場合、建築当時には適法であっても購入時には違法建築となってしまうケースがあります(既存不適格物件)。

・電気・ガス・水道などのインフラ
各種インフラの利用について制限や、費用が発生する可能性がないか確認しておきましょう。

重要事項説明書は、事前にコピーなどを求めることもできます。契約前にその内容をしっかりと理解、確認しておけると安心です。

不動産契約時に必要なものと契約時の注意点

重要事項の説明を受け、契約書の内容に不備や疑問点がなければ、売買契約を結びます。不動産の契約時にはどんなものが必要になるのかも知っておきましょう。

・本人確認書類(身分証明書、運転免許証、マイナンバー、健康保険証など)
・印鑑(ローンを利用する場合は実印)
・印紙(売買代金によって異なります)
・手付金(現金または小切手)

売買契約を済ませ、代金の支払い、ローンの申し込みなどが完了したら、不動産の登記も忘れずに行っておきましょう。不動産登記とは、土地や建物について所在場所や面積、種類、構造や、誰がどのような権利を持っているかを明確にするために、法務局にある登記簿にこれらの事項を記載しておく制度です。後々、トラブルにならないように不動産登記は必ず行っておくと良いでしょう。

なお、不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)は法務局に出向けば誰でも閲覧でき、写しを取得することもできます(有料)。不動産契約の流れや注意点についてご説明しました。さまざまな重要事項、ポイントがあります。後々、トラブルに遭わないためにも、契約内容をしっかりと理解して、十分納得したうえで契約を結ぶことが重要です。(提供:ユニバーサルトラスト

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