NISAを利用すると、投資してから5年以内なら金融商品から得た利益に税金がかからない。資産運用をするなら、ぜひ活用したい制度だ。NISAは銀行でも開設できるが、証券会社とどのような点が異なり、どのようなことに気を付ければいいのだろうか。

NISAを銀行で始めるのが向いているのはどんな人か

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(画像=GaudiLab/Shutterstock.com)

NISA口座を、証券会社でなく身近な銀行で開設したい人もいるだろう。証券会社でNISAを利用する場合と何が違うのかを確認しておきたい。

NISAで購入できる金融商品は銀行と証券会社で異なる

大きく異なるのは、NISAで投資できる金融商品の種類だ。NISAでは幅広い金融商品が投資対象だが、株式やETFなど証券会社でしか購入できないものも多い。NISAで投資できる具体的な金融商品は、以下の通りだ。

・株式投資信託
・国内株式
・外国株式
・国内ETF
・海外ETF
・ETN(上場投資証券)
・国内REIT
・海外REIT
・新株予約権付社債(ワラント債)

このうち、銀行で購入できるのは株式投資信託(以下、投資信託)のみだ。

NISA口座を銀行で開設するのに向いているのは投資信託で運用したい人

銀行でのNISA口座開設に適している人は、投資信託のみでの運用を考えている人だ。株式やETFにも投資したい人は、証券会社で開設しよう。

投資できる金融商品が投資信託のみだからといって、不利になることはない。投資対象は、その人の運用スタイルや投資経験によっても変わるからだ。投資知識が豊富でない人は、専門的な知識がなくても利用しやすい投資信託のほうが、むしろ向いているとも言える。口座開設にあたっては、NISAを通じて何に投資したいのかを考えて、銀行か証券会社を選ぶようにしたい。

NISA口座を開設する銀行を選ぶための3つのチェックポイント

銀行でNISA口座を開設する時には、3つのポイントについて確認しておきたい。

手数料の低い投資信託がそろっているか

運用成果を目減りさせる2大コストは、投資信託そのものにかかる「手数料」と売却益などにかかる「税金」だ。NISAでは税金がかからないため、着目すべきは手数料である。手数料の種類はいくつかあるが、主に「購入時手数料」と「信託報酬」をチェックしよう。

商品購入にあたっては、購入時手数料のかからない「ノーロード」と呼ばれる投資信託を選びたい。国内株式や海外債券といった各カテゴリーの投資信託に、ノーロードがそろっているかを確認しよう。

運用中にかかる手数料である信託報酬も低いほうが望ましい。日本の信託報酬の平均は1.5%程度であり、米国の平均より約5倍だ。それを踏まえると、信託報酬が0.5%前後の投資信託をそろえる銀行を目安に選びたい。

各カテゴリーでまんべんなく投資信託がそろっているか

取扱い投資信託が、各カテゴリーでまんべんなくそろっているかも大切である。資産をなるべく安定的に運用するには、特定資産への集中投資よりも複数資産を組み合わせた分散投資のほうが効果的だからだ。カテゴリーごとに、ある程度の商品数があるほうが組み合わせやすい。

商品の組み合わせが苦手な人は、あらかじめ投資対象資産が分散されているバランスファンドを活用してもいい。リスク(値動き)の大・中・小というイメージからざっくりと選ぶこともできるため、バランスファンドのラインナップもチェックしてみてはいかがだろうか。

利用し続けやすい銀行か

NISAは中長期での投資を前提とした制度なので、利用しやすい銀行を選ぶことも重要だろう。

たとえば転勤などで他県に引越しする場合、その地域にNISAを開設した銀行の支店がないことも考えられる。NISA口座を別の金融機関に移すこともできるが、一定の条件もあり気軽にできることではない。

インターネットで同じように取引できる銀行なら居住地域が変わっても問題ないため、ネットバンキングがNISAに対応している銀行を選ぶのも一つだ。窓口で運用の相談ができるほうが安心という人は、ある程度規模の大きな銀行で口座を開設しておくといいかもしれない。

NISAの情報がホームページで確認できない銀行には注意

気になる銀行があれば、まずはホームページをチェックしてみよう。ホームページでは取扱いのある投資信託を始め、NISAに関するほとんどの情報が確認できるので、わざわざ店舗に足を運ぶ手間も省けるだろう。ホームページから必要な情報が取得できない銀行は、口座開設後の情報提供にも不安が残るため、避けたほうが無難かもしれない。

文・國村功志(資産形成FP)/MONEY TIMES

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