税務調査があるということは知っているものの、小規模で不動産投資をしている人や、これから不動産投資を始める人は、「自分には関係のない」「自分に税務調査なんて来るはずがない」と思っているケースが多いかもしれません。

しかし、不動産投資をしていて、税務調査に入られた経験がある人は意外と多いようです。
税務調査の電話が来た時は驚きく人が大半ですが、それまでしっかり証憑管理をしていて、税理士の先生方とのネットワークがあれば、なんとか乗り越えることができるでしょう。「もし、準備をまったくしていなかったら」と考えると、ゾッとします。

ということで、今回は税務調査対策についてお伝えしたいと思います。

税務調査が来る可能性は誰でもある

税務調査,証憑管理
(画像=igorstevanovic/Shutterstock.com)

まず、確定申告をしている人であれば、誰でも税務調査が来る可能性があることを認識するべきです。

所得が少ない人のところに税務調査に入るより、所得が多い人の税務調査をしたほうが税金をさらに徴収できる可能性が高いので、税務署や国税庁は富裕層を税務調査の対象にすることが多いです。とはいえ、小さい規模で不動産投資をしている人に、まったく税務調査が入らないということではありません。

その意味でも、税務申告は正しく行うようにしましょう。

例えば、不動産所得の申告において、減価償却費は経費全体に占める割合が多くなりやすいですが、減価償却費を故意に多く計上することで所得を過少申告したり、生活費を頻繁に経費計上したりするなど、脱税となるような行為は当然、控えましょう。

税務申告では、経費として認められるかどうかの判断は、担当者に委ねられる部分が大きいです。

例えば、不動産業者とやり取りしている携帯を日常生活でも使用している場合、携帯料金をどの程度不動産所得の経費に含めるべきか、また賃貸経営で頻繁に電車移動する人のPASMOやSUICAのチャージ代をどの程度不動産所得の経費として計上すべきか、などの判断です。

このように何らかの判断が必要になる場合は自分だけで判断せず、税理士の先生や賃貸経営で長年にわたって税務申告をしている人など、しかるべき人にアドバイスを求めるようにしましょう。

経理マンが教える効果的な証憑管理手法

税務調査の電話が入ると、税務調査に対応するための準備をすることになりますが、その時に証憑管理がしっかりしていると、短時間で準備が整います。

おすすめしたいのは領収書に伝票番号をつけて、それをエクセルで管理する方法です。

具体的には、支払った月日と伝票番号、経費の内容と金額をエクセルに記録しておきます。そして、伝票番号を領収書に転記し、証憑管理用の紙に貼り付けて管理をします。

このようにしておけば、すぐに該当の領収書を取り出すことができるので便利です。

将来はPDFなどのデータで証憑管理をするのが普通になるかもしれませんが、現在はデータによる証憑管理は申請が必要であり、手続きが面倒です。よって、データではなく領収書原本を保管して管理している人が多いと思うので、証憑管理で悩んでいる人は、ぜひ上記の方法を試してみて下さい。

もしもの時の税理士ネットワークの重要性

最後に、税務調査が入り改めて実感するのが税理士の重要性です。

税理士と顧問契約をしていたり、申告をお願いしている場合、税務調査が入った際は、まず、その税理士に電話が入るケースが多いようです。

もし自分で申告をしていたら、自分で税務署に行って長時間拘束され、その後の追加調査もすべて自分で対応しなければなりません。

税理士というワンクッションを税務署との間に挟むことで、無用な発言はカットされますし、また交渉もしやすくなるでしょう。いざという時に税務調査の対応をお願いできる税理士ネットワークを持っておくことをお勧めします。

申告のみであれば1回あたり3~4万円程度なので、税務調査用の保険料だと思えば高くないのではないでしょうか。(提供:YANUSY

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