株式投資には、まとまった資金が必要だと思っている人は多いだろう。しかし、実際には数万円程度の資金があれば株式投資を始めることができる。今回は、株式投資における最低投資金額の算出方法や、10万円以下で購入できる代表的な東証一部上場銘柄を紹介しよう。

株式投資に最低限必要な資金は「希望銘柄の株価×100株」が基本

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(画像=Anikin Denis/Shutterstock.com)

株式投資に必要な資金は、一般的に「購入予定銘柄の株価×購入株数」で算出できる。ただし、上場株式には単元株制度が採用されているため、基本的には1単元=100株の単位で売買される。そのため、各銘柄とも最低投資金額は「株価×100株」となる場合が多い。

気になる上場株式の株価だが、1株数百円~数万円までさまざまだ。

例えば、代表的な銘柄を2019年6月11日の終値で見ると以下のようになる。いずれも単元株数は100株だ。

・ガンホー・オンライン・エンターテイメント <3765> :291円
 最低投資金額:29,100円
・日本製粉 <2001> :1,817円
 最低投資金額:181,700円
・トヨタ自動車 <7203> :6,779円
 最低投資金額:677,900円
・任天堂 <7974> :39,370円
 最低投資金額:3,937,000円

このように見ると、株式投資を行うために必要な金額は、銘柄によって大きく異なることがわかるだろう。

単元株だと高額だが、単元未満株なら手が届くことも

ファーストリテイリングのような値がさ株は株価水準が高く、通常の売買単位である1単元だと数百万円もの資金が必要になる。実際、2019年6月11日のファーストリテイリングの終値は63,310円であり、この株価をベースにすると1単元購入するのに600万円以上の資金が必要になる。

しかし、資金が限られる投資初心者でも、一部の証券会社の「単元未満株」売買サービスを利用すれば、63,310円でファーストリテイリングの株主になることができるのだ。

ネット証券最大手のSBI証券では、単元未満株は「S株」と呼ばれており、東証上場全銘柄のS株を1株から売買することができる。S株を保有すると単元株同様に実質株主扱いとなり、議決権はないが配当金や株主優待も所有株数に応じて配分される。

同様の単位未満株の売買サービスは、マネックス証券(ワン株」、カブドットコム証券(プチ株」、岡三オンライン証券でも取り扱っている。少額で株式売買したい、あるいは単元未満株を売買して株式取引を実体験したい人には最適なサービスだろう。

投資初心者でもチャレンジしやすい 10万円以下で単元株主になれる銘柄3選

投資初心者にとって、いきなり何十万円という金額を投資に回すのは難しいだろう。ここでは、単元株でも10万円以下の資金で購入できて、業績が堅調な優良銘柄を紹介する。

双日<2768> ―高い配当利回りの総合商社

双日は日商岩井とニチメンが統合した総合商社。総合商社らしいグローバルな事業展開が特徴。財務基盤の強化により、業績と収益性は手堅く推移している。

【2019年6月11日終値】355円
【最低投資額】35,500円
【2019年3月期の1株配当(予想)】17.0円
【予想配当利回り】4.79%

THEグローバル社 <3271> ―独自スタイルのホテル展開が強み

首都圏中心に展開する不動産会社。近年は「ブティック型ホテル」「デザインドミトリー」といった独自スタイルのホテル開発を強化し、売上を伸ばしている。

【2019年6月11日終値】635円
【最低投資額】63,500円
【2019年6月期の1株配当(予想)】25.0円
【予想配当利回り】3.94%

三菱UFJフィナンシャルグループ <8306> ―グローバル展開する企業規模と割安感

三大メガバンクの中でも最大手の総合金融グループ。国際業務に強みを持ち、堅実な財務体質を誇る。持続的な成長に向けた「11の構造改革の柱」を推進中。

【2019年6月11日終値】516.2円
【最低投資額】51,620円
【2020年3月期の1株配当(予想)】25.0円
【予想配当利回り】4.84%

少額投資でも多面的に投資先判断を

銘柄の絞り込みに際しては、予想配当利回りを検索条件にすれば、高配当利回り銘柄は一目瞭然だ。しかし、10万円以下の少額投資だから、またはランキング上位銘柄だからという理由で、安易に投資先を決めることは避けたい。

予想配当利回りを押し上げる直接的な原因が株価暴落ではないかどうか、株価暴落の理由が業績悪化によるものではないか、などを必ず確認してほしい。業績悪化は配当金の減額につながることもあるので要注意だ。

10万円以下の投資額や単元未満株への投資であっても、多面的に投資判断を下す習慣を身につけておこう。将来の高額投資や値がさ株への投資にも役立つはずだ。

文・近藤真理(フリーライター)/MONEY TIMES

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