やる気は上下するほうがむしろ正常!
営業の業績やビジネスパーソンとしての成長は、モチベーションの高低やその継続性に大きく左右されるものだ。
しかもそのモチベーションに着火させる自身の「やる気スイッチ」は、それがどこにあるかを分かっている人、分かっていない人、瞬間湯沸かし器のようにすぐに着火する人、「冷え性」と揶揄されるくらいになかなか着火しない人など、個人差が激しい。
しかし、実はその方法を知っていさえすれば、モチベーションは自身で簡単にコントロールできるようになる。
今回は自分で自身のモチベーションをコントロールする方法を紹介したい。
モチベーションダウンは健康な精神状態である証拠
健康な人のモチベーションはバイオリズムのように上がったり、下がったりするものだということをご存じだろうか。
なので、その特性を仕事に活かすにはモチベーションが上がった状態をいかに継続させるか、下がったモチベーションをどれだけ短期間に復活させて再浮上させるかという、理にかなった向き合い方が必要になる。
仕事における「やる気スイッチ」の入り方は個人差があるものの、大きく3つに分類できる。
精神科医の和田秀樹先生、フジテレビ系列「ホンマでっか!?TV」で大ブレイクした心理学者の植木理恵先生、上智大学教授で教育心理学者の那須正裕先生、そして筆者・エマメイ先生が共著でかつて出版した『部下のやる気を2倍にする法』(ダイヤモンド社)では“3つの法則、9つの原理、26の方法”としてその具体策を発表し、多くの企業で採用された。
ここではその3つの法則の概略を紹介する。
人はどんなに小さくても「希望」が見えた瞬間にモチベーションが湧く
まずは「希望の法則」から。
私達人間は希望が感じられた瞬間にやる気が湧くようにできている。逆に希望が見えない時には、やる気も出て来ないというわけだ。
では、どうすれば日常の営業活動で希望が見えて来るのだろうか。
最も代表的なのは目標や予算を「十分にやれそうだ」と思えるサイズにまで小分けして、具体的な行動に落とし込むこと。
例えば、2億円の予算目標。
そのままではとても「やれそうにない」かもしれないが、ここが知恵の絞りどころで、既存顧客からの基礎売りで例年通り1億2000万円程度は確保できるとして、残り8000万円を四半期で2000万円ずつに小分けして、その額をクリアするための方法をあれこれ考えてみる。
更なる小分けとして、最初の四半期の2000万円は既存顧客へのアップセル、クロスセルで500万円、人間関係の良好な顧客から新規の取引先を紹介してもらうことで200万円程度を積み上げ、前回の展示会での名刺交換+アンケートでニーズのありそうな約300社のフォローから受注率5%程度でも1000万円以上はいけそうな見込み。
そうなると不足額は300万円程度なので、大口でなくても新規で1~2社受注すれば達成可能だし、新規でなくても300万円程度であれば既存顧客へのアップセルで受注できるとすると、十分に達成可能な数字に思えてくるというわけだ。
目の前の目標の難易度が「十分にやれそうだ」と感じられる大きさに思えた瞬間、あなたのやる気スイッチはONになる。