マイホームは、「建売と注文住宅のどちらにしようか」と迷う人は多いかもしれません。建売と注文住宅には、多くの違いがありますが、住宅の寿命という観点から見るとどのような差があるのでしょうか。ここでは、建売と注文住宅の寿命の違いについて考察します。

建売と注文住宅の寿命は違う?

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(写真=PIXTA)

そもそも、建売と注文住宅の寿命は異なるものなのでしょうか。同じ住宅ですから、建てた住宅会社が同じであれば、寿命も同じような気がします。しかし、注文住宅は施主の希望を多く取り入れ、建売住宅よりも高価で高品質なものが多い傾向です。インテリアだけでなく、住宅の構造、断熱性・気密性、建材にもこだわった注文住宅の方が建売住宅よりも長寿命であると想定できます。

建売住宅で、住宅会社が長寿命化よりも別の部分に力を入れていた場合には、長寿命化に力を入れた注文住宅よりも寿命は短くなるでしょう。

注文住宅なら寿命にもこだわることができる

リクルート住宅総研の「住宅購入検討者調査(2009年)」では、住宅の購入を検討している人のうち、建物の寿命を考慮している人は67%いました。さらに、長期優良住宅に魅力を感じている人が82%、一般住宅と比べて住宅の価格が2割以上高くなったとしても、20%の人は購入を検討すると回答しています。これらのことから、住宅の寿命や性能にこだわる人が多くいることが分かります。

しかし、住宅を長寿命化するためには、どのような点に気をつければよいのでしょうか。ここからは、住宅の寿命を延ばす3つのポイントを紹介します。

劣化対策

小屋裏換気や床下換気、防湿措置を行い、湿気による劣化を防ぎましょう。床下・基礎には、防腐・防蟻を行います。構造用の製材はヒノキやヒバを用います。外壁も、耐久性の高いものを選ぶようにします。

維持管理・更新への配慮

住宅の点検が容易になるような工夫も必要です。住宅内に点検口を設置し、給排水管やガス管も維持管理がしやすいよう、配置してもらいましょう。

耐震性能

住宅の耐震性能を示す等級は、1~3まであります。

・等級1
極めてまれに発生する地震による力に対して倒壊・崩壊しない程度

・等級2
極めてまれに発生する地震による力の1.25倍の力に対して倒壊・崩壊しない程度

・等級3
極めてまれに発生する地震による力の1.5倍の力に対して倒壊・崩壊しない程度

注文住宅を依頼する住宅会社の家はどの等級にあたるのか、確認しておきましょう。

健康にも配慮を

住宅の長寿命化にあわせて、そこに住まう家族の寿命も延ばせるように、健康にも配慮した家づくりを考えてみましょう。

空気環境

ホルムアルデヒドなどの化学物質をなるべく含まない建材を選ぶことをおすすめします。近年では、室内の空気環境の悪化によって、シックハウス症候群となってしまう人も少なくありません。乳幼児・高齢者のいる家庭は特に気をつけたいところです。

高気密・高断熱

住宅内の温度差によって、ヒートショックを起こし、死亡してしまうケースもあります。ヒートショックは、「暖かいリビングから寒いトイレに行ったとき」「寒い脱衣所から温かい湯船に入ったとき」などに起こります。これを防ぐためには、脱衣所、浴室、トイレなど、住宅内で冷えやすい場所でもリビングや寝室と同じ温度にしておく必要があります。

「すべての部屋に暖房をつける」という手もありますが、光熱費がかかりすぎてしまうというのがデメリットです。気密性・断熱性にこだわることで住宅内の温度差をなくしつつ、冷暖房費を節約することができます。

注文住宅で長寿命な住宅を

長寿命化・家族の健康に配慮した家づくりを行うことで、こだわりの住宅に長く暮らしていくことが期待できます。住宅を長持ちさせるためには、定期的な点検と修繕も必要です。建てた後もしっかりと管理を行いたいのであれば、長期優良住宅を検討してみてください。(提供:MORIZOU online

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