昨年のスルガ銀行のシェアハウス問題を機に不動産融資が厳しくなり、3年前だったらフルローンが可能だった物件であっても、現在は一定割合の自己資金を求められることが多くなりました。

例えば、1億円の物件を購入する際、今までは1億円にかかる諸費用(登録免許税や仲介手数料等)も含めてローンでまかなうオーバーローンも可能でしたが、今は2~3割程度の頭金を入れることが求められるため、比較的大きな物件を購入できる人が激減しています。

この状況を受けて、物件を購入できないなら不動産融資が再び緩和されるまでひたすら待つというスタイルに切り替える人がいますが、物件が買えない時期だからこそ準備できることもあります。

自己資本を厚くするための貯蓄

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(画像=Tero Vesalainen/Shutterstock.com)

自己資金を厚くすることは、不動産投資家にとって生命線ともいうべき重要なことです。融資が厳しくなった時は現金を持っているほうが有利になることはご理解いただけるかと思いますが、不動産融資が活発になったとしても、自己資金が厚い投資家のほうが銀行からの評価が高くなるため、より有利な融資条件で借入をすることができます。

ある投資家は不動産投資を始めてから8年程経ちますが、その間毎日エクセルで帳簿をつけて、私生活のキャッシュをコントロールしているそうです。不動産投資を始めた当初は自己資本の割合が5%に満たない危険な状態でしたが、帳簿による管理のおかげで現在は30%まで上がり、財務健全性がかなり上がったといいます。

銀行は融資をしないと収益を上げることができないので、物的担保が取れる不動産には融資をしたいというのが本音です。よって、今は融資が厳しくともいずれ不動産融資が活発になる時は必ずやってくるので、その時に銀行から良い評価を得られるようにできる限り貯蓄をし、自己資本を厚くしておきましょう。

優良不動産情報を得るための人脈構築

不動産が購入できないからといって、今までお付き合いがあった不動産業者との関係維持や、新しい不動産業者の開拓をしなくなる人がいますが、不動産情報を提供してくれる業者の担当者との人脈構築・維持は必要です。

不動産投資では、どのような不動産を購入するかが成否に大きく関わります。その不動産情報を提供してくれるのは、不動産業者です。不動産融資が活発になる時期に備えて、良い情報を提供してくれる業者とはできる限り関係を維持しておくことをおすすめします。

最近は、自分のメールアドレスを登録しておくと定期的に物件情報を送ってきてくれる業者が多いので、不動産の価格相場を把握する意味でも、また購入できる時期になったらすぐに動けるようにしておくためにも、不動産情報が多く入ってくる環境を整えておくことも立派な準備と言えます。

投資家として正しい判断をするための自己研鑽

また、不動産投資家として自己研鑽を忘れてはいけません。ここでいう自己研鑽とは、不動産投資の勉強をすることだけでなく、新築物件の見学会に参加して最新設備を確認したり、定期的に大家が集まる飲み会などに参加して、新しい情報を仕入れたりすることも含んでいます。

今は不動産投資が一般的になり、大家をやる人が増えています。いろんな悩みを抱えている大家もいれば、様々な試練を乗り越えて成長した大家もいて、そういった人たちと交流することで勉強になりますし、自分のモチベーションの維持にもつながります。

最高の自己研鑽は、身銭を切って購入した物件の管理運営をトライ&エラーを繰り返しながら学んでいくことです。しかし不動産投資には様々なトラブルがあり、それを自分の物件だけですべて経験するのは難しいでしょう。だからこそ不動産業者や同業者との交流が不可欠なのです。

融資が出ない時期だからこそ、投資家としての力をつけるために様々な自己研鑽をして、物件を購入できる時期に向けてしっかり準備していきましょう。(提供:YANUSY

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