1番美味しい「飲み頃」がいつなのかを知っておこう

以上のワインに関する常識を踏まえたうえで、押さえていただきたいのが「ヴィンテージによる違い」と「飲み頃」。「ヴィンテージ」とは、ブドウを収穫した年のこと。できたてのワインはおおむね、渋くて酸っぱく、美味しくありません。年月を経てまろやかになり、クオリティが上がっていくのです。

よい年生まれの超熟タイプのワインは大きくゆるやかな一生を送ります。クオリティがトップにある年月がとても長いため、美味しく飲める期間が長いのです。だからこそ価格も高くなります。

例えば、子供が生まれたときに購入して保管しておき、成人したら親子で飲む。これは長熟ワインならではの味わい方です。

対してオフ・ヴィンテージ(良くない年)のワインは、クオリティのピークが早く訪れます。早いうちに飲むのであれば、こちらのほうが美味しいことになります。つまり、たとえ良いヴィンテージでも、飲み頃に達していなければ価格相応の味わいを堪能できないということです。

初心者がワインを選ぶ際は、品種でセレクトする方法がわかりやすいでしょう。代表的な品種を紹介します。

■白ワイン
・シャルドネ
 世界でもっとも優れた辛口白ワインを生み出す品種のひとつ。
・ソーヴィニヨン・ブラン
 ハーブや青野菜を思わせるさわやかさが特徴。
・リースリング
 酸味豊かな高貴品種のひとつで、熟成とともにエレガントな味わいに。
・甲州
 日本に根づいた品種であるため、日本人の味覚にマッチ。

■赤ワイン
・カベルネ・ソーヴィニヨン
 世界でもっとも人気があり、高級ワインも多数。
・ピノ・ノワール
 世界でもっとも高価な赤ワイン、ロマネ・コンティの品種。
・メルロー
 カベルネ系とブレンドされることも多く、ワイン好きに人気。
・マスカット・ベリーA
 日本原産の品種で、和食にも合い注目度が上昇中。

ぜひ参考にしてみてください。

友田晶子(ともだ・あきこ)
トータル飲料コンサルタント/シニアソムリエ
福井県生まれ。トータル飲料コンサルタント、ソムリエであり日本酒・焼酎きき酒師。アルコール飲料と食全般に携わる。キャリア30年の経験と女性らしい感性で愛好家・プロ向けに的確な情報を提供。日本料飲サービス向上研究会会長。藝術学舎・非常勤講師。著書多数。(一社)日本のSAKEとWINEを愛する女性の会(通称:SAKE女の会)代表理事。All Aboutのお酒全般のガイドも務める。(『THE21オンライン』2019年6月号より)

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