政府は人生100年時代を見据えた経済・社会システムを実現するため、首相官邸内に「人生100年時代構想会議」を設置、世界に先駆けて超長寿社会に突入する日本のあるべき姿を模索しています。「人生100年時代構想会議」の中間報告によると、ある海外の研究で「日本で2007年に生まれた子どもの半数が107歳より長く生きる」とされているそうです。

人生100年時代では、これまでのような教育・仕事・老後という3ステージの単線型人生設計は通用せず、マルチステージ型の人生設計が求められます。リタイア後も何十年と生きていくのですから、リタイア後に何をするかが大変重要な問題になってきます。そのためには、それを可能とする資産的裏付けが必要になります。

豊かな老後を送るにはいくら資産があればいいか

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(画像=Watchara Ritjan/Shutterstock.com)

2019年6月、「夫婦の老後資金として年金以外に2,000万円の蓄えが必要」とした金融庁の報告書が大きな社会問題になりました。現在の年金支給額と実際に必要な生活費を考慮すると、毎月5万円の赤字になり、年間60万円が不足する。リタイア後の年金生活期間が20~30年とすれば、1,300~2,000万円が不足するというのです。

これに対して、「年金を払わせるだけ払わせておいて、老後の生活が安心できないとは何事だ!」とマスコミや野党が集中砲火を浴びせ、SNSが炎上しました。しかし、「よく考えてみれば心配には及ばない。勤勉な日本人はしっかりと資産を築いているので、それを取り崩していけば安心して暮らせる」という人もいます。

日本銀行の調査によると、日本の2人以上世帯で金融資産を保有している世帯の金融商品保有額の平均は、1,887万円です。それも世帯主を年齢別に見ると、50歳代は1,828万円、60歳代は2,415万円、70歳以上は2,565万円なので、月々5万円の不足でも、40年以上は何とかやりくりできる計算です。

超低金利下の預貯金で資産を増やすのは簡単じゃない

それなら安心かと思うと、実はこれは数字のマジックに過ぎません。60歳代で2,415万円の金融資産があるといっても、これはあくまでも平均値に過ぎません。実際には、金融資産が何億円もある人たちが平均値を押し上げているのです。

金融商品保有額を順番に並べていくと、その中央値は1,500万円です。つまり、毎月5万円ずつ取り崩していくと、人生100年時代にふさわしい年齢に達したときには、資産ゼロということになりかねないのです。

したがって、若いうちからしっかりと資産を形成しておく必要があるのですが、超低金利の今、預貯金ではなかなかお金を増やすことができません。しかも、実際の生活をしながら貯金するのは簡単ではありません。月々2万円でも30年で720万円、40年で960万円です。40年で2,000万円作るには、毎月4万円以上の積立てが必要です。

ローン完済後には年金不足を補う家賃収入確保

そこで考えたいのが、不動産投資です。賃貸用マンションなどをローンを利用して購入すれば、ほとんど持ち出しなしで資産を形成できます。

3,000万円のマンションを全額ローンで買うと、金利2%で30年返済なら毎月の返済額は11万885円です。東京23区などの利便性の高いエリアであれば、10万円の家賃を得られるケースが少なくないですから、実質的な持ち出しは1万円ほどで資産を形成できることになります。30年後の完済時に資産価値が多少落ちていたとしても、年金不足額を補ってあまりある家賃収入を得られるはずです。

500万円の自己資金を用意できれば、借入額が2,500万円に減るので毎月返済額は9万円強になり、持ち出しはゼロになります。

リタイヤ後を踏まえた資産形成を考える時には不動産の活用を検討してみてはいかがでしょうか。(提供:YANUSY

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