スマホの台頭により、通勤電車の中で文庫本を手に読書している人の姿は以前より減ったような印象を受けます。読書にもITが導入され、新しいスタイルの読書が広まっています。そのスタイルとは「オーディオブック」です。その名の通り、従来の目で読む読書ではなく、オーディオ、つまりは耳で聞く読書です。オーディオブックの流行には、どのような背景があるのでしょうか。

目を酷使する現代人に優しい読書スタイル

読書,オーディオブック
(画像=Thomas Bethge/Shutterstock.com)

読書が趣味だったけれど、いつの間にか本を読むことに疲れて、書籍から遠ざかってしまった人も多いでしょう。その疲れの要因として考えられるのが、日常生活における目の酷使です。

デスクワークのオフィス仕事は、いまやパソコンに向かっている時間が大半を占めるという人も多く、その上、仕事に加えてプライベートの時間にもスマホを利用することで、液晶画面を目にする時間がさらに増えているのが、現代人の生活でしょう。こうした習慣から、スマホを長時間見た後に、遠くの視界がぼやけてしまう「スマホ老眼」という症状まで確認されています。

パソコンやスマホの技術革新によって、読書という習慣が失われてしまうのではないかと危惧されますが、テクノロジーがその習慣を守るのに一役買ってくれているというのがオーディオブックです。耳で聞く読書スタイルは、実はこれまでにも存在していました。書物を朗読してテープに記録するカセットブックで、1980年代に流行しました。当時は、スマホなどが存在しない時代で、文字通り書物のタイトルごとにテープを購入する必要がありました。

読書が苦手な人でも本を楽しめる機会

スマホの普及、さらには音声をファイルでやり取りできるプラットフォームが確立されたことで、オーディオブックが再び日の目を見る環境が整いました。技術面のほか、前述の現代人の目の疲労という症状も合わさり、人気を集めているというわけです。

オーディオブックのアプリケーションも充実しており、セレクトされたタイトルのオーディオブックが聴き放題で月額750円と手軽な値段で聞く読書を楽しむことができます(オーディオブック配信サービスaudiobook.jpの場合)。ハードカバー1冊よりも安い価格で、何冊もの本が楽しめます。さらに、初めて利用の場合は、30日間無料といったブランもあり、オーディオブックに興味を持ったら、一度どのようなものなのか試してみるのもいいでしょう。

目に優しい上、値段以外にもオーディオブックのメリットは挙げられます。電子書籍同様、音声データで読書を楽しむため、本を保管する必要はなく部屋の収納スペースを気にする必要がありません。また、電子書籍では目で文字を追いながら読書をしなければなりませんが、オーディオブックでは耳を傾ければいいので、家事をしながら読書をするということも可能になります。

オーディオブックは、これまで読書が趣味だったけれども、目の疲労により本から遠ざかってしまった人たちにとって救世主のような存在に見られていますが、これまで読書家ではなかった人たちにとっても、新たな機会となりそうです。

本は読んでみたいけれど、活字を追うのは苦手だったり、文字を見るだけで眠気に襲われてしまったりというように、読書のハードルが高く感じている人もいるでしょう。こうした人にとっては、目ではなく耳を使う読書であるオーディオブックの登場は、読書習慣がついて、さらには趣味に発展する機会ともなりえるでしょう。これまでにも、ラジオがスポーツや情報番組など耳で楽しむ役割を果たしてきたように、オーディオブックも広く受け入れられ、人気が出る土壌は整っているといえるでしょう。(提供:JPRIME


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