長引く不況、上がらない収入、そうしたことから多くの女性が将来に対する不安を抱えているのではないでしょうか。このままでは定年退職をした老後が不安で仕方がないという方もいらっしゃることでしょう。そこで老後生活のために、投資を行う女性が増えています。なかでも不動産投資が今盛り上がりつつあります。
なぜ不動産投資が注目されるようになったのでしょうか。そこで本稿では、女性が不動産投資に適している理由とは何か、失敗しないために注意すべきポイントなども含め詳しく解説していきます。
目次
1.女性の不動産投資家が増えている
厚生労働省の公表している「令和2年簡易生命表」によると、2020年度の日本人の平均寿命は男性で81.64歳、女性が87.74歳です。高齢化が進むなかで、老後の生活における資金不足が心配されています。
女性の社会進出が世間に認知されつつあるとはいえ、女性は男性と比較して待遇や収入でまだ差があり、男性と女性では預金の額に違いが生じています。また、それに加えて出産や子育てなど、女性特有のライフイベントを経験することで、キャリアチェンジを余儀なくされ、収入がさらに下がる人もいます。
しかし、それらに対する社会的なフォローはまだまだ甘いといわざるを得ません。このような背景もあって、老後の資金や生活について考える女性が増え、それにともなって資産運用を始める人が増加しているのです。
なかでも不動産投資を行う女性が増えています。なぜ不動産投資を始める女性が増えているのでしょうか。
2.女性が抱えている悩みとは
不動産投資を始める女性が増えている理由、それは社会情勢の変化による女性特有の悩みが関係していると思われます。女性はどのような悩みを抱えていることが多いのでしょう。代表的なものとして、以下が挙げられるかと思います。
1.未婚率の上昇によって老後が不安
2.平均寿命が伸びていることで老後が不安
3.収入が少ないため将来が不安
それでは、さっそく詳細を見ていきましょう。
2-1.未婚率の上昇によって老後が不安
結婚を選択しない女性が増えています。元気で若いうちはいいのですが、歳を取ってから1人で生きていくことに対して不安を覚えるようです。高齢になって、体調を崩したり、怪我をしたりして満足に動けなくなったとき、独り身では買い物に行くのは大変です。
平均寿命が伸びている現在、現役を退いてからも長い老後を過ごす可能性があります。その長い老後が不安だと思う人が多いようです。
厚生労働省が公表している「生涯未婚率の推移」を確認してみましょう。
こちらは2015年に作成されたもので、将来推計も含まれています。1970年の段階では男性の生涯未婚率は1.7%、女性は3.3%でしたが徐々に上がり始めています。
1985年に男女雇用機会均等法が成立し、1986年に施行されたことがきっかけでしょうか、以降は大きく上昇しているのがわかります。2035年には女性は19.2%、約2割の人。5人に1人が一生未婚でいることが予想されています。
2-2.平均寿命が伸びていることで老後が不安
女性の平均寿命が2020年では87.74歳であることは先ほど説明しました。日本人の平均寿命を男性と女性に分けてグラフ化すると、以下のようになり順調に伸びていることがわかります。
日本人の平均寿命はまだまだ伸びていく可能性が高いといわれています。今から数十年後には、平均寿命は100歳という時代が訪れる可能性もあります。それ自体は望ましいことですが、寿命が伸びると必要な老後の資金は多くなってしまいます。特に女性は男性よりも長生きする傾向にあります。
既婚者でも、老後になって夫に先立たれてしまうケースは多々あるでしょう。そうした長生きによる老後不安も女性特有といえるでしょう。
2-3.収入が少ないため将来が不安
女性の社会進出が進むことで働く女性は増えていますが、まだまだ不平等が是正されてない日本では給与は男性のほうが高く、給与が低い女性のなかには将来に対する不安を感じている人が多いです。
この男性と女性の給与の格差は国税庁が2020年に公表している「令和元年度分 民間給与の実態統計調査」の表からも見て取れます。
上記の表は1年間勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与を表しており、男性の平均年収は約540万円、女性の平均年収は約296万円で、その差が244万円あることがわかります(平均年齢は46.7歳、勤続年数は12.4ヵ月)。
しかも、正規雇用や非正規雇用問わず、男性のほうが女性よりも多くの給与をもらっているのが現状です。男性と女性の賃金には大きな差があるため、女性に将来に対する不安を抱えている方が多いのは無理もありません。
2-4.不動産投資で安心を得る
こうした不安要素があることから、安定した収入が長期的に得られる不動産投資で資産形成を行い、安心を得ようとしている女性が増えています。
「投資ならば、株やFXでもいいのでは?」と思われる方もいるかと思います。しかし、これらは値動きの変動が激しく、仕事がある会社員では取引を行うことは難しいといわざるをえません。株式投資やFXを始めた会社員が値動きを気にして、仕事が手につかなくなったという話はよく聞きます。また株は暴落のリスクもあります。
その点、不動産ならば急激に価値が下がることはありません。不動産の価値が下がる予兆があれば、事前に対策を練ることも可能です。また、不動産は管理会社に管理を依頼すれば、ほぼノータッチと仕事を持つ人にとっては非常に楽です。こうした理由もあって、不動産投資を行う女性が増えているのです。
3.女性ならではのメリットとは
また、女性の不動産投資は、女性であることの利点を活かせるメリットがあります。
3-1.出産・育児で忙しくてもできる
ライフイベント時にもしっかり(対応)収入がはいる不動産投資は会社員など、働く女性が副業として始めるのに向いている投資です。不動産投資は物件を購入した後、基本的には管理会社に委任するだけで、ほとんど物件を管理する必要がありません。
このため出産・育児を経て会社勤めなどで忙しい人や、育児中に仕事を軽減して収入面で心配があっても、あまり手間もかけることなく家賃収入が得られます。
3-2.長い老後の大切な収入源になる
老後の収入に(年金の代わりとして) 不動産投資は長期運用が基本です。会社などに勤めつつ、帳簿上の損益を赤字にしておくことで節税効果が得られます。さらに定年退職時にローンの完済を設定すれば、退職後は家賃収入がそのまま自分の収入となります。
女性は平均寿命が男性よりも長いことから、老後も男性より長くなります。生活費が苦しくなり、年老いてからアルバイトをする、パートをするといっても、なかなか見つからず採用されることも少ないでしょう。不動産投資を行うことで、老後は働かずとも得られる収入、すなわち不労取得を得ることが可能になります。
4.女性が不動産投資をする際のポイント
続いては、実践的なテクニックとして、女性が不動産投資を行う際に抑えておくべきポイントを紹介します。そのポイントは以下の3つになります。
1.女性目線で投資不動産を選ぶ
2.独身のうちに不動産投資をはじめることが重要
3.女性が利用できる日本政策金融公庫の融資を利用する
それぞれについて説明していきます。
4-1.女性目線で投資不動産を選ぶ
女性目線で不動産を選ぶことで空室のリスクを抑えることができます。セキュリティやデザイン性など女性の視点で住んでみたいと思う物件は、入居者も同様に住んでみたいと思ってもらえる可能性が高いからです。
単身者の女性が入居する場合、セキュリティ面も気になるはずです。女性ならば細やかな視点で物件を選ぶことができそうです。男性であれば、ときに見落としがちな視点でもあるため、気になるポイントをしっかりとクリアできれば、それだけで入居率や入居期間などに影響してメリットが得られやすいといえるでしょう。
4-2.独身のうちに不動産投資をはじめることが重要
女性が不動産投資を始める場合、独身の間に不動産投資をはじめることをおすすめします。その理由は出産によって産休・育休をとった場合、年収が低くなることで金融機関からの融資が受けづらくなるからです。
また、結婚によって自分の意思だけで不動産投資をすることが難しくなるケースもありますので、自分のお金を自由に使える独身の期間に不動産投資をするといいでしょう。
4-3.女性が利用できる日本政策金融公庫の融資を利用する
日本政策金融公庫には、女性が利用出来る「女性、若者/シニア起業支援金」という融資があります。女性で自己資金が少なくて金融機関から融資を断られた方でも、融資を利用出来る可能性があります。ただし、この制度で融資を受けるためには以下の条件を満たす必要があります。
・事業開始予定または事業開始から7年以内であること
・資金用途が事業を開始するためや事業開始後に必要な資金に使用すること
・女性であること(女性でない場合、35歳未満または55歳以上であること)
上記の条件を満たしたうえで、審査に通過することで最大7,200万円の融資を受けることが可能です。ただし融資の期間が最大で20年なので利用する際には注意が必要です。
5.不動産投資にはリスクがあることを理解しておくことが重要
不動産投資で成功するためには、不動産投資におけるリスクを理解しておくことが非常に重要になってきます。不動産投資のなかでも、最も懸念されるのが空室リスクです。「不動産投資を始めたが、なかなか入居者が決まらない」「入居者が出ていき次の入居者が決まらない」これが空室リスクになります。
空室になってしまうと家賃収入がなくなるため、給料や預金からローンを返済しなければなりません。数ヵ月空室が続けば、かなりの出費になってしまいます。この空室リスクには不動産投資を行う前からの「備え」が重要になってきます。どのような備えをしていけばいいのでしょうか。
5-1.物件の立地が空室リスクを低下させるカギ
不動産投資用の不動産を購入する際に、重要なのは空室リスクを考慮して不動産を選ぶことです。物件を選ぶ際のチェックポイントとしては以下の項目が挙げられます。これらを満たしていれば空室リスクを下げることができるでしょう。
・需要が高い駅チカの物件を選ぶ
・複数路線が利用できる
・スーパーやコンビニが近くにあり生活の利便性がいい
・周辺の治安がいい
・建物のセキュリティがしっかりしている
・地盤が強い
・耐震性に優れている
5-2.不動産投資の基礎知識を勉強する
不動産投資は管理会社に任せておけば基本的には安心です。しかし、不動産投資に関する最低限の知識がなくては、何がよくて何がダメなのかの判断がつきません。それでは不動産投資で成功することも、長く運用してくことも難しいといえます。最悪のケースとしては、心ない会社から利益の出ない物件を紹介され、いわれるがままに購入してしまうこともあります。
最低限の基礎知識を身につけておくことが非常に重要になってきますので、合間を見つけては勉強することをおすすめいたします。勉強方法はさまざまですが、以下のような方法などがあります。
・不動産投資会社のセミナーに参加し学ぶ
・不動産投資の本を読んで勉強する
・YouTubeにある不動産投資に関する動画を見る
いろいろと試してみて、最も自分にあった勉強方法を見つけてみてください。
6.まとめ
現在の日本は収入面で女性が不利な状況です。また結婚するにしろ、生涯独身でいるにしろ、長い老後が不安にもなってきます。女性が自分の人生をより堅実に豊かにするためには、本業以外の収入を得ることが必要だといえるでしょう。
一口に投資といってもさまざまなものがありますが、なかでも不動産投資は再現性の高い投資として非常に優れています。定年退職時にローンを完済すれば、家賃収入の大部分が収入として入ることになり、それにプラスして年金も入りますから、豊かな老後を過ごすことができるでしょう。
全く知識がない方は、まずは不動産会社に足を運び、話を聞いてみることからはじめてみてはいかがでしょうか。不動産会社といってもいろいろあり、賃貸物件を紹介する会社もあれば、不動産投資物件を扱っている会社もあります。不動産投資を行う場合は、後者の会社になります。
そうした不動産会社には専門のスタッフが揃っています。無料で相談が可能ですので、お気軽に出向かれてみてはいかがでしょう。
(提供:Dear Reicious Online)
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