2019年10月から消費税が現行の8%から10%に引き上げられるため、住宅・不動産関連でも新築住宅の建築、分譲住宅の建物部分が消費税の対象になり税負担が重くなります。また、既存住宅のリフォームについても、やはり消費税の課税対象です。税金負担が重くなるなかで、有効活用したいのが次世代住宅ポイントです。今回は次世代住宅ポイントの概要などについて解説します。

次世代住宅ポイントは賃貸住宅も対象に

次世代住宅ポイント,リフォーム,入居率
(画像=hanohiki/Shutterstock.com)

消費税増税によって住宅の建設が減少すれば、住宅業界の足を引っ張り、ひいては日本経済全体の成長を阻害することになりかねません。それを防ぎ、増税後も住宅建設やリフォームが安定的に推移するように、国は各種の取得支援策を実施しています。次世代住宅ポイントもその一つです。税率10%で住宅を取得したり、リフォームしたりする人に対してさまざまな商品などと交換できるポイントが発行されます。

1戸当たり30万ポイントが上限に

ポイント発行の対象になるのは、「環境」「安全・安心」「健康長寿・高齢者対応」「子育て支援、働き方改革」に資する住宅の新築・リフォームです。この主旨に則り、住宅の新築ではエコ住宅、長持ち住宅、耐震住宅、バリアフリー住宅などがポイントの対象で、1戸当たり最大30万ポイント(30万円相当)が付与されます。

この新築に関しては、自己居住用の住宅に限られ不動産投資などに利用される賃貸住宅、貸家の取得は対象外です。しかしリフォームは貸家も対象に含まれます。そのため既存の賃貸用不動産をリフォームして、次世代住宅ポイントを活用することも可能です。最新設備に更新するときにポイントが付与されます。

リフォーム内容別にポイントを加算

対象となるものを一部あげると以下のようなものです。

・窓・ドアの断熱改修
・外壁、屋根・天井または床の断熱改修
・エコ住宅設備の設置
・耐震改修
・バリアフリー改修
・家事負担軽減に資する設備の設置
・若者・子育て世帯による既存住宅の購入に伴う一定規模以上のリフォーム工事など

リフォームの内容加算されるポイント
窓の断熱改修(1ヵ所あたり)2,000~2万ポイント
ドアの断熱改修(1ヵ所あたり)2万4,000または2万8,000ポイント
エコ住宅設備(太陽熱利用システムなど)2万4,000ポイント
エコ住宅設備(節水型トイレ)1万6,000ポイント
バリアフリーの手すり設置5,000ポイント
ホームエレベーターの設置15万ポイント

リフォームの内容別にポイントが定められ、その合計で1戸当たり30万ポイントが上限です。ただ若い世代・子育て世帯がリフォームを行う場合には上限が45万ポイントになります。さらに既存住宅を買ってリフォームする場合には60万ポイントまで引き上げられるため押さえておくと良いでしょう。

液晶テレビからブランド牛、ワインまで交換可能

ポイントの対象になるのは2020年3月末までにリフォームの建築請負契約を締結、着工したもので、2019年10月1日以降に引き渡しを受けることが条件となります。2019年度の政府予算による時限措置で、予算が尽きそうな場合には、早めに打ち切りになる可能性もあるので注意が必要です。反対に、さらなる景気刺激策が必要とされた場合には、2020年度以降も継続される可能性もないとはいえません。

取得したポイントは、さまざまな商品に交換が可能です。対象商品は、家電、インテリア、雑貨・日用品、地場産品、食料品・飲料、スポーツ・健康増進、福祉・介護用品、防災・避難用品、ベビーキッズ用品など多岐にわたります。液晶テレビ、パソコンなどから、机やテーブルなどのインテリア、ブランド牛、ワインまで生活を豊かにしてくれる商品が目白押しです。

次世代住宅ポイント制度を活用し既存の賃貸住宅のリフォームを行いテナントの安定的な確保、賃料の維持・向上などにつなげてはいかがでしょうか。(提供:YANUSY

【あなたにオススメ YANUSY】
副業ブームの日本!サラリーマン大家になるなら覚えておきたいこと
2019年以降の不動産投資は「コミュニティ」が欠かせない
賃貸業界の黒船になるか。インド発のOYOの実態
不動産所得での節税に欠かせない必要経費の知識
賃貸管理上でのトラブル対応術とは?