【目次】
①サイバー・バズIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)【9/11更新】 ※一部有料会員限定
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント 【9/10更新】 ※有料会員限定
- 会社名
- 株式会社サイバー・バズ
- コード
- 7069
- 市場
- マザーズ
- 業種
- サービス業
- 売買単位
- 100株
- 代表者名
- 代表取締役社長 髙村 彰典 /1974年生
- 本店所在地
- 東京都渋谷区桜丘町20番1号渋谷インフォスタワー7階
- 設立年
- 2006年
- 従業員数
- 95人 (2019/07/31現在)(平均28.6歳、年収572.8万円)、連結105人
- 事業内容
- Instagramを中心とした自社サービスとしてのインフルエンサーマーケティングやSNSアカウント運用企画代行などのソーシャルメディアマーケティング事業
- URL
- https://www.cyberbuzz.co.jp/
- 株主数
- 8人 (目論見書より)
- 資本金
- 20,150,000円 (2019/08/16現在)
- 上場時発行済み株数
- 3,421,500株(別に潜在株式637,500株)
- 公開株数
- 683,600株(公募370,000株、売り出し224,500株、オーバーアロットメント89,100株)
- 調達資金使途
- システム開発費用、採用費・人件費・教育費、オフィス家賃・増床に伴う設営投資
- 連結会社
- 1社
- スケジュール
- 仮条件決定:2019/09/02→2,000~2,300円に決定
- ブックビルディング期間:2019/09/03 - 09/09
- 公開価格決定:2019/09/10→2,300円に決定
- 申込期間:2019/09/11 - 09/17
- 払込期日:2019/09/18
- 上場日:2019/09/19→初値4,000円
- シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
- 主幹事証券:大和証券
- 引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:エース証券
- 引受証券:マネックス証券 (マネックス証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:いちよし証券
- 引受証券:岩井コスモ証券
- 大株主
- 髙村彰典 1,354,000株 36.70%
- (株)デジタルガレージ 770,000株 20.87%
- (株)サイバーエージェント 600,000株 16.26%
- (株)マイナビ 300,000株 8.13%
- ユナイテッド(株) 250,000株 6.78%
- 近田哲昌 135,000株 3.66%
- 和田瑞樹 105,000株 2.85%
- SBI AI&Blockchain投資事業有限責任組合 30,000株 0.81%
- 松本浩介 20,000株 0.54%
- 蓮見麻衣子 17,500株 0.47%
- 業績動向(単位:百万円)売上高 営業利益 経常利益 純利益
- 2017/9 連結実績 1,865 141 147 82
- 2018/9 連結実績 2,446 233 234 165
- 2019/6 連結3Q累計実績 2,193 354 352 227
- ロックアップ情報
- 指定された株主は上場後90日目の2019年12月17日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
- 調達額(公開株数×公開価格)
- 15億7228万0000円(683,600株×2,300円)
- 潜在株数(ストックオプション)
- 637,500株
- ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
-
サイバー・バズ<7069>はソーシャルメディア(SNS)上で影響力を持つインフルエンサー(※)を会員として組織化し、会員がソーシャルメディア上で発信することで、消費者にクライアント企業の商品・サービス等の価値を伝えるマーケティング活動を行う企業である。様々なソーシャルメディアが存在するが、同社はInstagramを中心とするサービス構成となっている。
※インフルエンサー:「influence」(影響、感化、作用の意)を語源とする言葉で、ソーシャルメディアにおいて、他のユーザーへの口コミ等の影響力が強い者を指す
■沿革
2006年4月にサイバーエージェント<4751>100%子会社として同社は設立。その後、サイバーエージェントは保有株式を段階的にデジタルガレージ<4819>に譲渡し、現在に至る。現在のデジタルガレージの株主シェアは21%であり、持分法適応会社となっている。
■事業内容について
同社はインフルエンサーを活用したマーケティングサービスを主力業務としているが、下記3事業を展開している。
・インフルエンサーサービス
・SNSアカウント運用
・インターネット広告代理店
●インフルエンサーサービス
同社は会員化したインフルエンサーに対し、クライアント企業の商品・サービス体験やイベント招待などの機会を提供する。会員が感想などをソーシャルメディア上に発信することで、クライアント企業は商品・サービス等のブランディングや認知度向上が期待できる。主なサービスは下記3種類である。
・NINARY
主にInstagramにおいて、フォロワー数3万人以上を有する読者モデル等のインフルエンサーによる広告・マーケティングサービス。同社から会員に対し報酬を支払い。
・Ripre
主にブログ、Twitter、Instagram等のソーシャルメディアにおいて、一定数の読者やフォロワーを有するインフルエンサーによる広告・マーケティングを行うサービス。各投稿について、同社からの報酬支払いはない。
・ポチカム
ブログ、Twitter、Facebook、Instagram等のソーシャルメディアを利用していれば、誰もが参加できるモニターサイトを運営。投稿について、同社からの報酬支払いはない。
・to buy
インフルエンサーが独自記事として愛用品やサービスを紹介する、Webメディアを運営中。クライアント企業へ送客し購入が発生した際に、購入額の一部を手数料として受け取る。またGoogle等からのアドセンス収益も得ている。
●SNSアカウント運用
クライアント企業が公式に運用するTwitter、Facebook、Instagram等のソーシャルメディアのアカウントについて、同社が運用支援を行う。原則半年以上の契約にて、サービス内容に応じた月額課金モデルを採用する。
●インターネット広告代理店
クライアント企業からの要請等により、Youtube、Instagram、Twitter、LINE等のソーシャルメディア関連広告を中心に、広告商品の代理販売を行っている。
また子会社であるglamfirstにおいて、Istragramに特化した広告・マーケティングサービスも提供。他の芸能事務所に所属する、インフルエンサーや芸能人なども起用する広告・マーケティングを、クライアント企業へ提供している。
■部門別売上高
2018年9月期 売上高24億円
・インフルエンサーサービス 10億円
・インターネット広告代理販売 10億円
・glamfirst 3.4億円
・SNSアカウント運用 1.0億円
2019年6月期Q3(累計) 売上高22億円
・インフルエンサーサービス 9.3億円
・インターネット広告代理販売 6.9億円
・glamfirst 3.6億円
・SNSアカウント運用 2.2億円
インフルエンサーサービスとインターネット広告代理販売が、売上の2本柱である。2018年9月期は両者の売上高が10億円で拮抗していたが、2019年6月期Q3(累計)はインフルエンサーサービスが伸び、Q3段階で前期に近い売上を計上した。
尚、子会社のglamfirstもインフルエンサーサービスと同様、高い伸びを見せている。
■業績推移
2016年9月期 売上高18億円、経常利益1.4億円、当期純利益0.8億円
2017年9月期 売上高19億円、経常利益1.5億円、当期純利益0.8億円
2018年9月期 売上高24億円、経常利益2.3億円、当期純利益1.7億円
2019年9月期(予想) 売上高29億円、経常利益3.4億円、当期純利益2.3億円
※2017年9月期より連結決算
SNSの利用増加を背景に、毎期増収増益を重ねており、2019年9月期は経常利益3億円の突破を予想している。
2019年9月期Q3(累計)は売上高22億円、経常利益3.5億円であり、通期予想達成に向けた進捗は順調である。尚、Q3時点で通期予想を上回る経常利益となっているが、営業外費用で上場関連費用の計上を見込んでおり、通期予想に近い数字での着地が見込まれる。
■財務状況
2018年9月期末時点で、資産合計12億円に対して、純資産合計6.8億円となっており、自己資本比率は58%である。
無借金にて現預金5.2億円を有しており、財務状況に特段の懸念事項はない。
■資金使途
IPOにより7.3億円の資金調達を行い、資金使途は下記を予定している。
・各サービスの新機能及び業務効率化のための開発費等 0.9億円
・開発エンジニアや営業人員を始めとする採用費及び人件費等 2.9億円
・事業拡大に伴う人員増加による、オフィス家賃及び増床に伴う設営投資 2.7億円
人材関連費用及び、オフィス拡大に伴う設営投資中心に調達資金は充当される。
■株主状況
高村社長が株主シェア37%の筆頭株主である。
事業会社株主としてデジタルガレージ(株主シェア21%)、サイバーエージェント(同16%)、マイナビ(未上場:同8.1%)、ユナイテッド(2497:同6.8%)が存在する。
事業会社全体で株主シェア50%以上を有しており、事業会社中心の株主構成である。尚、ユナイテッドは250,000株の保有株のうち、115,000株を売出に拠出する。
またVC株主としてSBI AI&Blockchain投資事業有限責任組合が存在(同0.8%)。
尚、全ての事業会社株主及びVC株主は、IPO後90日もしくは株価1.5倍以上のロックアップ契約を締結している。
■今後の注目ポイント
SNSマーケティングを手掛ける企業のIPO案件である。近年のInstagramの急拡大を背景に、Instagramマーケティングを中心に事業展開を行い成長している。
Instagramに注力することで業績を伸ばしているが、企業側から見ると宣伝広告費の予算で同社サービスを利用することになる。尚、企業の宣伝広告予算は、景気に大きな影響を受ける分野である。
10月に消費増税を控えており、景気後退も予想される中、景気後退期においても企業クライアントを確保し、成長を続けることができるのか、という点が今後のポイントになると考えられる。