清潔感

それでは、どういった箇所を直せば清潔感が蘇ってくるのか見てみましょう。まず、部屋の面積で一番大きいものは壁です。この壁が奇麗か日焼けで変色しているかで、第一印象は大きく変わると思います。ですので、入居者が変わるタイミングで、自分で壁を白く塗ると良いと思います。他の色でも良いのかも知れませんが、白色は様々なメリットを持ちます。なんといっても清潔感があるように見えます。そして、白ですと部屋を明るくし、広く見せる効果もあります。

続いては、普段使っている備品(例えば、スイッチ・コンセント類、トイレの便座、風呂のふた、シャワーヘッドなど)です。こうした備品のほとんどは劣化し変色してきますので、タイミングをながら交換すると良いと思います。こうした備品の交換は、簡単に行える上に非常に重要です。なぜなら、こうした小さなところに意外と目がいくからです。

最後は、水廻りです。水廻りでは、水垢やカビが自然と発生し汚れが次第に目立ってきます。ですので、こうした汚れは徹底的に落とし、その上でコーティングすると良いと思います。清潔感という点では、女性の意見が非常に参考になります。女性に保有物件を見てもらい、上記に挙げた点意外で気になった点を指摘してもらえば、DIYすることでもっと利回り改善ができると思います。


部屋の付加価値を高める

日本人であればちょっとした気遣いのなされている物件に、心打たれることは多いのではないでしょうか。例えば、今ならエアコンは何処でも付いていると思います。しかし、温暖化によりエアコンを利用する時間が長くなったおかげで、夏の電気代も馬鹿になりません。こうしたことを考慮して、省エネ型エアコンが整備させていたらどうでしょうか。また、他の例を挙げますとドアフォン。日本ではまだそこまで治安が悪い訳ではないですから、そこまで必要とはされてはいないかもしれません。しかし、女性が1人で住むのであれば、こうしたものがあれば随分と心強くなると思います。これらの設置は自分では無理かも知れませんが、今でしたら設置コストもそれほどかかりません。設置するものを出来るだけ安く自分で仕入れ、設置は電気屋さんに頼む半DIYも有効だと思います。


DIYの効果

DIYによって生み出される清潔感が、どのように高い利回りに繋がるのでしょうか。私の仮説は以下のようです。普通の人なら清潔感のある物件の賃料は、同じ築年数のごく普通の物件の賃料よりも、管理費用等を反映して若干高いと思っていると思います。しかし、貸し主と借り主の間に情報の非対称性がありますから、借り主には正確なDIYのコストなどは分かりません。その一方で、貸し主はもちろん全部を把握していますので、この公式(DIYのコスト < 清潔感のある物件の1年間賃料 — 同じ築年数のごく普通の物件の1年間の賃料)が成り立つように賃料を設定することにより、高い利回りが出せるようになります。そして、DIYのコストを小さくすればするほど、DIYの効果は大きくなってきます。こう考えますと、DIYによって改善される清潔感や雰囲気は、利回りに大きな影響を与えることができると思います。所詮DIYですが、されどDIYだということが言えると思います。DIYをまだされたことのない方は、DIYの効果を過小評価せずに是非一度お試し下さい。

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