東洋経済が2017年卒を対象に行った「入社難易度が高い企業」のアンケートで19位に入ったTBS。民放放送局の系列ネットワークの中心となる、いわゆるキー局として知名度が高い企業だ。しかし毎年の新卒採用人数は30人程度と知名度に反比例し、入社できる人数は少ない。有名テレビ局の平均年収はいくらなのだろうか。

有価証券報告書とは?

TBS,年収
(画像=TK Kurikawa/Shutterstock.com)

日本証券業協会によれば、有価証券報告書とは、会社の概況から事業や設備の状況、財務状況まで多岐にわたる情報が盛り込まれている報告書のことを指す。子会社を保有している企業の場合、連結決算と単体決算に分けて利益等が表示されており、単体はその企業のみの損失や利益等の数字、連結は子会社や関連会社も含めた数字である。子会社の経営状況は少なからず親会社に影響するため、現在は日本を含め世界的に連結決算の数字が重要視されている。

TBSホールディングスの平均年間給与は約1,586万円

TBSテレビは単体では上場しておらず、ホールディングス制だ。親会社であるTBSホールディングスが上場しており、その下に約100社の会社が子会社として連なっている。テレビ局であるTBSテレビも子会社の中の一つだ。親会社のTBSホールディングスの平均年間給与は、1,586万円、平均年齢は51.0歳で、平均勤続年数は24.8年だ。(2019年3月31日現在における提出会社単体の数字)

TBSホールディングスの子会社を含めた連結ベースの収益合計は、2018年度は約3,664億円。前年度は約3,620億円であり、ここ5年間は、わずかながら右肩あがりになっている。

一方、2018年度の純利益は約252億円の利益となっており、前年の約172億円から、大きく利益を伸ばしている。売上をセグメント別に見てみると放送事業がほぼ横ばいの0.3%の増収に対し、映像・文化事業が2.6%、不動産事業が2.5%とそれぞれに増収しているのが特徴だ。TBSといえばテレビのイメージが強いが、それ以外のセグメントが売上高に貢献しているといえるだろう。

視聴率の減少で焦るテレビ業界 TBSは不動産事業にも進出

TBSは2020年度を最終年とした中期経営計画を策定している。その大きな3つの柱が、「TBSテレビの競争力向上」「TBSシナジーを産む総合メディアの多様化と挑戦」「TBSグループが果たすべき社会的責任の遂行」だ。テレビの競争力向上に関しては、13~59歳までの男女をメインターゲットにした番組作りを目指していくとしている。

しかし問題になっているのは他社との競争ではなく、そもそもテレビを見る人が減っているということだろう。Youtubeなどのインターネット動画などに視聴者が流れているのだ。もちろんこの部分でもTBSはTVerやParaviなどを通じてネット配信への取り組みを強化している。

しかしAmazon Prime VideoやNetflixなどの世界的な動画配信サイトには水をあけられているのが現状だ。動画配信はまだまだ拡大の余地が大きい市場であるため、自社配信への取り組みやNetflixなどの動画配信サービスへのコンテンツ提供など、今後新たな収益源を確保していくことが成長の大きなポイントとなってくるだろう。

一方、売上は小さいものの、利益率は大きい不動産事業に関しても新しい取り組みを行っている。実際、2019年1月よりTBSの本社がある赤坂で三菱地所と組んで赤坂エンタテインメント・シティ構想を立ち上げ、再開発をスタートした。立地は非常にいいため、この不動産をどのようにうまく活用できるかも今後の業績を左右しそうだ。このように事業の多角化を目指すTBSだが、やはりビジネスの本質は「優良コンテンツをどれだけ保有することができるか」であろう。

幸いにも2018年度は、2011年度以来、7年ぶりにゴールデンタイムの視聴率が10%を超えた。これまで何気なく見ていたテレビ番組もビジネスの視点で見るとまた違って見えるかもしれない。

文・MONEY TIMES編集部/MONEY TIMES

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