【目次】
①HENNGE IPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)【10/7更新】 ※一部有料会員限定
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント 【9/30更新】 ※有料会員限定
- 会社名
- HENNGE株式会社
- コード
- 4475
- 市場
- マザーズ
- 業種
- 情報・通信業
- 売買単位
- 100株
- 代表者名
- 代表取締役社長 小椋 一宏 /1975年生
- 本店所在地
- 東京都渋谷区南平台町16番28号
- 設立年
- 1996年
- 従業員数
- 149人 (2019/07/31現在)(平均35.5歳、年収704.4万円)、連結153人
- 事業内容
- 企業向けクラウドセキュリティーサービス「HENNGE One」の提供
- URL
- https://hennge.com/jp/
- 株主数
- 37人 (目論見書より)
- 資本金
- 330,800,000円 (2019/09/02現在)
- 上場時発行済み株数
- 15,438,000株(別に潜在株式868,000株)
- 公開株数
- 1,504,200株(公募50,000株、売り出し1,258,000株、オーバーアロットメント196,200株)
- 調達資金使途
- 人件費および採用関連費用、広告宣伝費
- 連結会社
- 1社
- スケジュール
- 仮条件決定:2019/09/19→1,200~1,400円に決定
- ブックビルディング期間:2019/09/20 - 09/26
- 公開価格決定:2019/09/27→1,400円に決定
- 申込期間:2019/09/30 - 10/03
- 払込期日:2019/10/07
- 上場日:2019/10/08→初値2,001円
- シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
- 主幹事証券:野村證券
- 引受証券:クレディ スイス証券
- 引受証券:大和証券
- 引受証券:いちよし証券
- 引受証券:エース証券
- 引受証券:岡三証券 (岡三証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:丸三証券
- 引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:マネックス証券 (マネックス証券の詳細記事はこちら)
- 大株主
- 小椋一宏 4,488,000株 27.61%
- 宮本和明 2,394,000株 14.73%
- 永留義己 2,230,000株 13.72%
- (株)ブイ・シー・エヌ 960,000株 5.91%
- 太陽生命保険(株) 874,000株 5.38%
- 従業員持ち株会 844,000株 5.19%
- 佐野力 782,000株 4.81%
- (株)サンブリッジコーポレーション 758,000株 4.66%
- 投資事業組合オリックス11号 496,000株 3.05%
- 大和企業投資(株) 374,000株 2.30%
- 業績動向(単位:百万円)売上高 営業利益 経常利益 純利益
- 2017/9 連結実績 2,225 152 155 172
- 2018/9 連結実績 2,834 202 219 123
- 2019/9 連結3Q累計実績 2,515 146 132 79
- ロックアップ情報
- 指定された株主は上場後90日目の2020年1月5日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
- 調達額(公開株数×公開価格)
- 21億588万円(1,504,200株×1,400円)
- 潜在株数(ストックオプション)
- 868,000株
- ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
-
HENNGE<4475:へんげ>は企業が様々なクラウドサービスを利用する際に、セキュリティの高いアクセスとシングルサインオンを実現するサービス「HENNGE One」を展開する企業である。
■沿革
同社は1996年に有限会社ホライズン・デジタル・エンタープライズとして設立された。Linuxによるサーバ管理ツール、eCRMソフトウェアなどの企業向けアプリケーションの開発・提供等を経て、現在の「HENNGE One」サービスを提供している。
尚、2019年2月にHENNGE株式会社に商号変更を行った。
■事業内容について
同社は企業が利用する様々なクラウドサービスに対して、横断的にセキュアなアクセスとシングルサインオンを実現するサービス「HENNGE One」のサービスを提供している。「HENNGE One」は業種・業態に関係なく、様々なクラウドサービスを導入する企業において、部署・勤務形態を問わず全社でのサービス利用が可能である。
具体的には下記の機能から構成されている。
・HENNGE Access Control(クラウドサービスにアクセスする際のアクセス制御機能)
・HENNGE Secure Browser(データを端末に残すことなくクラウドサービスにアクセス可能とする機能)
・HENNGE Email DLP(メールフィルタリング、添付ファイルのZIP暗号化などのセキュリティ機能)
・HENNGE Email Archive(システム管理者によるメールの保管や検索機能等)
・HENNGE Secure Transfer(大容量ファイルをセキュアに組織内外に対して送受信可能とする機能)
企業は「HENNGE One」を経由することで、高いセキュリティ環境下でのクラウドサービス利用が可能となる。
■年間200~300社の顧客増加が継続の一方でサービスの解約が殆どない
同社は20年以上に渡り企業や自治体向けにITサービスなどを提供しており、長年の経験と信頼を背景とした顧客基盤や販売パートナーが存在する。その結果、「HENNGE One」は年間200~300社の顧客増加が継続している。
また「HENNGE One」は継続的に利用されるサービスであり、直近12ヶ月の平均月次解約率は契約金額ベースで0.2%以下にとどまり、大半の顧客が一旦契約した後は、サービスを継続的に利用している。
年間200~300社の顧客社数の増加と低い解約率から、サブスクリプション型での収益拡大が可能である。また顧客から年間利用料金をサービス開始の際に一括して受領している。よって前受収益により財務体質が強固になっており、先行投資の実行が可能な財務状態である。
■業績推移
2016年9月期 売上高17億円、経常利益0.8億円、当期純利益0.7億円
2017年9月期 売上高22億円、経常利益1.6億円、当期純利益1.7億円
2018年9月期 売上高28億円、経常利益2.2億円、当期純利益1.2億円
2019年9月期(予想) 売上高33億円、経常利益1.5億円、当期純利益0.9億円
※2017年9月期より連結決算
毎期5~6億円の増収が継続中である。しかし2019年9月期はオフィス増床に伴う賃料増加や、営業人員の採用の積極化などを行った結果、減益となる見込みである。
2019年9月期は増収減益予想であるが、Q3時点で売上高25億円、経常利益1.3億円であり、通期予想達成に向けた進捗は順調である。
■財務状況
2018年9月期末時点で、資産合計23億円に対し純資産合計5.8億円、自己資本比率25%である。ただし借入金はない。
現預金18億円に対し、前受収益12億円と現預金の多い状態であり、財務内容について特段の懸念事項はない。
また前受収益の受領により営業活動によるキャッシュ・フローは+5.4億円である。(2017年9月期は+5.2億円、2期続けて+5億円以上の営業C/Fを維持)
■資金使途
IPOにより2.9億円の資金調達を行い、下記の使途を予定している。
・営業部門及び研究開発部門の人材採用に係る人件費及び採用関連費用 1.5億円
・広告宣伝費 1.5億円
「HENNGE One」のサービス拡大に向けた投資に調達資金は充当される。
■株主構成
小椋社長が筆頭株主であり株主シェア27.6%。宮本副社長が第2位株主で同14.7%、永留副社長が第3位株主で同13.7%。主要役員で株主シェアの56%を有しており、安定的な株主構成である。
VC株主としてVCN(株主シェア5.9%)、サンブリッジコーポレーション(同4.7%)、投資事業組合オリックス11号(同3.1%)、大和企業投資(同2.3%)、NTTファイナンス(同1.0%)が存在しており、VC比率は17%。尚、VC株主はIPO後90日もしくは株価1.5倍のロックアップ契約を締結済みである。
また太陽生命保険が第5位株主(同5.4%)となっているが、全株(874,00株)を売出にて売却する。
■まとめ