“ペアリング”という言葉をご存じでしょうか。端的に言うと、「ワインと料理の組み合わせ」。ワインはそれだけで味わってもおいしいものですが、料理とマリアージュさせることによって、その魅力は何倍にも膨らみます。

「魚料理には白ワイン、肉料理には赤ワイン」というのは、ワインに詳しくない方でも聞いたことがあるセオリーではないでしょうか。これをもっと細分化させたものがペアリングです。レストランでコース料理をオーダーし、前菜にはこのワイン、魚料理はヒラメだからこれ、肉料理は鴨肉だからこれ……といった具合に、料理が変わるごとに、素材や調理法に合わせてソムリエが最適なワインを一杯ずつチョイスしてくれます。

そもそもワインのオーダーというのはハードルが高いもの。値段だけで決めるのはケチくさい感じもしますし、付け焼き刃の知識では、馬脚を露わしかねません。例えば、ボトルで選んだ場合、大人数ならいいのですが、少人数ではそうそう多種類は飲めません。結果、どの料理が来ても同じワインを飲み続けることになってしまいます。

ペアリングのメリットはワインとの「出会い」

ソムリエ,ペアリング
(画像=il21/Shutterstock.com)

ボトルで注文した際、好みの味に当たればいいのですが、そうでないときは悲惨です。ならば、グラスワインで一杯ずつオーダーするという方法もありますが、せっかくですので、そのお店のソムリエに聞いてみましょう。客以上にワイン、その日の料理の素材や調理法などについて熟知しているのは間違いありません。ならばいっそ最初からペアリングをオーダーして、ソムリエに委ねてしまうのが得策ではないでしょうか。

お酒に弱い方、全て飲みきれなさそうという場合は、量を半分に減らしたり(ハーフペアリング)、コース料理の途中からペアリングを頼んだりする(あるいは途中でペアリングを中断する)ことができる場合もあります。まずはお店の人に相談してみましょう。

ペアリング最大のメリットは、意外な組み合わせに出会えること。あえて魚料理に赤ワインを合わせたりしてくるのは序の口。時にはロゼワインやシェリー酒(ワインと同様にぶどうを原料とした酒で、ワインよりアルコール度数が高い)など、自分ではまず思いつかないマリアージュを提案してくれます。

「なぜこの料理にこのワインを合わせたのか」という講釈を聞くのも楽しみのひとつです。単純に料理との相性で決めることもあれば、意表をついて真反対の味わいのものを合わせてきたり、さらにはそのワインが育った土壌の話、出荷年ごとの収穫状況にまで話がさかのぼったりすることもあります。じっくり耳を傾けるのもよし、大切な商談や勝負デートなど、ほどほどにしておきたいこともあるかもしれません。ソムリエはプロですから、そのあたりの空気は巧みに読んで加減してくれるはずです。

ソムリエの個性も楽しみに一つに

ソムリエごとの性格や主義が垣間見えるのも面白いところ。万人に受けそうなワインを出してくる人、こちらの好みを探りながら提案してくる人、とにかく自分が良いと思う一杯を出す人……などなど。中には思い入れが強過ぎるあまり、グイグイ好みを押し付けてこられることもあります。しかし、口に含んだ瞬間は「えっ! 何これ!」と思うようなクセが強めのワインでも、料理と一緒になった途端に納得してしまうのがペアリングの奥深いところです。

まずはワインと料理、それぞれのおいしさがあり、合わせることにより新たな魅力が生まれ、そこにソムリエの個性が加わることで、第3の世界が広がります。魅惑のペアリング、一度試してみる価値はあります。(提供:JPRIME


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