調査結果のポイント
◆景況感は2年連続の悪化だが水準は高い。先行きは悪化を見込む
◆従業員のストレス要因は「業務過多」が最多だが改善傾向。「職場環境」等、それ以外のストレス要因の対策が望まれる
調査結果要旨
I.景気動向
1.企業の景況感は2年連続の悪化、先行きも悪化を見込む
2.全9地域中7地域で景況感が悪化、先行きは全地域で悪化
3.18年度は9年連続の増収増益、19年度は伸びが鈍化する見通し
4.18年度は全9地域中8地域で増収増益、19年度は6地域で増収増益の見通し
II.雇用、設備投資、販売・仕入価格
1.雇用拡大意欲はさらに強まる見通し
2.19年度の設備投資は伸びが鈍化
3.仕入価格の上昇を販売価格に波及させる動きは一部に留まる
III.経営課題・問題点
1.現在の経営課題は「人員の不足」が58.6%で最多
2.今後10年間で重要性を増す経営課題は「人材確保・育成」が65.6%で最多
IV.従業員のストレス軽減に関する企業の体制について
1.調査の背景
2.企業が考える従業員の主なストレス要因は「業務過多」「職場環境」「コミュニケーションが少ない」~製造業で「職場環境」「コミュニケーションが少ない」、非製造業で「業務過多」が特徴。若年の従業員が多い企業では「従業員の入れ替わりが激しい」も。
3.最大のストレス要因が「改善している」企業は4割。半数は「変わらない」~改善傾向があるストレス要因は「業務過多」。「従業員の入れ替わりが激しい」は悪化傾向。
4.課題は、「人手不足」と「意識」。緊張が多い職場では課題が「わからない」も~「変わらない」と「悪化している」の差は「経営者の意識」の差の可能性
5.ストレス状況の把握方法は、300名超の企業で「ストレスチェックの結果」、300名以下の企業で「従業員本人の申告」
6.「改善している」企業が利用しているのは、「ストレスチェックの結果」「勤務状況の把握」「所属長からの報告」「健康診断」
7.メンタルヘルス対策で利用する情報源は「新聞・雑誌・書籍等」。 ~「特にない」も1割超
8.結果のまとめ
9.得られた示唆
村松容子(むらまつ ようこ)
ニッセイ基礎研究所 保険研究部 准主任研究員・ヘルスケアリサーチセンター兼任
藤原光汰(ふじわら こうた)
ニッセイ基礎研究所 経済研究部
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