【目次】
①ダブルエー IPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)【11/11更新】 ※一部有料会員限定
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント 【10/15更新】 ※有料会員限定
- 会社名
- 株式会社ダブルエー
- コード
- 7683
- 市場
- マザーズ
- 業種
- 小売業
- 売買単位
- 100株
- 代表者名
- 代表取締役 肖俊偉 /1972年生
- 会社住所
- 東京都渋谷区恵比寿1-20-18
- 設立年
- 2002年
- 社員数
- 267人(2019年08月31日現在)
- 事業内容
- 婦人靴の企画、販売
- URL
- https://www.wa-jp.com/
- 資本金
- 50,000,000円 (2019年9月27日現在)
- 上場時発行済み株数
- 4,700,000株
- 公開株数
- 900,000株
- 連結会社
- 2社
- スケジュール
- 仮条件決定:2019/10/10→4,490~4,690円に決定
- ブックビルディング期間:2019/10/15 - 10/21
- 公開価格決定:2019/10/23→4,690円に決定
- 申込期間:2019/10/24 - 10/29
- 上場日:2019/11/01→初値4,680円
- シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
- 主幹事証券:みずほ証券
- 引受証券:SMBC日興証券 (SMBC日興証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:いちよし証券
- 引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:東洋証券
- 引受証券:マネックス証券 (マネックス証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:岩井コスモ証券
- 大株主
- 肖俊偉 82.64%
- 趙陽 6.70%
- 丁蘊 4.93%
- PANG KWAN KIN 2.96%
- 中井康代 0.49%
- 劉成 0.30%
- 北岡慧太 0.20%
- 丹下祐二 0.15%
- 菅沼匠 佐川明生 (株)クツラボ 入江徳繁 0.10%
- 岩瀬絵美 坂本佳津江 水谷紀彦 茂木剛平 0.10%
- 業績動向(単位:1千円)
売上高 経常利益 当期利益 純資産 - 2017/01 単体実績
4,323,051 354,264 207,111 1,784,555 - 2018/01 連結実績
11,784,381 1,053,671 660,897 2,442,851 - 2019/01 連結実績
12,773,447 1,180,185 770,058 3,195,140 - 2019/07 連結実績
7,044,695 727,038 477,536 3,658,898 - ロックアップ情報
- 指定された株主は上場後90日目の2020年1月29日または上場後180日目の2020年4月28日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
- 調達額(公開株数×公開価格)
- 42億21万0000円(900,000株×4,690円)
- 潜在株数(ストックオプション)
- 58,800株
- ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
- ダブルエー<7683>は婦人靴の企画、販売を行う企業である。国内99店舗、海外31店舗に加えECサイトも運営している。
2002年に国内1号店を出店し、国内中心に多店舗展開した。その後、2013年に海外店舗として香港及び台湾に出店、2019年には中国にも出店を果たしている。
■事業内容詳細
同社は婦人靴の企画及び店舗での販売を手掛けている。婦人靴ブランド「Oriental TRaffic」、「WA Oriental TRaffic」、「NICAL」、「WA!KARU」の4ブランドを展開する。
また国内実店舗99店、国内ECサイト7店、海外実店舗31店、海外ECサイト3店を運営している。国内実店舗はルミネ、アトレなどの駅ビルやショッピングセンターへの出店により、安定的な集客と費用対効果の高い販売促進施策を目指し店舗展開を行っている。また国内実店舗99店のうち、駅ビル43店・ショッピングセンター35店の出店であり、約8割が駅ビル・ショッピングセンターへの出店である。
●企画から販売まで一貫したビジネスモデル
同社は婦人靴の企画開発、品質検査、商品販売まで一貫して手掛けるビジネスモデルである。
自社で企画開発を行うことで、消費者ニーズ、販売員のニーズ、国内外のファッショントレンドを早期に商品開発に活用することができる。
婦人靴の生産は、海外のパートナー工場などへ委託されるが、中国子会社とともに各パートナー工場の定期的な巡回及び指導により、品質維持に注力している。
そして最終的に品質が保証された商品を自社店舗で販売を行う。
また同社独自のサービスとして、各店舗においてヒール先端部分(トップリフト)の無料修理、下取り交換(不要になった同社の靴を店舗にて下取りしクーポンと交換)サービスを提供している。
■部門別売上高
2019年1月期の部門別の売上高は下記となっている。
2019年1月期 売上高128億円
・店舗販売 106億円
・EC販売 13億円
・他社コラボ販売 8.8億円
・その他 0.2億円
売上高のうち80%以上が店舗販売により計上されている。現状では、EC販売は売上高の約10%を占めるにとどまる。
■今後の成長
今後も国内及び海外の店舗展開を拡大させる計画である。今回のIPOによる調達資金は、主に国内出店費用に充当される。
またECサイトの成長にも注力する。ECサイトは現状の売上高が13億円規模で、同社の売上高に占める割合も約10%のため、今後の拡大余地は大きい。
■業績推移
2017年1月期 売上高43億円、経常利益3.5億円、当期純利益2.1億円
2018年1月期 売上高118億円、経常利益11億円、当期純利益6.6億円
2019年1月期 売上高128億円、経常利益12億円、当期純利益7.7億円
2020年1月期(予想) 売上高146億円、経常利益18億円、当期純利益12億円
※2018年1月期より連結決算
着実に業績を拡大させている。今期(2020年1月期)は売上高146億円を予想しており、売上高150億円目前の水準である。Q2時点で売上高70億円、経常利益7.3億円であり、通期予想達成に向け順調に進捗している。
■財務状況
2019年1月期末時点で、資産合計61億円に対し純資産合計32億円、自己資本比率52%となっている。
また借入金17億円に対し、現預金14億円及び建物等の有形固定資産10億円、棚卸資産は17億円である。尚、今期Q2(2019年7月期末)時点では、建物等の増加により有形固定資産は18億円にまで拡大した。
営業活動によるキャッシュ・フローは2018年1月期+4.7億円、2019年1月期+8.1億円とプラスを維持している。(2019年6月中間期も+7.5億円とプラスを維持)
■資金使途
IPOにより35億円の資金調達を行い、下記の使途を予定している。
・国内新規出店 19億円(設備投資14億円、人件費及び人材採用費5.4億円)
・物流設備 5億円(物流センターにおけるピッキング業務の自動化資金)
・システム開発 4億円(顧客管理システム、自社EC店舗のユーザビリティ向上等)
・商品開発 1.5億円
・宣伝広告 4.7億円
調達資金の半数以上が国内新規出店に充当される。
■株主状況
社長の肖俊偉氏が筆頭株主で株主シェア83%を有しており、安定的な株主構成である。尚、第3位株主の丁蘊氏は同社取締役であり肖社長の配偶者である。
個人中心の株主構成であり、金融機関やVCなどの株主参入はない。
■まとめ婦人靴4ブランドを展開し、婦人靴の企画開発から店舗販売までを行う企業のIPO案件である。
2002年の会社設立及び1号店出店後、急速に事業を拡大しIPOにまで至っている。現在では国内99店に加え、香港・台湾・中国の海外31店も展開する。
IPOにより資金調達を行い、国内中心に出店を加速させ、更なる成長を目指す計画である。
少子高齢化が進む国内市場での店舗展開は、いずれ成長の限界に達すると予想される。IPO後も成長を続けるために、国内店舗・海外店舗・ECサイトをどのようにバランスさせるか、という点が今後のポイントになると考えられる。