満室経営をするためには、物件購入後の管理や募集等の賃貸経営を効率化していくことも重要ですが、「どういった物件を購入するか?」もそれ以上に重要です。物件購入後の管理や募集をがんばっても、賃貸需要がないエリアで中長期的に賃貸経営を続けていくことは難易度が高いでしょう。また、周辺類似物件の家賃相場が9万円のエリアでは、家賃を12万円や13万円に上げるのは厳しいのが実情です。

したがって、賃貸需要があり、かつ家賃相場も現在の家賃から大きく下落する可能性が低い物件を購入することが安定的に満室経営をしていくうえで重要になってきます。しかし、賃貸需要や家賃相場の調査をせずに購入してしまう方も多い傾向です。そこで、今回はその賃貸需要および家賃相場の調査方法について解説していきます。

■賃貸需要の調査

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(写真=ユニバーサルトラスト編集部)

まず、賃貸需要の調査方法についてですが、皆さんが部屋を探すときによく見ている不動産情報サイトであるSUUMOやLIFULL HOME’Sで賃貸需要があるエリアかそうでないエリアか否かをある程度調査できます。

不動産情報サイトを活用してエリアの需要を調査
具体的な方法としては、物件を購入しようと考えているエリアにおいて購入物件と同じような物件の敷金、礼金を確認することです。一般的に敷金と礼金がともにゼロのエリアは、競合が激しい地域といえます。また、フリーレントを設定している物件が多くあるエリアは、フリーレントにしなければ空室が埋まらないことを暗に示しているので賃貸需要があまりないエリアの可能性が高いです。

加えて、物件購入を検討しているエリアで入居者募集を行った場合、賃貸仲介業者へ支払う広告費の相場を調査することも重要です。都心であれば広告費は家賃1ヵ月分が相場です。しかし、郊外や競合物件が多くあるエリアでは、広告費は家賃2~3ヵ月分が相場というエリアもあります。こういったエリアは、賃貸需要の割に競合物件が多く、購入後の入居者募集に苦戦するエリアの可能性が高いです。

購入を検討しているエリアにある管理会社にヒアリング
購入しようと考えている物件の近くに所在する賃貸管理会社に、自分が購入しようと考えている物件の条件を伝えることもよいでしょう。当該エリアで収益不動産の購入を考えているので「賃貸需要を聞かせてほしい」という流れでヒアリングをすれば、生の情報を聞くことができます。その場合、担当者によっては管理受託をしたいので本当は賃貸需要がなく厳しいのに、あえて楽観的に回答してくる方もいるので、複数社ヒアリングすることをおすすめします。

■家賃相場の調査

次に家賃相場の調査ですが、これもSUUMOやLIFULL HOME’Sなどの賃貸物件サイトで、ある程度の調査をすることが可能です。

将来の家賃相場は不動産情報サイトで似たような物件をチェック
同じエリアで、購入しようと思っている物件と似たような物件が掲載されているはずなので、まず現時点の家賃相場はそれで把握することができます。加えて、5年後や10年後の家賃相場を想定したいのであれば、築年数が5年、10年古い物件の募集家賃を調べることにより、将来の家賃下落の想定をすることができるでしょう。

今の家賃相場だけでなく将来の家賃相場もよく調べておこう
例えば、新築収益マンションの購入時は新築プレミアムがのっかっているため、想定家賃で入居者を入れることができることは多い傾向です。しかし、既存の入居者が退去して、二回転、三回転する中で家賃がどんどん下落していき、気がついたら当初家賃の10%以上下落していたということは少なくありません。一般的には、木造よりもRC造の方が家賃の下落幅が少ないと言われています。

また、購入時の利回りでは木造アパートの方が高くとも、中長期的に保有することを考えると家賃下落幅が少ないRC造の物件の方が結果的に手残りは大きくなる可能性が高いです。そのため、今の家賃相場だけでなく、将来の家賃相場も調査するようにしましょう。さらに、物件の構造以外にも「家賃相場が下がりやすい間取りか?」「広さなのか?」なども考慮して物件の調査をするようにしましょう。


今回紹介した調査は、そこまで手間になる作業ではないので物件購入前の調査方法の1つとして取り入れてみてください。(提供:ユニバーサルトラスト


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