11月27日、大手私鉄の東武鉄道 <9001> の株価が26年ぶりの高値となる4125円を記録した。昨年末からの上昇率は約39%である。その後は一進一退を繰り返しながらも、引き続き高値圏で推移している。背景には好業績や自社株買い、さらには池袋駅周辺エリアの再開発事業への期待等もあると見られている。
今年の私鉄株は東武鉄道のように歴史的高値を更新する銘柄が相次いだ1年でもあった。そこで今回は東武鉄道を中心とした私鉄株全般の動きも振り返ってみたい。
株価は1993年9月以来26年ぶり高値
10月31日、東武鉄道が発表した2020年3月期の中間決算(4〜9月)は売上が19.0%増の3349億円、本業の利益を示す営業利益は17.2%増の371億円を記録。従来予想を売上で15億円、営業利益で33億円上回る好決算となった。主力の鉄道事業が沿線人口の増加や川越エリアへの観光客の増加等により堅調だったほか、不動産事業や流通事業も業績に寄与する結果となった。
東武鉄道は今回の好決算を受けて、通期の売上予想を0.1%増の6679億円、営業利益を2.5%増の666億円にそれぞれ引き上げている。売上で6億円、営業利益で16億円の上方修正である。さらに同日は自社株買いも発表。東武鉄道は自社株買いについて、2019年11月から2020年2月までの期間に400万株、100億円を上限に実施することを明らかにしている。
好業績、通期見通しの上昇修正、自社株買いといった好材料を受けて翌11月1日の東武鉄道株は6.6%高の3865円を付け、11月27日には1993年9月以来26年ぶりの高値となる4125円を記録している。