給与所得者は原則として確定申告する必要はありません。しかし、医療費、保険料、寄付金などの控除を利用すれば税金の還付を受けられるケースも多くあります。少しでも有利に還付を受ける方法を確認しておきましょう。

給与所得者でも確定申告した方がよいケースとは?

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(画像=PIXTA)

給与所得者で会社の年末調整を受けた結果、源泉徴収税をある程度の金額徴収された方は、さまざまな所得控除の方法を利用することによって、確定申告で還付金を受け取ることができます。

源泉徴収税の金額が多い方は、還付される金額も多くなる可能性があります。逆に源泉徴収税がゼロだった方は申告しても還付金はありません。また、数百円程度の方は申告しても手間の方が高くつく場合があります。下記URLの「確定申告書等作成コーナー」を利用して、還付される金額を調べることができますので、あらかじめ入力して確認するのもよいでしょう。

https://www.keisan.nta.go.jp/kyoutu/ky/sm/top_web#bsctrl

次に、確定申告で所得から控除できる具体例を見てみましょう。

「医療費控除」は対象範囲が広い|こまめに領収書の保存を

医療費を控除できるのは、年間で10万円以上の支払いがあった方が対象になります。納税者本人だけでなく扶養家族のために支払った医療費も控除できるので、支払った領収書はこまめに保存しておくことが大事です。医療費控除の対象になるのは以下のような費用です。

・医師、歯科医師による治療費
・治療のためのマッサージ代
・助産師による分娩介助費
・特定保健指導、喀痰吸引、療養上の世話などの対価として支払う費用
・治療に必要な薬品代など
・通院にかかった交通費(電車やバスなどの公共交通手段)

逆に、美容に関する手術や、健康診断の費用、自家用車で通院した場合のガソリン代、駐車料金など控除の対象にならない費用もあります。医療費は広範囲にわたり、同じ費目でも対象になるケースとならないケースに分かれるものもありますので、申告の際は下記URLの国税庁サイトで確認するようにしましょう。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1122.htm

「雑損控除」とは何か?

雑損控除という言葉を聞いたことがあるでしょう。どのようなケースが雑損にあたるのでしょうか。

雑損控除とは、「災害または盗難若しくは横領によって、資産について損害を受けた場合等に受けることができる所得控除」(国税庁見解)です。ただし、控除の対象になるのは生活に必要な住宅、家具、衣類などで、事業用資産や別荘、書画、骨董、貴金属(1個または1組の価格が30万円以上のもの)などはあてはまりません。高額な贅沢品は対象外と考えてよいでしょう。

控除できる金額は以下のうち、大きい方が摘要されます。
・差引損失額-総所得金額等×10%
・差引損失額のうち災害関連支出の金額-5万円

ふるさと納税など「寄附金」も控除できる

近年ブームになっている「ふるさと納税」をはじめ、寄附金控除の対象になるのは「特定寄附金」と呼ばれるものです。国・地方公共団体への寄付や、教育または科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献等に寄与する、公益社団法人、公益財団法人、特別の法律で設立された法人等への寄附が対象になります。

寄付金控除金額の計算方法は、
・その年に支出した特定寄附金の額の合計額
・その年の総所得金額等の40%相当額
のいずれか低い金額-2,000円=寄附金控除額(国税庁見解)となります。

「生命保険料」は年末調整で忘れても確定申告で控除可能

もう一点、生命保険料については、毎年10月上旬以降(保険会社によって多少異なります)に生命保険会社から送付される「生命保険料控除証明書」を会社に提出すれば年末調整で処理されますが、忘れた場合でも確定申告で計上すれば控除の対象になります。

また、火災保険料はすでに控除制度が廃止されており、現在では地震保険料が控除の対象になっています。

給与所得者にとって確定申告は敷居が高く感じるかもしれませんが、今は申告書の作成が簡単になっており、提出も郵送でできます。給与所得者も確定申告を大いに利用して節税につなげましょう。(提供:Dear Reicious Online

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