内閣府が毎月発表している景気の「基調判断」には、「改善」「足踏み」「局面変化」「悪化」「下げ止まり」の5つの分類がありますが、どう決まっているのでしょうか。また基調判断はどう役立てられているのでしょうか。過去の基調判断も振り返りつつ解説します。

基調判断は5種類、一致指数の傾向などから判断

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内閣府は景気動向指数(CI)を毎月公表しています。ここ最近の基調判断は、2018年9〜12月が「足踏み」、2019年1〜2月が「下方への局面変化」、3〜4月が「悪化」、5〜7月が「下げ止まり」、8~9月が「悪化」と推移してきました。

この基調判断は一致指数の傾向や推移から判断されることは前述の通りですが、では具体的にどのように決められているのでしょうか。

基調判断には「改善」「足踏み」「局面変化」「下げ止まり」「悪化」の5つに分類され、一致指数の傾向や推移から機械的に判断されるという特徴があります。「改善」が最も景気が上向きであるとされ、「悪化」が最も下向きであるとされます。

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例えば2019年8月の基調判断である「悪化」の決定基準は 「原則として3ヵ月以上連続して、3ヵ月後方移動平均が下降した場合」とされており、定義としては「景気後退の可能性が高いことを示す」とされています。

一方で前月の「下げ止まり」の決定基準は「3ヵ月後方移動平均の符号が変化し、1ヵ月、2ヵ月、または3ヵ月の累積で1標準偏差分以上逆方向に振れた場合」とされています。定義としては「景気後退の動きが下げ止まっている可能性が高いことを示す」とされています。

また、最も景気が上向きであるとされる「改善」は「原則として3ヵ月以上連続して、3ヵ月後方移動平均が上昇した場合」が決定基準とされ、定義としては「景気拡張の可能性が高いことを示す」とされています。

ちなみに決定基準の中で「後方移動平均」という単語が登場しますが、これは月々の変動をならした数値のことです。

リーマンショック後やバブル崩壊後に続いた「悪化」

基調判断の基となる一致指数は2008年から2009年にかけ、日本経済にも大きな影響を与えたリーマンショックの影響で大きく低下し、その後は緩やかに回復し、2014年以降は微減微増を繰り返す横ばい傾向が続いています。

こうした一致指数の推移から、基調判断もリーマンショック後は「悪化」が続きました。ちなみに平成が始まった1989年1月は「改善」、1991年のバブル崩壊後以後は「悪化」の状態がしばらく続きました。

ちなみに基調判断の基となる一致指数は、国内の鉱工業生産指数や有効求人倍率などの国内指標を基に算出される性質があるため、日本政府が海外情勢なども加味して公式に発表する景気判断と基調判断には、ズレが生じる場合があることも覚えておきましょう。

企業の投資計画や国の経済施策にも影響を与える基調判断

基調判断の基となる一致指数は、景気の現状を示す指標です。そのため企業が業績の変動理由を探る際や個人投資家が景気の方向性を把握するときに、一致指数の推移を役立てます。基調判断が変わったタイミングで将来的な設備投資に関する方針を再検討する企業や投資計画を再考する個人投資家も少なくありません。

基調判断は国の経済施策にも影響を与えるため、毎月の発表にはぜひ注目しておきたいところです。(提供=auじぶん銀行)

執筆者:株式会社ZUU

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