「入るを量りて出ずるを為す」「一銭を笑うものは一銭に泣く」──。お金に関することわざはたくさんあります。長年にわたって言い伝えられてきたことわざから、現代社会でも通ずる教訓や教えを学んでいきましょう。
(1)「入るを量りて出ずるを為す」──収入をしっかり計算して、それに見合った支出を
儒教の四書五経の一つとして知られる『礼記』にある「入るを量りて出ずるを為す(いるをはかりていずるをなす)」は、家計の管理や法人のキャッシュフロー、そして国の予算編成においても、基本中の基本と言えることを教えてくれることわざです。具体的には「収入(入る)」の額をまずしっかり計算し、それに見合う「支出(出ずる)」を心掛けるというものです。
(2)「一銭を笑うものは一銭に泣く」──どんなにわずかなお金でも軽視してはいけない
たとえ少額でもそれを軽んじるようでは、いつかそのわずかなお金に困ることになる、ということを意味することわざ「一銭を笑うものは一銭に泣く(いっせんをわらうものはいっせんになく)」。どんなわずかなお金でも軽視してはいけない、という戒めとして古くから言い伝えられています。
同じ意味で、「一円を笑う者は一円に泣く」という言い方も。1円、5円、10円と言った少額でも、積もれば一定の金額になります。日々の出費においても無駄遣いは常に控えておきたいものです。
(3)「大費いより小費い」──注意すべきは高額の買い物より日々の細々とした買い物
日常で頻繁に行われるのは、高額よりも少額での出費です。「大費いより小費い」(おおづかいよりもこづかい)は、こうした少額の出費が積み重なり、結果的に出費の大半は小額の出費が占めているということを示唆していることわざです。
日々の細かな出費も積極的に節約を心掛ければ、結果としてまとまった金額が浮くことになります。大きな買い物をするときは収入とのバランスなどをしっかり考えることも多いと思いますが、小さな買い物でもこうしたことを意識するようにしましょう。
(4)「悪銭身に付かず」──反対は「正直の儲けは身に付く」
「悪銭身に付かず」(あくせんみにつかず)は、真っ当な労働によって稼いだお金ではなくギャンブルや盗みなどによって得たお金は、無駄な使い方をしてしまって結果としてすぐ手元からなくなってしまうという教えを伝えることわざです。
このことわざと反対の意味を示すのが「正直の儲けは身に付く」(しょうじきのもうけはみにつく)です。真面目に働いて得た収入であれば人は無駄遣いすることはなく、しっかり自分の手元に残っていくということを示しています。
(5)「辛抱する木に金がなる」──コツコツと努力することが財産につながる
「辛抱する木に金がなる」(しんぼうするきにかねがなる)は「石の上にも三年」(いしのうえにもさんねん)に似た意味を持つことわざです。毎日コツコツと何かを積み重ねていけば、いずれ財産を築いていけるようになるというものです。
そうした努力の結果、自分の能力も高まり、年収アップも期待できます。そして何より忍耐力を持ち丁寧な仕事を心掛けていけば、その本人に対する信頼も高まるでしょう。その信頼が新たな仕事や大きな仕事を引き寄せるなど、好循環を生むのではないでしょうか。
お金の使い方や貯め方に迷ったときには……
このほかにも、お金に関することわざはさまざまあります。たとえば、育つ環境がその人の習性に大きな影響を及ぼすという意味を示す「商人の子は算盤の音で目を覚ます」(あきんどのこはそろばんのおとでめをさます)や、お金を持っているときもあれば持っていないときもあるという意味の「金は天下の回りもの」(かねはてんかのまわりもの)など……。
お金の使い方や貯め方などに迷ったとき、こうした古くからの言い伝えが一つの指針になることがあります。悩んだときに思い出すことで、気持ちが落ち着いたり解決の糸口が見つかったり、背中をそっと押してくれるかもしれません。(提供=auじぶん銀行)
執筆者:株式会社ZUU
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