新しい年を迎え、「今年こそ資産運用をはじめよう!」「まずは投資信託にチャレンジ、どんな投資信託がいいのかな?」と思っている方に、お伝えしたい事があります。

はじめての投資で投資信託を購入する際は、一般的に次の4ステップを踏みます。

1投資用入出金や送金の為の「銀行口座」を設定する。
2購入したい銘柄を取り扱っている金融機関で「証券口座」を開設する。
3投資資金(投資元本金額)と購入手数料を用意する。
4売買条件・投資対象・運用経費等の説明書である「目論見書(もくろみしょ)」を確認する。

そしていよいよ購入したい銘柄を注文することになりますが、多くの方々は「この銘柄が一番売れていると聞いた。」「みんなもやっているから私もやってみようかな?」と、まず人気銘柄から入る方が多いのではないでしょうか…。 しかし、ちょっとお待ちください!!

10年先の生活を想定する

不動産投資
(画像=fizkes/Shutterstock)

投資を始める際はまず、自分の家族構成・収支・経済状況などが今後変遷していくことを前提に“自分の投資スタイル”を決めることをお勧めします。具体的に言うと以下のような10年後の自分を思い描いてみることです。

*会社員の方は、転勤や単身赴任などで住まいが変わっているかもしれません。
*独身の方も、結婚後は家計の収支が大きく変化していると思われます。
*住宅を購入した方は、住宅ローンとリフォーム代が長期出費となるはずです。
*お子さんがいる方は子どもの成長と供に教育費が人数分必要になります。
*自営の方は公的年金の受給金額が少ない分、老後の生活資金も準備していかなければなりません。

年齢や環境によって資金需要タイミングは人それぞれですから、
「10年間の運用を継続する為には、どんな手法で投資していったらいいのか?」
「意に反して、途中で解約せざるを得ないことになりはしないか?」
を、あらかじめ考えてみてください。
例えば、以下のような方針を立ててから銘柄選びをすれば、こんなはずじゃなかったと、後で後悔することは避けられます。

①毎月の収入が不安、ボーナス時のみの資金を投入していきたい。
②とりあえず余剰資金で運用してみて、追加で購入するつもり。
③毎月一定額の自動引き落としで、運用しながら投資元本を積み上げていきたい。
④投資手続きや情報入手などは、なるべくインターネットで完結したい。
⑤全国どこへ移住しても解約することなく、取り崩しながら生活していきたい。
⑥毎年確定申告するので、投資利益は源泉徴収課税じゃない方がいい。
⑦非課税制度は、できるかぎりめいっぱい利用して節税したい。 
⑨分配金はあてにしないので、再投資型で資産を膨らませたい。
⑩なるべく為替の影響を受けない投資信託を選びたい。
等々…。

10年内の必要資金をあらかじめ手当てしてから、“自分の投資スタイル”を想定した上で、自分の投資スタイルにあう銘柄を選ぶのです。

日本で公募されている投資信託は現在約6,000本もありますから、いきなり「どれがいいでしょうか?」と販売先に相談する前に、ある程度自分で投資スタイルを決めてから選んだ方がスムーズです。もちろん思ったとおりにいかないのが人生ですから、10年後の自分は、想定とは違ったものになっていることでしょう。しかし、職業、健康、法律、税金はいずれ変わるものと割り切って、

「こうなったら、こうしよう~!」
「10年後には見直して、方針変更しよう~!」

などと、10年後の対応を想定しておけば慌てることもありません。せっかく積み上げてきた運用を振り出しに戻すこともないのです。資産形成には、じっくりと育てる“時間”が大切であると同時に、継続するための目標と計画性も、とても重要なのです。

“継続は力なり”と言われますが、投資もしかりです。
なんとなくの不安売りをしない為、後で後悔しない為にも、ぜひ周囲に流されない“自分だけのポリシーある投資”を心掛けていただきたいと思います。(提供=auアセットマネジメント