資産運用の重要性を認識していても、銀行の定期預金で得られる金利は高くても0.1%程度、個人向け国債変動・10年の場合は基準金利×0.66%(2019年12月現在)です。元本割れしないという安心感はあるものの低金利ではいくら資産運用しても元金はなかなか増えていきません。そこで本記事では3%や5%といった利回りが期待できる米国のETFによる運用方法について解説します。

なぜ米国ETFなのか

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(画像=Monster Ztudio/Shutterstock.com)

ETFとは、Exchange Traded Fundsの略で証券取引所に上場している投資信託のことです。投資信託の中でも市場の指数に連動するように運用されているのが特徴で、例えば日本株であれば日経平均株価やTOPIXと連動するETFがあります。今回紹介するのは、米国の証券取引所に上場されているETFです。日本ではなく米国のETFを選択する理由は主に以下の3つです。

・株主の発言力が強く、全体的に配当性向が高い
・好調な米国経済だけに株価、配当ともに魅力的である
・他の先進国よりも株式市場に成長力がある

近年では日本国内でも「モノ言う株主」の存在が注目されることが多くなりました。しかし米国では株主の発言力が元から強く企業の利益は株主に還元するべきという考え方が浸透しています。そのため配当性向が高く実質的に複数の株を保有しているETFの保有者にとってのメリットも大きいといえるでしょう。

米国経済が長らく好調を維持しており、その成長力が維持されていることも米国ETFの大きな魅力です。株価の上昇トレンドは盤石で2019年11月27日にはNYダウが3日連続で最高値を更新するほどの勢いで他の先進国と比べても米国株価の好調ぶりは突出しています。株主に対する配当性向が高いうえに業績好調の企業が多い傾向です。

そのため日本国内よりも高い利回りが見込めるのは不思議なことではありません。ここでは注目の米国ETFを3つ紹介します。

【キャピタル+インカム】分配金利回り約3%のETF「バンガード・米国高配当株式ETF(VYM)」

米国株式の中でも配当が高い銘柄だけをピックアップした「FTSE ハイディビデンド・イールド・インデックス」という指数があります。このVYMは同指数と連動するように運用されており、2019年12月6日時点で約3%の分配金利回りです。同時に指数へ組み込まれている銘柄群の株価上昇も狙えるため、キャピタルゲインとインカムゲインの両方に期待できます。

【キャピタル重視】米国株全体の成長力に投資するETF「S&P500連動型」

S&P500は、米国株の主要500銘柄の株価から算出される指数です。有名な指数なのでS&P500と連動するETFは米国市場だけでなく日本の株式市場にも「上場インデックスファンド米国株式(S&P500)〈1547〉」上場されています。そのため米国株を購入できる口座がない人であっても日本株を購入するのと同じ感覚で売買が可能です。

S&P500は組み込み銘柄数が多いため分散性が高く「リスクを分散しながら米国株全体に投資する」という投資効果が得られます。米国経済の成長とともにS&P500も上昇を続けてきているため、今後のさらなる株価上昇によってキャピタルゲインも期待できるでしょう。

【インカム重視】分配金利回り約5%のETF「iシェアーズ 優先株式 & インカム証券 ETF(PFF)」

優先株式というのは、一般的に議決権など経営参画への権利が制限されている代わりに配当金が高く金銭的な還元が重視されている株のことです。このPFFというETFは配当の高い優先株をピックアップした「米ドル建て優先株式・ハイブリッド証券」を対象とした指数と連動するように運用されているため、配当の高さが分配金に反映されているのが最大の魅力です。

分配金は毎月月初に支払われ2019年12月6日時点で約5.6%の分配金利回りとなっています。ETF自体の値下がりするリスクはもちろんありますが、長期保有でインカムゲインを重視する投資家にとっては大きなメリットです。

米国ETFに投資する方法

米国ETFは、証券会社が提供している外国株取引口座から売買が可能です。またS&P500連動型のように日本国内で運用されている海外ETFもあるので、その場合は国内株式の売買ができる口座があればいつでも取引できます。資産運用に興味がある人はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。(提供:Incomepress


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