40代で転職を考えると、不安を感じる人も多いかもしれない。不安は原因を知り、具体的な解決法を実行することで解決に向かう。今回は40代が転職で感じる不安とその原因、解決策について解説しよう。

40代が転職で最も不安に感じることは「年齢」

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(画像=fizkes/Shutterstock.com)

エン・ジャパンの調査では40代の9割が転職の際、最も不安に感じることとして以下のような項目を挙げている。(※エン・ジャパン「転職希望者のホンネ調査 2015」より)

<40代が転職活動について不安に感じる点>(※複数回答可)

項目 不安に感じると答えた人の割合
自身の年齢 91%
自身の経験やスキルが評価されるか 48%
転職回数の多さ 38%
転職先の企業に馴染めるか 28%
希望する仕事内容での求人の有無 27%
貯金など金銭面 25%
希望する勤務地での求人の有無 24%
転職による年収ダウン 23%

※エン・ジャパンの公式サイトを元に筆者作成

40代の9割が転職について不安に感じることで「自身の年齢」を挙げた。他にも新たな環境で自分の能力やスキルが評価されるかどうかや、転職回数の多さについて不安に思う人が多いようだ。会社員として一定の経験を積んできたからこそ感じられる不安でもあるだろう。

40代が転職に対して感じる3つの不安の原因 求人の数、人間関係、転職回数

では40代が転職において上記のような項目で不安を感じてしまう原因はどこにあるのだろうか。ここでは40代が転職について不安に思う原因を取り上げ、その実態について詳しく見ていこう。

(1)40代になると求人が少ない?

「自身の年齢」や「希望する仕事内容で働けるか」といった不安の原因は、40代向けの求人が少ないという思い込みによるものだ。一般的に40代の求人は20代や30代と比較すると少ないと言われ、そのイメージだけで不安になることも少なくない。そのため、まずは40代における求人の現状を掴むことが必要だ。

エン・ジャパンが転職コンサルタントに実施したアンケートでは、85%が「35歳以上の求人は今後増えるだろう」と回答している。理由は、若手人材の不足により、対象求人年齢を広げなければならないからだ。(※エン・ジャパン「2018年の転職市場予測「ミドル人材の求人動向」について)より)

同アンケートでは、70%のコンサルタントが「40代前半」が最も求人募集が増加すると見込まれる「年齢層」だと答えている。この結果から考えると、40代の転職市場は近年拡大傾向にあるといえるだろう。他の年代と比較すると求人数は少ないかもしれないが、チャンスは以前よりも増えていると考えられる。

(2)40代になると新たな人間関係になじめない?

「転職先の企業になじめるか」を不安に感じる人は、これまであまり転職経験を積んでいない人だろう。長年働いてきた職場の人間関係から離れ、全く新たな場所で一から同僚と信頼関係を築くことに煩わしさを感じるのかもしれない。

また、それほど経験のない職種に転職する場合、自分より若い上司や同僚と仕事をする可能性もある。彼らに指示を仰ぐことに抵抗を感じることもあるだろう。

40代が転職先で円滑な人間関係を築きたいならば、謙虚さや他の人に学ぼうとする姿勢を大切にしたい。以前の職場でのやり方に固執していると、周囲からも新たな職場になじむ気がないと判断されてしまう可能性もある。

(3)40代の転職では転職回数が多すぎると不利になる?

「転職回数の多さ」を不安に感じる人は、40代になり転職回数が増えるほど、転職の際に不利になるイメージを持っていると考えられる。

実は採用担当者が気にする転職回数は「3回」からが最も多い。リクナビの調査によれば40%の採用担当者が「転職回数は3回から気にする」と回答している。(※楽天リサーチによる2017年「リクナビNEXT 採用実態調査」より)

一方、同調査で、採用担当者が採用した求職者の中で最も多かった転職回数は以下の結果となった。

<採用担当者が採用した中で一番多かった転職回数>

転職回数 割合
1回 3%
2回 6%
3回 28%
4回 22%
5回 22%
6回 7%
7~9回 6%
10回以上 6%

※リクナビ公式サイトを元に筆者作成

この結果から、採用担当者は求職者が3回以上転職している場合、採用の際に転職回数を考慮するようだが、5回程度の転職であれば実際はほとんど影響がないと考えられる。

40代になると転職回数が5回以上になる人もいるかもしれないが、転職時に重要なことは回数ではなく転職の理由を的確に伝えることだ。それぞれの転職において、前向きな理由があることや一貫性があることを伝えることで、転職回数で不利になることは避けられるだろう。

40代の転職への不安を解消する3つの方法 エージェントをうまく利用しよう

では具体的にどのような行動をとることで、40代の転職における不安は解消されるのだろうか。ここでは具体的に3つの対策方法を紹介しよう。

(1)40代以上の求人に特化したサイトやエージェントを利用する

求人が少ないイメージを払拭するためにも、まずは40代以上の求人に特化したサイトで求人を探してみよう。そうすることで、自分が希望する企業の数を可視化できる。自分の希望条件に合った転職先が意外と多ければ、転職のハードルが下がるかもしれない。

また40代に特化した転職エージェントを使うのも効果的だ。転職エージェントは求職者の市場価値などのアドバイスや希望条件に合った非公開求人の紹介をしてくれる場合もある。エージェントは会社によって特色が異なるため、よく比較してから申し込むようにしたい。

(2)面接以外で企業の雰囲気を事前に知る機会を設ける

転職先の企業になじめるかという不安を解決するためには、いかに転職前に企業の実態を知ることができるかが重要になってくる。企業によっては、事前に面接以外で企業の雰囲気を知る機会を設けてくれるケースがある。面接前に企業の雰囲気を掴みたい旨を転職エージェントへ相談するのも一つの手だ。

近年では、FacebookやTwitterなどのSNSや採用オウンドサイトを立ち上げている企業も多い。実際に勤務する従業員のインタビューや職場の雰囲気を伝える記事を掲載していることもあるため、参考にしてみよう。

(3)面接での回答に迷ったら友人や家族、転職エージェントに相談する

自分だけで転職活動をしていると視野が狭くなり不安が解決できないこともあるだろう。特に面接で自分の経歴や転職の回数などについてどのように受け答えするかで悩む人も多いかもしれない。

そのような場合は信頼できる友人や家族に相談してみるのも一つの手だ。自分の経歴について客観的な意見がもらえ、不安が解消されることもある。さらに専門的な意見や面接での回答テクニックなどを知りたい場合は、転職のプロである転職エージェントにアドバイスをもらうことも検討してほしい。

40代で転職する際におすすめの転職エージェント3選

40代の転職で感じる不安を解決するために、転職エージェントを活用することは必須と言える。ここでは、40代で転職する際におすすめの転職エージェントを3社紹介しよう。

(1)JAC Recruitment ……ミドル世代の転職が得意

JAC Recruitmentは、ミドル世代の転職を得意とする転職エージェントだ。大手・優良企業への紹介実績が多く、さらには外資系やグローバル系の企業における求人数も豊富なため、利用者が増え続けており満足度も高い。

(2)ビズリーチ……高年収のスカウト案件の紹介件数が多い

ビズリーチは、高年収のスカウト案件の紹介件数が多い転職エージェントだ。スカウトの傾向から自分の市場価値を測ることができる。特に、キャリアアップや新たなチャレンジを目指したハイキャリア向けにはおすすめだ。また登録しておくだけでもヘッドハンティングされる可能性があるため、利用して損はない転職エージェントと言える。

(3)CAREERCARVER……ハイクラス転職に特化

CAREERCARVERは、求人業界の最大手であるリクルートグループ傘下の転職エージェントで、年収800万~2000万円のハイクラス転職を得意としている。CAREERCARVERもヘッドハンティング形式を採用しており、企業からスカウトメールが届く。

40代が抱える転職に対する不安は原因を知り解決法を実行しよう

440代が抱える転職の不安は、まずは原因を理解して具体的な解決法を実行しながら解決する事が重要である。もし一人で解決できない悩みがある場合は、友人や家族に相談するだけでなく、転職エージェントの利用を検討してみてはいかがだろうか。

文・小塚信夫(ビジネスライター)/MONEY TIMES

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