(本記事は、西井 敏恭氏の著書『サブスクリプションで売上の壁を超える方法』翔泳社の中から一部を抜粋・編集しています)

サブスクリプション
(画像=PIXTA)

会員数の考え方

「新規会員」「継続会員」「解約会員」に分ける

サブスクリプションのKPIの1つ目である会員数は、「新規会員」「継続会員」「解約会員」の3つに分けて考えます。

新規会員は、新しくサブスクリプションの有料会員になった人です。継続会員は中堅会員とベテラン会員からなる有料会員です。それぞれどのくらいの期間継続していたら中堅とするか、ベテランとするかは事業の特徴によって異なります。解約会員は、途中でサブスクリプションの有料会員をやめてしまった人です。

したがって、サブスクリプションの会員数は、新規会員+継続会員-解約会員で計算できます。

サブスクリプションで売上の壁を超える方法
(画像=サブスクリプションで売上の壁を超える方法)

サブスクリプションでは、新規会員と解約会員の要素を検討していくことがとくに大切なので、これらに絞って見ていきます。

新規会員を考える3つの要素

新規会員を考える要素として、「訪問数」「コンバージョンレート(CVR)」「転換率」の3つがあります。

訪問数はサービスのサイトを訪問したユーザーの総数です。CVRは訪問数に対してサービスの顧客となった人の割合です。転換率は顧客のうち実際にサブスクリプションに申し込み、定期購入するようになった人(サブスク会員)の割合です。

サブスクリプションで売上の壁を超える方法
(画像=サブスクリプションで売上の壁を超える方法)

これらから、新規会員は訪問数×CVR×転換率で計算します

サブスクリプションで売上の壁を超える方法
(画像=サブスクリプションで売上の壁を超える方法)

新規会員を増やしたいときは、流入チャネル、ランディングページ(LP)、コミュニケーションの3つの改善を行います。

流入チャネルとは、どのサイトから自社のサイトへアクセスしたのかを表す顧客の流入経路のことです。

LPとは、顧客が最初にアクセスするページのことを指しますが、マーケティングの打ち手の話でいうと、広告やリンクをクリックして最初に表示される、顧客獲得を目的としたページのことを指すことが多いです。本書でも、後者の意味でお話しします。

コミュニケーションとは顧客との関わり方ですが、ここでは広告の打ち手のことを意味しています。

これらを改善し、CVRやサブスク会員への転換率が上がったかどうかを見ます。見落としがちなのが、LPの申込みフォームです。LPへ流入しているのにCVRが低い場合は、「フォームが入力しづらい」「入力情報が多い」といった課題があるかもしれません。ぜひ、優先的に改善をしてください。

ネットフリックス
(画像=Getty Images)

解約会員は「新規」「中堅」「ベテラン」に分ける

次に解約会員を考える要素として、サービスの契約期間ごとに分けた「新規解約」「中堅解約」「ベテラン解約」の3つがあります。

サブスクリプションで売上の壁を超える方法
(画像=サブスクリプションで売上の壁を超える方法)

たとえば、毎日のように使うサービスであれば、新規解約は契約から3か月まで、中堅解約は3か月から半年まで、ベテラン解約は半年を過ぎてから解約した人と考えることができます。継続利用を前提とするサブスクリプションでは、この契約期間で解約会員を分けるのがポイントです。

初期で解約した人はサービスに定着しないままやめたと考えられますし、ベテランは定着したけれど何らかの理由でやめたことがわかります。

サービスを長く使う=会員にサービスが定着する(慣れる)期間はサービスによって異なるため、自社のサービスでは定着にどのくらいの期間が必要かを検討したうえで、新規、中堅、ベテランを分けます。

サービスを走らせている中で適切な分け方が見えてくると思います。なお、サービスが定着しているとは、顧客が十分にサービスの機能を使い、成功を体験している状態のことです。

1つの考え方として、はじめに解約率が上がるタイミングが、サービスの定着を判断する指標となります。解約率はある期間における、対象とする会員層の解約数をその会員数で割れば計算できます。

サブスクリプションで売上の壁を超える方法
(画像=サブスクリプションで売上の壁を超える方法)

はじめに解約率が上がる時点までの会員を新規と定義し、新規解約が多いならば、サービスの定着を促す打ち手を実行すればよいのです。

対して、中堅やベテランの解約はサービスに慣れているため、新規とは異なる理由で解約したと考えることができます。

このように、会員がどのくらいの間契約していたかで、解約の理由が異なります。すると打ち手は、単に「継続利用を促すために、クーポンを発行する」ではないことがわかりますよね。解約を契約期間で分けると、より効果的な打ち手を考えやすくなります。

サブスクリプションで売上の壁を超える方法
西井 敏恭
1975年5月福井県生まれ。WEBの面白さに惹かれて2003年頃からEC企業にてマーケティングに取り組む傍ら、旅行を続けて訪問した国は140か国以上。世界一周したデジタルマーケティングのプロとして、ad:techをはじめ全国での講演、メディア掲載なども多数。
株式会社シンクロでは代表として、主に大手企業のデジタルマーケティングや、スタートアップ企業のサブスクリプションなどをサポート。マーケティングの教育事業「Co-Learning(コラーニング)」なども展開。オイシックス・ラ・大地では執行役員としてサブスクリプションモデルのEC戦略を担当。2019年より、ロボットベンチャーGROOVE X株式会社のCMOも兼務。主な著書に『デジタルマーケティングで売上の壁を超える方法』(翔泳社)がある。

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