(本記事は、西井 敏恭氏の著書『サブスクリプションで売上の壁を超える方法』翔泳社の中から一部を抜粋・編集しています)
解約会員は「新規」「中堅」「ベテラン」に分ける
次に解約会員を考える要素として、サービスの契約期間ごとに分けた「新規解約」「中堅解約」「ベテラン解約」の3つがあります。
たとえば、毎日のように使うサービスであれば、新規解約は契約から3か月まで、中堅解約は3か月から半年まで、ベテラン解約は半年を過ぎてから解約した人と考えることができます。継続利用を前提とするサブスクリプションでは、この契約期間で解約会員を分けるのがポイントです。
初期で解約した人はサービスに定着しないままやめたと考えられますし、ベテランは定着したけれど何らかの理由でやめたことがわかります。
サービスを長く使う=会員にサービスが定着する(慣れる)期間はサービスによって異なるため、自社のサービスでは定着にどのくらいの期間が必要かを検討したうえで、新規、中堅、ベテランを分けます。
サービスを走らせている中で適切な分け方が見えてくると思います。なお、サービスが定着しているとは、顧客が十分にサービスの機能を使い、成功を体験している状態のことです。
1つの考え方として、はじめに解約率が上がるタイミングが、サービスの定着を判断する指標となります。解約率はある期間における、対象とする会員層の解約数をその会員数で割れば計算できます。
はじめに解約率が上がる時点までの会員を新規と定義し、新規解約が多いならば、サービスの定着を促す打ち手を実行すればよいのです。
対して、中堅やベテランの解約はサービスに慣れているため、新規とは異なる理由で解約したと考えることができます。
このように、会員がどのくらいの間契約していたかで、解約の理由が異なります。すると打ち手は、単に「継続利用を促すために、クーポンを発行する」ではないことがわかりますよね。解約を契約期間で分けると、より効果的な打ち手を考えやすくなります。
※画像をクリックするとAmazonに飛びます