(本記事は、船ヶ山 哲の著書『まだ間に合う! 定年までに複数収入をつくる「お金革命」』きずな出版の中から一部を抜粋・編集しています)
時間の自由と10倍の収入を得た、女性エステサロン経営者
ここまで言ってもまだ「お金を得るためには、時間をかけなければいけない」「労働しなければ悪」と思い込んでいる人がいると思うので、もうひとつ事例をお伝えします。
これは〝時間が生み出す対価〞と〝価値が生み出す対価〞の違いについて比較しながら見られる良い事例です。
その女性Aさんは、自宅でエステサロンを10年間経営し、「時間を対価に変える」ことで報酬を得ていました。
当然、その間は休みなく働き、大好きな海外旅行に行くこともできませんでした。
そんなとき、私と出会いました。
「私、自由が欲しいんです。
エステが大好きでここまでやってきましたが、この10年、大好きな海外旅行に一度も行くことができず、このまま年を取っていくことに不安を感じています。
いまはまだ年齢的にも身体は動きますが、この先10年を考えたら、いまのままのスタイルでエステを続けていていいのかわかりません。
ただ、休みを取ると収入が止まるので、それも怖くて......。
どうしたらいいでしょうか?」
このような悲痛な叫びを胸に押し込め、この10年誰にも相談することができずにがんばってきたと言います。
そこで出した私の答えは、こうです。
「収入を止めずに、むしろ収入を上げながら、自由を得ていただくことは可能です。
ただ、いまのままでは無理です。これはご自身が一番よくわかっているとは思います。
いまの収入を2倍にするからといって、2倍働くことができますか?
おそらくできないと思います。だとしたら、いまの自分の時間を対価に変えるのではなく、別のかたちで価値を生み出し、時間に左右されない働き方に変えることです。
たとえば、いまのエステの技術を教えて対価に変えるとか、チームを編成し、自分は常連客のみ担当して、新規客は教え子に任せるとか、方法はいろいろあります。
いまのスタイルを変えることで、自由を得ながら収入を増やすことはできます。そういった方法に興味はありますか?」
施術者としてではなく、スクールの運営側に回った
結果、Aさんはすぐに、自分のエステ技術を教えるスクールを立ち上げ、収入を一気に3倍に上げることができ、念願の海外旅行にも年に2回は行けるようになりました。
さらにいまでは、教え子に新規客を任せ、新規店舗を次々とオープンさせています。
当然収入も倍々ゲームで増え続け、当時の収入の10倍以上を稼ぎ、新車を購入したり、駐車場が4台もある3階建ての新築を購入するなどして、プライベートもかなり充実されています。
このように、時間を対価にする働き方から、価値を対価に変える働き方に変えることで、収入を一気に伸ばすこともできますし、自由を得ることもできます。
ちなみにAさんは自由な時間ができたことで、ご自身の書籍を出版し、作家としても活躍するようになりました。
Point |
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「人に教える」という価値の提供の仕方をしよう |
定年後は、自宅でできるビジネスモデルを採用しろ
人間、誰しも寿命を迎えます。死ぬ間際までピンピンしているとは限りません。
施設に入り寝たきり生活を余儀なくされることもあれば、寝たきりにならずとも病院に通い続けるだけの生活を送るかもしれません。重い身体を引っさげ、ヨチヨチ歩き、ようやく病院に到着すれば、長時間硬い椅子で待たされる。そんな生活では、何のために長生きしているのかわかりません。
人生100年時代といわれる現代、我々は寿命を延ばすことはできても、不老不死になることはできません。
当然、そうなれば、老後の働き方もいまから考えておかなければいけません。
なぜなら若いときと違い、肉体は衰え、反射神経も鈍るからです。
一生、肉体を使う仕事や足を使う営業などは、長く続けることはできません。
定年後、無理すれば70歳まで続けることはできても、さすがに80歳、90歳、100歳となれば、精神的にも肉体的にも滅入ります。
これでは年金頼りとなり、不安定な生活に怯えなくてはいけません。
最近では「老後破産」などという言葉もあるほどで、年間200万人が平均的生活もできずに苦しんでいます。
そんな状況の中、寿命だけが延びているのです。これでは、長生きすればするほど家族に迷惑をかけるだけです。
それを避けるためにも、定年後は新たな働き方を選択し、若いときと同じような働き方は選ばないことです。
そのひとつの指標となるのが、「自宅でできるビジネス」です。
自宅でできるビジネスを選択することは、いくつものメリットがあります。
自宅ビジネスの3つのメリット
まずひとつは、お金の面です。
定年後、家賃何十万円とする事務所を借りれば、支払うだけでもひと苦労。
仮に売上が出なければ、経費を持ち出すことになります。持ち出しで赤字を食らうぐらいなら、やらないほうがマシです。
次に通勤時間です。
この時間は、誰も給与を負担してくれません。
サラリーマンのときには気に留めている人は少ないかもしれませんが、自分でビジネスをする場合、毎日積み上がっていくこの数時間は、大きな損失を生み出します。
1日2時間の往復であっても、1年経てば730時間となり、10年経てば304日分も、通勤に時間を奪われてしまうことになります。これを金額に換算した場合、軽く見積もって、年収分のお金を失うことになるのです。
次のメリットは、余計な人に会わなくて済むことです。
稼ぎたければ、極力、人に会わないことです。
ビジネスをする上で、もっとも大切なことは「利益」を残すこと。売上を上げても赤字であれば、意味がありません。
「付き合い」と称して飲みに行ったり接待をすることが仕事と誤解している人がいますが、それは昭和の話であって、いまの時代、人情で仕事を取れるほどあまくはありません。
それはスキルのない無能な人がする行為であって、賢いあなたはやってはいけません。
そんなことをしていたら、売上をつくる前に資金ショートするだけです。
Point |
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足を使うようなビジネスは、いまのうちにやめておく |