「原価人材」から脱して「事業利益連動型報酬人材」を目指せ

出世の科学,井上和幸
(画像=THE21オンライン)

令和も2年目、そしていよいよ2020年代に突入しようとしている。働き方改革からロボティクスの導入まで、職場環境の大きな変化を肌で感じている人も多いだろう。「AIに仕事を奪われる」と言われる10年の始まりでもある2020年。これから10年、生き残るには? そして、出世に取り残されないためには? 幹部人材の紹介事業などを展開している〔株〕経営者JPの社長・井上和幸氏に聞いた。

「原価人材」には苦難の道が待っている

人材のタイプは、企業・組織構造から見て、大きく次の4つに分類されます。

1.「原価人材」
2.「販売管理費人材」
3.「投資科目人材」
4.「事業利益連動型報酬人材」

PL(損益計算書)を理解している方は、その構成をイメージしていただくと理解しやすいと思います。

それぞれについて見てみましょう。

まず、「原価人材」。これは「言われた作業をする人」を指します。PLの原価欄に該当する仕事をしている人ですね。

原価人材は「スキル・経験を磨くことで時間給が上がる」という働き方をしています。「作業に習熟したことで他の人より早く作業できるようになる」「ノウハウを得た分、作業の質が高まる」などです。

ところが、せっかく頑張っても、その仕事が永遠にあるという約束はまったくありません。そこに原価人材の悩みがあります。

社内で行っていた業務が外注されてしまうこともあります。昨今、よく起こっているのは、これまで人手で行っていた作業がRPAなどで機械化、自動化されてしまうことです。

そもそも、原価人材である限り、コストとしての仕事をしているので、どこまでいっても「安いほうがよい」という企業の理論から抜け出すことはできません。そこから脱するには「販売管理費人材」になる必要があります。