富裕層のためのプライベートバンク(PB)は資産に関する課題解決のプロフェッショナルであると言えます。資産の継承や節税対策、充実したコンシェルジュサービスのほか、顧客の本業に対するサポートや子や孫への教育に対するアドバイスも行ってくれます。

■プライベートバンクの歴史と国内での展開

プライベートバンカー
(画像=SFIO CRACHO/Shutterstock.com)

プライベートバンクは「金融立国」とも呼ばれるスイスが発祥の地として知られています。その後、欧米で富裕層を顧客として広がり、資産に関する相談をワンストップで引き受けてくれる、資産家や実業家の強い味方として支持されてきました。

現在、日本においては金融機関としてのプライベートバンクだけではなく、金融機関の一部門がプライベートバンクとしてのサービスを顧客に提供する形態が一般的です。取引のあるメガバンクや信託銀行、地方銀行、証券会社などでも、一定の資産要件や年収条件などを満たすことでこうしたサービスを利用することができます。

日本では公益社団法人「日本証券アナリスト協会」(SAAJ)が「プライベートバンカー資格」試験の実施や体系的にPBの知識について学ぶ研修プログラムの提供などに取り組んでおり、こうした資格を保有する人も各金融機関のプライベート部門などで活躍しています。

■プライベートバンクの提供するサービス

日本の金融機関におけるプライベートバンク部門が提供してくれるサービスは、銀行や証券会社によって異なりますが、大きく分けると「資産運用」「資産承継」「資産管理」「融資」「本業支援」などに分類されます。

金融機関の一般部門でも同様のサービスは顧客に対して提供されていますが、一般部門におけるサービスが「アドバイス」レベルだとすれば、プライベートバンクの場合は顧客に対して「コンサルティング」「コンシェルジュ」レベルのコミットメントがあると考えるとわかりやすいでしょう。

一般部門よりも部門の担当者が一歩踏み込んで、富裕層の資産や本業に関する悩みに本気で向き合ってくれるというわけです。

■資産運用、承継、本業支援……、より踏み込んだサービス内容

プライベートバンク部門が提供するサービスについてもう少し詳しく説明していきましょう。

資産運用に関しては、預金や保険、投資信託、不動産投資などに関する知識を横断的に顧客に提供し、リスク許容度や顧客ニーズを踏まえたポートフォリオを提案してくれるのが一般的です。資産の承継では、日本における事業承継の制度の説明や相続対策の提案のほか、遺言書の作成や保管についても相談ができます。

本業支援に関するサービスはまさにプライベートバンクを利用する魅力の1つでしょう。顧客が経営する企業のIPO(新規株式公開)実現に向けたサポートのほか、有望企業の買収や自社事業の一部売却などのM&Aに関しては、相談からマッチングなどのサポートまで対応します。顧客の本業とともに、顧客の子供や孫などの教育に関する相談もすることが可能です。

また「ブラックカード」と言えば富裕層を象徴するステータスの1つですが、プライベートバンク部門の顧客であれば、各金融機関が発行するブラックカードを持ちやすいことも特徴として挙げられます。

■プライベートバンクに相談してみよう

近年はプライベートバンクを名乗った金融詐欺なども発生していますので、注意が必要です。被害に遭うことを防ぐためにも、こうしたサービスを利用する際には大手金融機関などを訪問し、担当者の話を聞いた上で進めるのがよいでしょう。

1ランクも2ランクも上質な、顧客に寄り添ったサービスを提供してくれるプライベートバンク。利用可能な資産要件はあまり公開されていませんが1億円程度が一般的です。資産運用などにお困りの方は一度相談に訪れてみてはいかがでしょうか。(提供:JPRIME


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