2020年2月時点で自己居住用の住宅ローンは1%を切っている金利も珍しくありません。一方不動産投資用のローンは、自己居住用のローンに比べて3%前後といったやや高めの金利が設定されてきましたが、現在では住宅ローンに近い金利で利用できるものもあるようです。

本記事では「ローン金利が低下するとどのぐらいキャッシュフローが変化するのか」についてシミュレーションしてみます。また返済期間を短縮することのメリットについても確認していきましょう。

優良な物件に対しては低金利で積極融資も

金利低下,不動産投資
(画像=smolaw/Shutterstock.com)

かつては3~4%前後が一般的だった不動産投資用ローンの金利もジワジワと低下し自己居住用の住宅ローン金利に近い1~2%台という水準で利用できるローンもあります。不動産投資用ローンで取得した物件のローン返済は基本的に賃料収入で賄うことが一般的です。ローン返済額の全額を賃料収入でカバーできる物件であれば金融機関からの評価も高い傾向にあるといえるでしょう。

そのため投資利回りが高く優良な投資物件を供給している会社の物件に対しては、1~2%台という低い金利で融資を行うケースもあるようです。これまでは、超低金利のメリットといえば「自己居住用の住宅ローンに限られる」というイメージがありました。しかし低金利化は不動産投資用ローンに関してもあてはまるようになってきています。

超低金利ならこんなに返済負担が軽くなる

金利が低下することでどれくらい返済負担が軽減するのでしょうか。以下では1~4%の金利別、20年・25年・30年の返済期間別の1,000万円あたりの返済額を記載しています。

図表 金利別・借入期間別の1,000万円あたり返済額

金利20年返済25年返済30年返済
1.0%4万5,989円3万7,687円3万2,163円
1.5%4万8,254円3万9,993円3万4,512円
2.0%5万588円4万2,385円3万6,961円
2.5%5万2,990円4万4,861円3万9,512円
3.0%5万5,459円4万7,421円4万2,160円
3.5%5万7,995円5万62円4万4,904円
4.0%6万598円5万2,783円4万7,741円

融資金利が4.0%で返済期間30年の毎月返済額は約4万7,741円です。これは1,000万円あたりの返済額ですから、借入額が2,000万円であれば、その約2倍の9万5,483円、3,000万円なら約3倍の14万3,224円になります。

一方金利が2.0%に下がれば1,000万円あたりの返済額は約3万6,961円で借入額が2,000万円なら約2倍の7万3,923円、3,000万円なら約3倍の11万885円です。

同じ借入額であっても金利によって返済負担には大きな差が出てきます。30年返済で金利4.0%が2.0%に下がれば返済負担は約22.5%も減少することになるのです。

低金利のメリットをシミュレーションしてみよう

金利4.0%でローンを組んだ場合

例えば販売価格3,000万円で利回り4.0%の投資用物件を買った場合、年間の賃料収入は120万円(3,000万円×0.04)で月額に換算すると10万円です。金利4.0%で3,000万円全額の融資を受けた場合、毎月返済額は約14万3,224円になるため、月額約4万円が持ち出しになってしまいます。

もし自己資金を1,000万円入れて同金利で借入額2,000万円にした場合はどうなるでしょうか。ローン返済額は約9万5,483円に減り、4,517円のプラスです。ただし管理委託手数料をはじめとする諸経費を含んだ場合はその分いくらか必要になるでしょう。

金利2.0%でローンを組んだ場合

金利が2.0%のローンを利用した場合、3,000万円全額のローンでも返済額は約11万885円ですから、賃料収入が月額約10万円なら、持ち出しは月額約1万円に減少します。

さらに1,000万円の自己資金を入れて借入額2,000万円を組んだ場合は、ローン返済額は約7万3,923円となり2万6,077円のキャッシュが生まれます。このようになれば諸経費を支払っても利益が出る可能性も十分にありますし、超低金利のメリットを享受できることになるでしょう。

返済期間を短縮してリタイアまでに完済

低金利をうまく活用して返済期間を短縮した場合について考えてみましょう。

例えば上述した2,000万円の借入額で金利2.0%とすれば返済期間が30年なら返済額は月額約7万3,923円です。返済期間を25 年にすると約8万4,770円、20年だと約10万1,176円に増えます。月額10万円の賃料収入なら、25年返済までに短縮すれば諸経費まで含めてカバーできる可能性が高まってくるでしょう。

返済期間を短縮するとキャッシュは生まれにくくなるものの、5年10年と早く返済を終えることができるため、精神的な安心感が生まれることは大きなメリットです。この超低金利時代の不動産投資用ローンを上手に活用して早めに資産形成に取り組んでみてはいかがでしょうか。(提供:Incomepress


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